桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作

■ 4

生徒たちにどよめきが起こる。
どよめきの中に、女の声は無い。

担任が桜怜を手招きする。

(行かなくちゃ……もうどうにもならないもの……)

覚悟を決め、桜怜は教室の中に入る。

生徒のどよめきがより強くなった。

「お……女の子!」
「すげ……女子だぜ!」
「てか可愛い! 最高じゃん!」
「こりゃ可愛いな……! やった!」
「でも何でコート着てんだ?」
生徒が口々に言う。

「小川……桜怜です。よろしく……お願いします」

桜怜がぎこちなく挨拶をする。

「じゃあ小川はそこの席に座れ。皆仲良くするように」

担任が言う。生徒たちが歓喜に満ちた声で返事をする。

桜怜が指定された席へ向かう。

「小川、こんな時期にコートの着用は禁止だ」

とうとう言われた一言。

(いや……)

桜怜は思う。しかし、脱ぐしかない。

「はい……脱ぎます……」

じぃ………

ゆっくりとファスナーを降ろしていく。

ぷつっ……

すべて降ろし終わる。

桜怜を見つめていたすべての男子の目が驚愕に満ちている。

「いやっ……」

桜怜はすぐさま椅子に座る。

大きさがあらわになった胸が大きく弾んだ。

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