桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作

■ 26

「いっ……いやぁっ!!」

桜怜はおもわず声をあげてしまった。

それは桜怜が水着に着替えている時の写真だった。

豊満なお尻を丸出しにしており、カラダとは裏腹に子供っぽさの残る可愛い顔を振り返って自分を撮っている携帯を羞恥に染まった目で見ている。

「どう……? ナイスショットでしょ……後姿だけど顔もばっちり映ってるし……」

携帯を見せた男が言う。

「他にも色々すごいのあるよ……」

「あ、俺も俺も、桜怜ちゃんの巨乳ショットいっぱいあるよ」

さらに別の男が携帯を取り出す。

「僕は桜怜ちゃんパンチラショット持ってるよ」

「俺はこのアングルの谷間が……」

男子全員が携帯を取り出し、各々撮った桜怜の写真を見ている。

「いやっ! いやっ! そんなの見ないで……お願い……」

桜怜がおもわず叫ぶ。

「ほら、こんなのもあるよ」

おもむろに他の男が桜怜に画面を見せてきた。

「いやっ!」

どんな写真か見る前に、桜怜は目をそむけてしまった。

「ほんと桜怜ちゃんすごいよなぁ……」

「普通に制服着ててあれだけ谷間が出るもんな……牛かよ……」

「あんなに顔は可愛いのに……大人でもあんなおっぱい見たことねぇよ……」

「もう巨乳なんてもんじゃないもんな……爆乳だよ」

男子たちがわざとらしく桜怜のそばでそんな会話を始める。

「いやぁ……そんなこと言わないでぇ……」

桜怜が言う。

「そうだ! 桜怜ちゃんの写真ネットに載せようか?」

男子の一人が言う。

「おっ……いいね! みんなが見れるように……」

ガヤガヤと、桜怜にとって悪魔の会話が盛り上がる。

「お……お願い……やめて……」

桜怜が懇願する。

(ネットに写真なんか載せられたら……)

「じゃ桜怜ちゃん、僕らと海行く?」

男子がそう尋ねる。

「い……行きます……」

桜怜が言う。もうこうするしかない。

「そっか、ありがと。」

勝ち誇ったようにニヤニヤしながら男子が言う。

「で……でも水着持ってないんだけど……」

桜怜が不安げに言う。

「ああ、近くに売店があってね……そこで水着貸してくれるから大丈夫だよ」

男子が答える。

(そんな……! サイズは……)

桜怜の規格外のバストに合う水着はなかなかない。

「じゃ行くよ、桜怜ちゃん」

そんなことを考える間もなく、男子たちが歩き始める。

「いや……!」

桜怜が一言そう呟き、男子について行く。

これから何が起きるかなんて考える気にもならなかった。

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