桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作
■ 11
「それじゃ、いってきま〜す!」
翌朝、桜怜は補充のため学校に向かった。
きょうの補充は数学と英語。午前のみで終わりだ。
「今日も暑いなぁ……」
桜怜が呟き、校門を抜け、教室へ向かう。すると、
カシャッ!
「えっ!?」
桜怜は驚いて振り返る。誰も居ない。
「今のって……カメラの音だよね……携帯の……」
桜怜が言う。ふいに、ボタンの閉まらない制服から露出している谷間と、制服を押し上げているメロン大のおっぱいが恥ずかしくなる。
「と……撮られた……?」
桜怜は小走りに教室に駆け込んだ。
「ひひ、やったぜ、写真ゲット……」
ニヤニヤしながら一人の男子が言う。桜怜のクラスだ。
「信じられねーよな……普通の制服姿が谷間ショットになるなんて」
「ありゃバスケットボールくらいデカいな……」
「制服パンパンでもう揺れもしねぇ……」
二人の男子が口々に言う。そして桜怜と同じ補充教室に入った。
「ん……暑い……」
補充中、桜怜が呟く。40度近い中でクーラーのない教室。蒸し風呂のようだ。
「見られてる……?」
桜怜は授業中、ずっと人の視線を感じている。
いま教室にいるのは桜怜とクラスの男子10人程度。
補充は少人数だ。
「あ……」
桜怜がチラリと横を向いた先には携帯電話。
カメラのレンズが桜怜を向いている。
携帯を持っている男は前を向いて授業を聞いているフリをしながら、カメラを桜怜に向けている。
「ダメ……もう……撮らないで……」
小声で言うが、到底聞こえない。
「胸なの……? 胸撮られてるの……?」
桜怜は手でおっぱいをカメラから庇うようにする。
しかしその恥じらいの表情としぐさがさらに男を欲情させるのだ。
桜怜はふいに時計を見る。
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