桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作

■ 12

「もうちょっと……もうちょっとだから……」

ふいに、桜怜の背後の男子たちがヒソヒソ話を始める。

それはだんだん広がっていき、ほとんどの男子がニヤニヤし始める。

「何……? わたしのおっぱい見てエッチな話してるの……?」

桜怜に不安が広がる。そしてふいに気づく。

「背中……背中見られてる……?」

桜怜は男子たちが必死に桜怜の背中を覗き込もうとしていることに気づく。

「どうして……?」

桜怜は疑問に思う。そして男子のヒソヒソ話を聞き取ろうとする。

「きゃっ! あ……」

ひとつ聞き取れた単語で桜怜は理解した。

ピンク、桜怜のブラジャーの色だ。

「汗で……透けちゃってるんだ……!」

桜怜の羞恥が高まる。桜怜の背中にカメラを向けている者もいる。

「見ないで……みないで……」

桜怜が思い……キーンコーンカーンコーン……チャイムが鳴る。

「早く、帰ろう……」

終わってすぐさま桜怜はこの場から逃げたい一心で足早に教室をでようとする。
そしてドアの付近で……

「あんっ!」

足がもつれてしまい、桜怜は倒れこんでしまう。

「いたたた……」

桜怜は痛みで少し動けなくなる。

うしろには興奮した形相で携帯のカメラを撮る男子たち。

「え……?」

桜怜はまた、何を撮られているのか分からなくなり……気づいた。

「あっ……み、見ないでぇ!」

悲鳴を上げて教室から逃げる桜怜。

転んだ拍子にスカートがまくれあがっていたのだ。



「大収穫だな、今日は」

教室で男子たちが言う。

「巨乳ムービーに……透けブラムービーに……パンチラショットまで……」

携帯をいじりながら一人が言う。

「パンツはピンクだったな……いいねぇ」

「楽しみだな……明日も」

明日の桜怜の補充は体育、そして水泳だ……

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