人身御供
非現実:作

■ 怪奇伝4

「金剛、武具はよい」
「……はっ」
「すぐにでも出るぞ?」
「ははっ」
「はっ」

琴乃の小さな手が、意外な程の力で私の衣服を掴んでいた。
両肩に手を置き、ゆっくりと引き剥がすが、イヤイヤをして離してくれない。

「琴乃……?」
「嫌ぁでございますぅ」
「心配要らぬ、敵はすぐにでも追い払えよう」
「〜〜〜〜」
「その為に、私は行くのだよ?」
「栄弦様…… ……死なない?」
「あぁ、私がお前を置いて死ぬ訳が無い」
「〜〜〜」

両手を琴乃の頬に添えてやる。
暖かい温もりと艶々の肌が心地良い。
(守らねばならぬ……絶対に)

「姫様、主様が負ける事などありえませぬ」
「桔梗……?」
「そうだ、案じよ」
「栄弦様」

ようやく小さな両拳が衣服から離れた。
私は心眼で琴乃を見つめてから、桔梗へと目を移した。

「桔梗、琴乃を頼んだ」
「お任せ下さいませ」
「……出るぞっ」


海岸の最前線を破られ、海に一番近い村が襲われている。
緊急事態であった。
私と金剛に不動、城の出陣の間に着いた頃には、各将が武具を纏い揃っていた。
党首、総布兵重が馬上で声を掛けてきた。

「ご苦労である、軍師殿」
「いえ」
「急を要する故、旗本しか揃わなんだ」
「敵の数は?」
「物見の話じゃと、40名程度じゃ」

武勇に長けた先駆けの者「魏志四郎」が代わりに答えた。
私はざっと旗本衆を目算した。
(およそ50名)

「この旗本衆で十二分に可能でしょう」
「もう少しすれば、ワシの兵等も付こうぞ?」
「魏志殿の旗本衆を付けずとも、これで十分です」
「やけに自信があるようだが?」

総布兵重の言葉に、私は口元を緩ませて見せる。
それを見た総布兵重は言った。

「軍師殿の知略を信ずるのみっ、者共ぉっ出撃じゃっぁ!!」

出陣の間に集まった兵等の、気合の怒声が響いた。

〜怪奇伝6〜

我らは、村が真下見える丘に辿り着いた。
だが時既に遅し、辿り着いた時には阿鼻叫喚の地獄絵図があった。

「ぅん…ぁっぁあああっぁ〜〜〜ぉおぅ!!」
「ホレホレ、もっと腰を動かせぇ!」
「ぃやぁっぁ…ぁぁ〜〜んぅ、はっぁ!!」
「コラァッ、口がお留守になっとるぞっ!!」
「ぁぉむっぅ…ふぅっぅ、ふぅぅ」
「何じゃ何じゃっ、今度はワシの方を手抜くかっ?」
「ぅぃ…はぁああ、んぅふぅっぉ!!」

女房と思しき熟れた女子が犯されていた。
衣服は剥ぎ取られ、膣は雑兵に塞がれ、もう1人の雑兵のチ○ポで口は塞がれ……。
更に両手でしごくは、3人目の雑兵のチ○ポ。
確かにこの女房は感じていた。
口に這わせるチ○ポを舌で、裏スジと尿道に這わせる。
レロォレロと音を立てて。
教え込まれた訳ではない、ただ互いの欲望のまま。
かの女房の身体は……完全に熟れ火照っていた。

「っぅ…むぅ〜〜ぐぅっは〜〜〜〜ぁぉう」
「くくく、良いぞ口の中ぁ!!」
「何じゃ何じゃ、途端に膣も暴れだしたぞ?」
「〜〜〜くぅ〜〜〜んぅ〜〜ふぅ!」

自然と腰が動き、根元まで唾液を塗しながら咥える熟した唇。
何度となく精液を浴びたのであろう身体中は、乾いた精液の上に真新たな精液で重なっている。
周囲は精液と犯された女の甘い臭いで充満し、次から次へと雑兵が集まるのだ。

「ホレホレッ、どうだぁ旦那と違う物はあっ!」
「あぎぃっ〜〜〜……ふぅぁ…んあぁ〜〜〜」
「ええんかぁ、ホレっ、ええんかぁ?」

激しく腰を振る雑兵に、その女房は合わせるかのように腰を振るのであった。
汗だくの裸体を震わせ腰を動かし、口一杯にチ○ポを含み、両手はチ○ポを包み刺激を繰り返す。
狂った狂艶……。
確かに女房は狂っていた。

「むぐぅっぉ、うぅああ〜〜ンゥ、ハッァああ!!」
「やるかっ、気をやるかよぉ!!」
「ぅやぁ…ぃぅ…ぃくっぅ!!」
「けっけっけ、十分にいけぇ、中に出してやるでよ」
「あ〜〜〜ぁ…中……はぁ〜〜〜!」
「心配無いぞけ〜、今まで何度中出しされたんじゃぁ」
「ううぁああっぁ……はぁ〜〜〜…〜〜ぁ」

ビクビクと打ち振るわせる女房。
纏わり付く雑兵が嬉々と行為を早める。

「次はワシじゃぁっ!!」
「なんのっ、ワシが狂わせちゃるっぅ!」

まるで烏が獲物を臭いで辿るように……。
そういう地獄絵図が、村一面に展開されていた。
所謂、乱取り。
金品や金目に思しき物、その他使える女子を陵辱して我が物とする。
一般の農兵が戦に参加するは、この乱取りがあってこそ戦に参加するが理由。
襲った側が形振り構わず手に取れる所業、それなるが乱取り。
(やれやれ……狂った島民な事よ)
特に三党は、乱取りをこの上なく好む。
他家を滅ぼして、そこなる島を奪い取ってやろうという気はあまりないようだ。
あくまで敵地の村々を荒らして金品を奪い取り去る。
こんなもの戦とは云えない。

兵馬の整列がようやく終わり、馬上の総布兵重に呼ばれるのだった。
たった50人以下の兵馬を整えるのに、えらい時間を掛けるものだ……。
これが本国における本場の戦だったら生きてはおれないであろう。

「軍師殿、如何致す?」
「これなるは勢い先立った者達故、退路を断てば即座に姿勢をくつがえましょう」
「ふむ……退路を絶てと」
「恐らくこの者達は、主に無断で出参った者達。
戦を展開するまでもないかと……。」
「あい解った、者共聞いたであろうっ!!」

気合の号が辺りを包んだ。
(どうせ、この戦は負け戦)
最前線をいつの間にか割られ、1つの村を壊滅された事実。
撃退したとしても、被害は大きい。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊