桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作

■ 62

「きっ…着替えるから…のぞかないでよね…!」
桜怜は小声で男子たちに言い、20メートルほど先の木の裏まで小走りに向かった。

「ふぅ…」
木の裏に隠れた桜怜は、とりあえず男子達の視線から逃れられたことに一息つく。
「この木…けっこう細い…ちゃんと隠せてる…?」
その木は真裏に居れば先ほどの男子たちの位置からは何とか見えないくらいの太さしかなかった。
少し彼らが移動すれば、桜怜の着替えはすぐに見れるだろう。

「いやっ! やっぱりこっち見てる…!」
桜怜は木の裏からチラッと顔を覗かせ、向こうに居る男子たちの様子を見た。
やはり大半がいつものニヤニヤした表情でこちらを見ている。
カメラを構えているもの、明らかに先ほどよりこちらに近づいて見ている者もいる。

「ダメ…! こっち向いて着替えなきゃ…! 向こうを見張ってなきゃ覗かれちゃう!」
木を背にして、男子達に背を向ける形でで着替えるつもりだった桜怜だったが、それでは彼らがどこにいるのかわからない。
仕方なく木を正面にして、男子達を監視しながら着替えることにする。

「すばやく着替えちゃおう…ダメ…! このくらいで負けちゃ…!」
「まだチャンスはあるんだから…! パンティはとりかえすんだからっ…!」
桜怜は呟き、木から顔を覗かせ、きっ、とこっちをいやらしく見つめる男子たちをにらんだ。

「うんっ…!」
桜怜は出来る限り木に密着し、キツい体操着をまくり始めた。
一気に脱ぎ去りたい気分だが、おっぱいが大きすぎる上に汗でカラダに密着し、なかなか脱げない。
くるくるとゆっくり捲り上げていき、ぐっ、と力をいれ、一気に引き抜く。
「あん!」
体操着の圧迫から開放された巨大なおっぱいがぼいん、と弾み、桜怜は思わず声を上げる。
同時にギリギリのところで留まっていたブラジャーのホックがプツ! とはずれ、Jカップのおっぱいが全ての圧迫から開放される。

「いやぁん!」
開放感を味わう余裕など桜怜にはなかった。男子達がこっちをどんな目で見ているかなんて確認もしたくなかった。
すばやくビキニを拾い上げ、大きすぎるオッパイに当てる。
そしてくるりと後ろを向き、木を背にする。
「今は大丈夫…落ち着いて水着のヒモ結ばなきゃ…!」
桜怜は一つ深呼吸をし、気分を落ち着かせる。今の状態なら男子の目は気にする必要はない。
「んっ…!」
小さいビキニの紐を懸命に引っ張り、背中でゴソゴソと固く結ぶ。これがほどけてしまうような事は間違ってもあってはならない。
何とかトップスを着け終わり、男子達に背を向けたまま桜怜は脱いだ体操着を腰に巻き、汗まみれのブルマとパンティを同時に引きおろし、足を抜く。
すっかり丸まってしまったブルマとパンティを手で分け、下のビキニを身に着ける。そして腰に巻いた体操着を解く。

「ふぅ…」
またも恥ずかしい水着姿にされてしまったが、先ほどの肌にまとわりつく汗まみれの服から開放され、少しばかりのキモチよさを味わう。
「もう負けない…! 言いなりになるのは最後なんだから…!」
おそらくずっと木越しに桜怜の着替えを見ていたであろう背後の男子達に桜怜は呟く。
ぐっ、と巨大なバストを目いっぱい出来る限りビキニに押し込むように水着を調整し、桜怜はまた男子達の視線の中へ戻っていった。



「うっ…ひょ〜〜!」
「だからこのデカさはありえねぇだろ〜!」
木陰から出てきた桜怜に対し男子達はいつもどおりの声を上げる。同時に向けられるカメラ。

「っもう…! 毎回毎回…!」
腕でムネを庇うこともせず、堂々と出てきた桜怜はあきれたように呟き、そのまま男子の視線を受け続ける。

「あれ? 桜怜ちゃん堂々としてるね」
「いやっ! とか言っておっぱい隠さないの? いっつもデカすぎて隠せてないけど」
男子達がカメラを向けながらバカにしたように言う。

「見たかったら見ればいいじゃない…! どうせ水着なんだし…こんなの…!」
うつむきながら桜怜が気丈に言う。しかし指先はもじもじとしているし、声も少し震えている。
強がりなのは男子達から見ても明らかだった。

「じゃ、思う存分見せてもらうかな」
「そうだよねー、自分から水着着たいって言ったんだもんね〜」
男子達はニヤニヤしながら各々桜怜の周りを取り囲み、間近で嘗め回すようにそのダイナマイトボディを眺めたり、色々なアングルからカメラを向けてきた。

「やだっ! ちょ…ちょっと…!」
バスケットボール大のおっぱいを間近から撮る者、ひたすらはちきれそうなお尻を撮る者、しゃがみ込み、真下から爆乳を撮る者…。
大勢の男子に囲まれ水着姿でカラダを見られ、それを撮られる。男子達は皆口を半開きにし、涎をたらしている者もいる。半パンを突き破りそうなほどの股間のふくらみなんて見たくも無い。
「もう…いい加減にして…!」
桜怜は自分のカラダが格好の性の対象なのだと再認識させられる状況に歯を食いしばって耐えた。

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