桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作

■ 53

重い足取りで桜怜は校門をくぐった。
休日ということもあって人の姿はない。しかし桜怜は警戒を強め、カバンをよりいっそう強くおっぱいに押し当て、目立ちすぎる胸を隠した。

「どこにいるの…? もうどっかで見てるの…?」
桜怜は不安気にあたりをきょろきょろしながら呟く。
しばらく校舎に向かって歩くが、まだ男子たちの姿は見えない。
「まだ来てないの…?」
桜怜が歩きながら呟く。
「うう…! なんであんないやらしい男子たちのことわたしが探さないといけないのっ…!」
桜怜は今の自分の姿を嘆く。毎回ニヤニヤしながらセクハラをしてくる男子たちをこっちが探すなんて…。
「あっ! まだ来てないなら…パンツ拾いに行ける…!」
桜怜はとっさに思いつき、早足でプールのほうへ向かった。
もし運良く男子にパンティが拾われていなければ今のうちに拾って帰れる…!
「おねがい…盗られてませんように…!」
桜怜は祈るようにプールへと小走りで急いだ。 そして更衣室の横を通ろうとした時…

ふわっ!
「えっ…!?」
思わず桜怜が素っ頓狂な声を上げ、ばっと振りかえる。
ふわり、とふとももとお尻に風の感触。

「おおっ! 白っ! 地味だけどいいねぇ〜!」
後ろから男子の声、おもちゃのマジックハンドで桜怜の短めのスカートを捲り上げている。

「きゃああっ!!」
桜怜は悲鳴を上げ、胸を隠していたカバンを取り落としながら慌ててマジックハンドを払いのけ、スカートを直す。
そして再びカバンでおっぱいを隠しながら男子のほうへ向き直り、キッとにらみつける。

(今日こそ強気でいかなくちゃ…!)
「もう! 何なの!」
桜怜はニヤニヤしている男子に強めの口調で言った。

「やぁ、ごめんごめん桜怜ちゃん、来てくれたんだ」
ぞろぞろと更衣室の陰から男子たちが出てきた。全員海パン姿だ。いつも通りカメラ、ビデオカメラを持っている者もいる。
もうすでに桜怜を撮りはじめている物もいる。さっきのパンチラも撮られてしまっただろう。

「やだ…! こんなところに隠れてたの…!」
男子たちにすぐに囲まれながら桜怜が呟く。さっきまで作っていた気丈な表情も大勢に囲まれ、すぐに崩れてしまう。

「いきなりいいリアクションありがと! 桜怜ちゃん…へへ…」
「バカでっかいおっぱいばっか隠してるからスカートめくられるんだよ?」
男子たちがニヤニヤとはやしたてる。

「そっ…そんなの…そっちが勝手に…!」
桜怜がモジモジと抵抗する。
(うう…なんで毎回そんな海水パンツで来るのぉ…!)
桜怜をとりまく男子たちが身に着けているのはいつもの学校指定のピチピチの海パンのみ。
そしていつもその股間は海パンを突き破らんほどに勃起し、桜怜のほうを向いている。
男子の股間がああなるのがどんな時かぐらい桜怜はわかっている。
「おっぱいは隠してるし普通に制服着てるだけなのに…! なんでみんなあんなになるのっ…!?」
この光景を見るたび、桜怜は制服を着て立っているだけで男子を興奮させられるカラダなのだと自覚させられる。
これではセクハラを受けても当然だ、とすら思わされてしまう。

「やんっ…!」
桜怜が内股でひざを合わせ、大きすぎる爆乳を抑えながらうつむく。
いくら目を逸らしても囲まれているため、イヤでも勃起が目に入る。
この状況が毎回、桜怜の抵抗する意志を削っていくのだ。

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