桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作

■ 63

「もっ…もういいでしょ! 見すぎ! やるなら早く次のことやってよ!」
二分くらい撮られ続けたあと、ついに桜怜が根負けして叫んだ。
男子達はニヤリとし、
「ごめんごめん、撮りすぎたー」
「あんまりデカいから見入っちゃったよ…へへ」

「もう…いやっ!」
胸をそっと庇いながら桜怜がうつむきながら小声で言う。

「お、そうだそうだ。桜怜ちゃんノドカラカラなんだよね、これどうぞ」
男子の一人が笑いながら桜怜にミネラルウォーターのペットポトルを差し出してきた。

「あ…」
恥ずかしさによって紛れていたが、大量に汗をかいたせいで桜怜ののどは渇ききっていた。

「へへ、どーぞ」
男子がにやつきながら水を手渡してくる。よく冷えているようだ。

「飲みたい…もうのどからから…!」
桜怜はためらいなく水を半ば奪い取るように男子から受け取り、一気に飲みだした。

「んっ…んっ…」
ゴクゴクとノドを鳴らしながら桜怜は水を飲み干していく。乾きが一気に潤されていく。

「おお〜! いい飲みっぷり…」
「そんなノドかわいてたのか…」
男子が言う。

勢いよく飲んだため、桜怜の口から水がこぼれ、その豊満なオッパイに流れ落ちる。

「うおー…!」
男子の感嘆の声。胸を隠すこともせず、豪快に水着姿で水をあおる桜怜の姿は、普段とは少し違った健康的なセクシーさを感じさせるものだった。

「ふぅ…ぷはっ…」
一気に桜怜はペットポトルの水を飲み干した。

「ずいぶん豪快に飲んだね〜、おいしかった?」
空のペットポトルを桜怜から受け取りながら男子が言う。

「う…うん…ノドかわいてたし…」
桜怜がおずおず答える。
「今わたし両手でペットポトル握って飲むのに夢中になっちゃってた…」
無防備な状態で水着姿をさらしていたことに気付く。見られるだけで済んで幸運だと桜怜は思った。

「さ、桜怜ちゃんのノドもすっきりしたとこで〜」
「バトミントンは俺らの勝ち! 桜怜ちゃん罰ゲームタイム!」
いえーい、と男子たちの拍手と歓声。

「そんな…」
抵抗むなしく負けてしまった桜怜。
「もうやだ…! もう恥ずかしい…!」
桜怜はうつむき、巨大なオッパイを抱える。心が折れそうになった。

「もう見られるのイヤ…! だめ…もう…あのパンティはあげちゃおう…!」
自分の下着があんな男子達に奪われると思うと死ぬほどイヤだが、水着姿で爆乳を見られ続けるのも耐えがたかった。

桜怜は胸を隠すのをやめ、顔を上げ、敗北宣言を行おうとした。
(パンツはあげるから…もう罰ゲームなんてやめて…! 帰らして…!)

「あ…」
桜怜が言いかけた時、
「お、何、爆乳ちゃん」
「うわ、でっかぁ…!」
水着からこぼれまくるオッパイに注がれる下心に満ちた視線とその大きさを揶揄する言葉。

「ダメ…やっぱり…いえない…!」
桜怜が唇をかみ、出かけた降参の言葉を飲み込む。
「くやしい…! わたしのことオッパイだけの女の子みたいに…! こんな格好にして好き放題にカラダ見てカメラで撮って…!」
桜怜の心に悔しさが戻ってくる。
「こんな男子達に降参なんてしたくない! パンティ渡したところで罰ゲームされないなんて限らないんだし…!」
桜怜は再び意を決する。負かしてやれないまでも下着を渡して許しを請うようなことはできない。

「あっ、罰ゲームがなにか不安ってか、桜怜ちゃん」
「ねー、今までもそのデカパイ見られて恥ずかしかったもんねー」
男子たちがまたもはやしたててくる。

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