桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作

■ 64

「オッパイがでっかいからってなによっ…! 罰ゲームなんて恥ずかしくもなんともないんだからっ!」きっ、と男子達をにらみつけ、桜怜が気丈に言い放った。

「ひゅ〜、言うねえ、桜怜ちゃん」
特にひるんだ様子もなく、男子達が桜怜に言う。
「その意気だよ桜怜ちゃん、罰ゲームクリアしたらまたパンツ取り返すチャンスがあるからね」

「やっぱり…そんなことだと思った…」
桜怜が呟く。桜怜が罰ゲームをクリアしてもそのまま帰す気はないようだ。
(望むところなんだから…こっちだってこのまま帰れないんだから!)
桜怜が闘志を燃やす。次は絶対に勝ってやる。

「次は絶対返してもらうから…! おっぱいばっか見てないでやるなら早くやってよ!」
なおもその申し訳程度にビキニに包まれたJカップを隠さず、むしろ誇示するようにしながら桜怜が言い放つ。

「そんなバカでかいの見せ付けてずいぶん威勢がいいねぇ」
「じゃ桜怜ちゃんの期待に応えて罰ゲームいきましょーか!」
男子が言いながら紙でできた箱を桜怜に見せてくる。

「なに…箱…?」
桜怜が訝しげな声を出す。箱の中には折りたたまれた紙が10枚ほど入っていた。

「さ、桜怜ちゃん、どれか一枚選んで」
「俺らが頑張って考えた罰ゲームだぜ、どれが当たるかな〜!」
箱を前に少しとまどう桜怜に男子達が言う。

「紙に罰ゲームの内容がかいてあるのね…」
桜怜が呟きながらそっと箱の中に手を入れる。

「どうせ…ロクなのないんでしょ…! どれだって関係ないわっ!」
桜怜が意を決し、一枚の紙を選び出す。

「よし、じゃ紙を開いて内容を読み上げて、桜怜ちゃん」
「なにがでたかな〜!」
男子達が一様にニヤニヤしながら言う。

桜怜がさっ、と紙を開き、中を読む。
「え…?」

「お、なんだなんだ、何が出た!?」
男子達が尋ねてくる。

「水着で…お…おっぱいスピーチ…?」
桜怜はおずおずと内容を読み上げる。
(な…なにこれ…?)

「でました〜! おっぱいスピーチ〜!」
おお〜、と男子達から歓声。

「なんなの…これ…?」
桜怜が少し不安げに言う。

「よし、じゃ早速ルール説明だ。桜怜ちゃんには2分間自分のオッパイについてしゃべってもらう」
「しゃべる内容は自分のオッパイのことなら基本的に自由ね」
男子達が解説する。

「お…オッパイのことをしゃべる…!?」
桜怜が動揺しながら言う。

「なんでもいいんだよ、大きくて良かったこととかイヤなこととか…」
「しゃべるだけでいいんだよ、簡単だと思うけどなぁ」
男子達があおるように言う。

(こんな男子達の前でオッパイについて自分でしゃべるなんて…)
自らのコンプレックスについて自分ではなすことに桜怜はためらう。

「もし沈黙が十秒続いたらミス。チャレンジは一回きりだよ」
「もし失敗すればまた罰ゲームだからね、がんばってね」
男子達が言う。

「そんな…! でも次はもっとひどいのが来るかもしれない…だったらこれで成功させないと…!」
桜怜が呟く。

「さ、こっちは準備オーケーだからね、始める時は言ってね、桜怜ちゃん」
いつの間にか桜怜の正面に男子達が集まって、桜怜のためらう表情と爆乳に視線を注いでいた。
しっかりカメラもまわっている。

「自由に話していいってことは…サイズとかカップは言わなくてもいいんだよね…だったら…」
桜怜は思う。男子に確認するのはためらわれたが問題はないだろう。

「じ、じゃあ…はじめ…ます」
とりあえずやるしかない。桜怜がおずおず言う。

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