桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作
■ 34
プルルル……
「ん…? 電話…?」
桜怜が言う。
リビングから電話の音が聞こえる。
「出なくちゃ…」
家には今桜怜しかいない。
パンツ一枚のまま桜怜はリビングに向かい、電話を取る。
「はい、もしもし…」
「やぁ、桜怜ちゃん」
若い男の声。
「いやっ!」
桜怜は悲鳴を上げ、片手で丸出しのおっぱいを覆った。
「いきなり悲鳴あげることないでしょ、桜怜ちゃん」
声の主は桜怜のクラスの男子だ。
(ど…どうして…? あ…連絡網…!)
クラスの男子に家の番号なんて教えてはいない。桜怜はなぜかかってきたのか一瞬焦ったが、すぐクラス連絡網の存在を思いついた。
「な…何…?」
桜怜はわずかに声を震わせながらたずねる。
「そんなに動揺することないじゃん、クラスメイトでしょ?」
電話の向こうで男子が言う。
(いやっ…! わたし今ほとんどハダカ…!)
桜怜がきょろきょろと辺りを見回す。
電話越しとはいえ、パンツ一枚の姿を見られているのではという錯覚に陥る。
「な…何か用なの…?」
桜怜がたずねる。一刻も早く電話を切りたかった。
「うん、今日ヒマだしみんなで遊ぼうと思ってね…もちろん桜怜ちゃんも来てよ?」
男子が言う。
「えっ…遊ぶって…」
桜怜がとまどう。
「そりゃこんなクソ暑い日に男だけで遊んでてもしょうがないでしょ、
やっぱ桜怜ちゃんみたいな可愛くて巨乳…いや爆乳の女の子がいなくちゃ」
男子が言う。
「やっ…!」
桜怜がいっそう強くおっぱいを庇う。
(見られてないから…! 見てるわけないから…!)
桜怜はそう強く思い、自分のおっぱいを測っていた行為も見られていたのではという妄想を消す。
「じゃ、これからすぐにこないだの海岸に来て。あと服装は体操着とブルマを着て来て。
来なかったりしたら…どうなるかわかるよね」
男子が言う。
「う…うん…」
桜怜があいまいに返事をする。向こうが桜怜の恥ずかしい映像を持っている限り、逆らうことはできない。
「じゃ、あとでね」
男子が言い、電話が切れる。
「いやっ…! また…恥ずかしいことやらされるんだ…」
桜怜はあきらめたように呟きながら自分の部屋に戻り、いつもの頼りないブラジャーを着け、小さい体操着とブルマを着けた。
「行かなくちゃ…」
桜怜は呟き、むせ返るほど暑い外へ出た。
気持ちとは裏腹に、103センチの胸だけが大きく弾んでいた。
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