桜怜ちゃんグラマラスデイズ
わたる:作

■ 65

「よっし。じゃあ…スタート!」
男子の一人が合図を出した。

「え…えっと…」
桜怜がいきなり言葉に詰まる。
(お、オッパイについてって…!? なにをしゃべったらいいの?)

「じゅーう…きゅーう…」
男子達がすかさずカウントダウンを始める。

「ま、待って! わ…私の胸…お、オッパイは…」
桜怜がたまらず慌てて言葉を搾り出す。黙ってちゃいけない。

「その…めっちゃ…大き…」
指をもじもじさせながら消え入りそうな声で言う。

「や…!」
ふと桜怜が少し顔を上げる。目の前には興奮しきった顔の男子達。
視線は頼りない水着を着けただけの爆乳に注がれている。

(いや…! こんな格好で立たされて…見られて…!)
「きゃあああっ!」
今まで堪えていた恥ずかしさが一気に噴出し、桜怜はたまらず胸を抱えてしゃがみ込む。

「よーん、さーん…」
男子達はうずくまる桜怜を見下ろしながらなおもカウントを続ける。
桜怜にはまた立って話を続ける力は無かった。

「ほい時間切れ〜! 残念!」
男子の一人がしゃがみこんだままの桜怜に言う。

「やべ…俺もう限界…」
「ぼ…僕も…」
そんな声が男子達の中から聞こえてくる。
そそくさと物陰に行く者、急に桜怜に背を向け、股間を押さえてしゃがむ者がいる。
なにをしているのかなんて桜怜は想像したくもなかった。

「なにお前ら、もうシコるの?」
「まぁいつまでもこんなカラダ見せ付けられたら無理も無いわな…」
「さっきトイレで出したのに…俺またやべぇ…!」

なおも溢れるJカップの胸を庇いながらしゃがむ桜怜を尻目に男子達が興奮しきった口調で話す。

「くやしい…! 恥ずかしがったら負けってわかってるのに…!」
桜怜がまたも羞恥心に打ち勝てなかったことを悔やむ。そしてバツゲームに失敗したことに対する不安に襲われる。
「またなにかさせられる…もういやぁ…!」
男子達は間違いなく桜怜にペナルティを課してくるだろう。何をさせられるのかなんてもう考えたくも無かった。

「さて、桜怜ちゃん…ダメだったねぇ?」
「あれだけ自信あった風なのに…」
「さて、わかってると思うけど追加バツゲームだよ、桜怜ちゃん」
男子が桜怜の予想通りのことを言う。

「うう…!」
桜怜が立ち上がり、手を背中で組み、豊満すぎる胸を強調する格好になる。
惜しげ無く水着姿を晒し、少しでも許しを請おうとする桜怜の行為だった。

「う…ひょおお〜!」
「あ…もうだめだ…」
目の前の桜怜のカラダに耐え切れなくなった男子達が次々に股間を押さえ、足早に物陰やトイレに駆けて行く。
「はは、お前ら何だよ…ちゃんと出すときは桜怜ちゃんに見えないようにするんだ」

「いやー、すごい威力だよね、桜怜ちゃんのおっぱい」
「俺二回出したのに…また…」
男子達がわざとらしく感心したように桜怜に言う。

「いや…! もう…! なんなの…!」
桜怜が唇をかみながら呟く。性の対象としてこんな男子達にどれだけ評価されても嬉しくない。

「あて…追加バツゲームだね、桜怜ちゃん」
男子が嬉しそうに言う。

「……」
桜怜がうつむく。
(どうせパンツは返す気なんかないんでしょ…もうイヤ…! これが終わったら帰ろう…!)
彼らに従ってもパンティを取り返すことはできないだろうと桜怜は悟った。
何よりもこれ以上恥ずかしい姿を見られ、カメラに収められるのはイヤだった。

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