堕ちる貞女
一二三:作

■ 第1章5

5、決断。

 事務所に帰り、離婚届、財産放棄承諾書、委任状に署名押印して、所長は直ちに専属弁護士に連絡し、暫くして弁護士事務所から、「全てOK」の連絡が有り。
「もう大丈夫だ、此れからは俺の言う事だけに従って居れば何の心配も無い、其れでは今夜は皆で食事をしよう、勤務が終わったら地下の駐車場で待っていなさい、雅子は此処に残って小倉君は大掃除の応援に行きなさい」

 信恵が事務所を出てから、
「雅子、如何だ、予定通りだな、物に成りそうか、専属誰にする」
「今入会希望書が出ている獣医さんは如何ですか、合同調教を少し遣れば行けると思いますけど」
「そうだな、獣医の方が何処まで遣るか観た事無いから見当がつかん、お前今夜試してくれるか」
「ハイ、そうさせて頂きます、御主人様」
 所長は早速動物病院に電話しました。
「モシモシ、此方、ユニバーサル・システム・マネージメント・ワールドの武智と申します、院長先生いらっしゃいますでしょうか」
「ハイ、診察中ですので暫らくお待ち頂けますか」
「ハイ、お忙しい処恐れ入ります、此の侭待っております」
 暫く経って、
「お待たせしました、吉岡です、決まりましたか」
「其の事に就いてご報告致したいので差支えなければ今夜6時半から出られますか、御都合が悪ければ次の機会に回しますが」
「場所は何処でしょうか、6時半ですね」
「場所はZホテル12階の桃源郷です、武智と云って頂ければ分かる様になっていますから」
「分りました出席致します、宜しくお願いします」
 電話が切れて所長が。
「如何なるか分からんけど趙さんも呼ぼうか、此れに関しては功労者だからな、真由美達とも仲良くさせないといけないね」
「そうだわ、真由美親子も呼びますか、子供同士仲良くなれば助かるわぁ」
「真由美の専属は誰だ」
「ハイ、浅木様ですわ」
「電話してみよう」
「モシモシ、浅木さん、武智です、ご機嫌如何ですか」
「梅雨空だよ、何とかならんかね、好い話教えてよ」
「今夜予定有るの、若し好かったら真由美の元同僚と食事するけど真由美親子借りられますかね」
「多分予定は無いと思うけど、俺も一緒じゃいけないの」
「一緒出来れば尚好いよ、同じマンションに成るので子供達の為に食事を一緒したいのよ、其の後は成り行きだけどね」
「そりゃぁー好いね、行くよ、イクイクだ、場所何所、誰が来るの」
「俺と趙さんと入会待ちの吉岡獣医だ、女は雅子に今度捕まえた信恵と云う32歳の新人だ、獣医師が焦っているから合わせようかと思ってね、場所はZホテル12階の桃源郷だ、武智で分かる様になっているから」
「真由美と子供を連れて行けばいいんだな、了解」
 4時半過ぎ、雅子が帰り支度をしていると信恵が赤い顔して寄って来て、
「雅子さん、オッパイ摺れておかしくなり、股はスースーして気持ち悪いわぁ、如何も無いですかぁ」
 と泣きそうな声で言います。
「直ぐに慣れるわよ、3日もすれば大丈夫だよ、私なんかズーッと是だよ、若い時はビール瓶を入れたままや、錘を吊るしたままで仕事したよ」
「だって身の置き場が無くなるわぁ」
「みんなに聞かれると拙いから其の話は後でしよう、早く着替えなさい」
 申し送りを済ませタイムレコーダーを押して、雅子と信恵は地下駐車場に降りました、後を追うように所長も降りて来て、所長の車に3人が乗り込み所長の運転で雅コーポに行きました。
 地下駐車場に車を置き、エレベーターで13階まで上がり、今夜から信恵達が移住する1303号室に行きボタンを押すと、弁護士事務所の女性職員が出て来て、
「お帰りなさいませ、お疲れ様でした、無事滞りなく終わりました、詳細に就いては明日先生から説明が有ります、私は是で失礼致します」
 弁護士事務所の職員は所長に鍵を渡して帰りました。
「ママァー、お帰りなさい、此のオウチ綺麗よ、是から此処で住むの」
「只今、そうよ好いでしょう、一子と敏子です、中学1年と小学5年です。皆様に御挨拶しなさい」
 子供達は廊下に並んでいる大人達を見て恥ずかしそうに、
「よろしくおねがいします」
 と言って母親の手を引き部屋に引き込みました。
「あのね、会社の偉い方なの、所長さんと係長さんなの、之から色々とお世話に成りますからね、失礼が有ってはなりませんよ、どうぞ一緒に這入って下さい、直ぐ支度しますから」
「貴女が着る物は其のクローゼットに在りますからね、子供さんの物も一応揃えて置きました、但し貴女の下着は無いわよ、分ってるでしょう」
 最後の所は小声で言われます。
「ハイ、有り難う御座いました、直ぐ支度いたします、一子敏子、皆様と食事に行きますからね、早く着替えなさい」
 信恵親子が支度をしている間に所長と雅子は室内を一通り見回ります。支度が出来て皆で部屋を出てZホテルに向かいました。

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