桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作
■ 61
「さぁ!桜怜ちゃんの負けだよ…どうする?」
「続けるなら下着姿の完成ー!」
「降参ならドキドキ罰ゲーム!」
男子たちが笑いながら言う。
もう桜怜の答えは決まっていた。ブラジャー姿で胸を揺らしながらあのバトミントン部に勝てるわけがない。
しかも次負ければブラジャーかパンツを脱がなくてはならない。
「…降参…します…もう許して…ください…!」
桜怜が肩で息をしつつ、うなだれながら声を絞り出した。
桜怜を取り囲む男子達の笑みが一段と大きくなった。
桜怜はへたりこんだまま、うだるような蒸し暑さとベタベタした不快な汗、取り囲む男子達の熱気と巨乳、いや全身に浴びせられる視線でもうろうとなっていた。
「おうおう、桜怜ちゃん、汗だくだね〜」
「あっついしなぁ〜今日も…」
「どう桜怜ちゃん、今何がしたい?」
男子達が肩で息をしている桜怜を見下ろしながらニヤニヤと尋ねてきた。
「な…何がしたい…って…」
また何かたくらんでいるのか、と桜怜は疑ったが意図は見えないし考える気すら起きなかったので正直に答えることにした。
「ノドがかわいたし…汗も流したい…です…」
桜怜が小さな声で言う。
もう桜怜もノドはカラカラだった。飲み物でも持ってくればよかったと思ったがもう遅い。
「そうだよね〜、ノドかわいたよね〜、」
「そのエッチな体操着も汗まみれだね、ブラジャーとパンツなんてもっとビショビショじゃん、きったね〜!」
男子達がケラケラ笑いながら言う。
「っ…き…汚いって…!」
そっちがオシッコなんかかけたんじゃない、と桜怜は言いかけたが、口にするのも屈辱なのでまた黙ってしまった。
「で、どーする桜怜ちゃん、素っ裸になって水でも浴びる?」
「お、いーねーいーね! そうしなよ!」
男子達がはやしたてる。
「えっ! …い…いや! そんなの…」
できるものならそうしたい、と桜怜は思うがハダカなんて死んでも見せられない。
これが罰ゲームなどと言われたらどうしよう、と桜怜は焦るが、男子達がなにをさせたいのかはなんとなくわかった。
「み…水着に着替えさせて…!」
桜怜は搾り出すように言った。自分から水着姿を見せると言い出すのはかなり屈辱だが、桜怜はとりあえずこのベタベタのブラジャーから開放されたかった。
「お〜、待ってました!」
「よ、よっしゃ! またあの爆乳水着姿が…!」
「やべぇ…今あんなの見たら…! たまんね〜!」
男子達が興奮して叫び出す。
「どうせ…こうするつもりだったんでしょっ…!」
桜怜が唇をかみながら呟く。
「よし、じゃ桜怜ちゃん、あっちの木陰で着替えてきなよ」
「まぁ…覗かないから安心しな、へへ〜!」
「あ、着替えてきたら飲み物あげるから。楽しみにしてなよ」
男子達が向こう側にある木を指差しながら桜怜に言った。
桜怜は内心ホッ、としながら水着を取り出そうとカバンを開ける。
「目の前で着替えさせられるかと思った…今の体力じゃおっぱいを隠しきれるかわかんない…」
男子達の輪の中で生着替えをさせられるのが罰ゲームなのではないか、と不安に思っていた桜怜はとりあえずその想像が外れ、少し安堵する。
カバンの中から桜怜が水着を取り出す。スクール水着とビキニがあったが、あんなパツパツのスク水を着れるわけが無い。
露出は大きいが、迷わず桜怜はビキニを選んだ。
「うおっ! ビキニ! さいこぉ〜!」
桜怜が立ち上がると、丸めて手に持っているピンクの布を男子が指差して叫ぶ。
「べつに…たっ、ただの水着じゃない…!」
ビキニを隠すように握り締めながら桜怜が気丈に言う。
「いやぁ、そんなバカデカいおっぱいの女の子なら何着ててもいやらしいけどね…」
「まぁ、早く着替えてきなよ、爆乳ちゃん」
男子たちがバカにしたように言う。
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