親子三代の軌跡。
sadoken:作

■ 瓢箪から駒1

真理は9時30分に銀行に行き、昨日松本から渡された小切手に裏書きして預金通帳と一緒に窓口に出し、
「お早う御座います、済みません500万円を預金にして、残り500万円を現金でお願いします」
「はい、暫らくお掛けになってお待ち下さい」
待合ロビーの椅子に座り何気なく旅行ツアーのパンフレットを見ていると、
「織田様、どうぞ此方へお越し下さい」
 と、女性行員が来て案内します、付いて行くと応接室に通され、支店長代理の名札を付けた男性が、
「織田様、何時も有難う御座います、支店長代理の沖野で御座います、誠に申し訳ありませんが現金の500万円は当行の小切手ではいけないでしょうか、実は手前の恥を曝す様ですが、休日明けで未だ日銀からキャッシュが届いて居ないので現金が間に合いません、恐れ入りますが何卒お願致します、当行の小切手なら何処にでも通用しますから」
 真理は一瞬不吉な予感に襲われました、銀行に金が無い、そんな馬鹿な、不渡りかしら、一昨日からあんな惨めな想いをして手に入れた金なのに、何故、一昨日の夜から昨夜までの出来事が身体の中を駆け巡ります、
「あの小切手不渡りなの、銀行に金が無いって、そんな馬鹿な事有るのですか」
「申し訳ありません、週末には500万円以上の金は置かない事になっていますので、今500万出してしまうと小口の支払いが出来なくなりますので、誠に恐縮ですがご無理をお願い致します」
「待って下さい、一寸聞いて診ますね」
 真理は松本に電話して、
「織田真理子です、今銀行ですけど、現金が無いので小切手にして欲しいと言われますが宜しいでしょうか」
「しみったれた銀行だな、何銀行だ、好いよ、銀行小切手なら嫌とは言わないだろうから、そうしなさい」
「はい、分かりました」
電話を切って、
「小切手で好いそうですからそうして下さい」
「有難う御座いました、ではその様にさせて頂きます、少々お待ち下さい」
 暫らく待って支店長代理から通帳と小切手を受け取り、其の足で商工ファイナンスに行き、窓口で用件を告げると応接室に通されました。
「松本氏から承っています、書類は揃って居ますから一応目を通して下さい、此れで当社との債権債務は無くなります、有難う御座いました」
真理は松本から預かった借用書と500万円の小切手をテーブルに置き、
「長い間ご迷惑をお掛けして申し訳御座いませんでした、松本様の御助力によりお返しする事が出来ました、本当に有難う御座いました」
「いや、いや、そう畏まらないで下さい、色々きつい事を申しましたが、私達も商売ですからご容赦下さい。其れでは此の書類と此の借用書はお返しします、領収書はこの通りです、お確かめ下さい」
「はい、有難う御座いました」
「処で御商売の方は如何ですか、此の不景気で大変でしょう」
「はい、何とか遣って居ますが大変ですわ、支店長さんも来て下さいよ」
「御多分に洩れず私達金融業も大変だよ、去年の暮れから倒産や廃業が多く出ているからね、ママさんも今日までは大変だったでしょう」
支店長は、「昨日は此の世の御馳走をたっぷり味わったのだろう」、と言いたげな卑猥な目付きで真理を舐める様に眺めています。真理は支店長の視線に淫媚を感じ、ノーパンの股間が濡れるのを感じました。此れではいけないと我に返り、
「其れでは、今日は急ぎますので失礼致します、今後宜しくお願いします、有難う御座いました」
丁重に挨拶して支店長の目から逃れました。タクシーを拾って居酒屋たみに着いたのは11時50分でした。店の戸を開け、
「お早う御座います」
「ああ、お早う御座います、どうぞ其処に掛けて待って居て下さい、直ぐ済みますから」
「私も何か手伝いますわ」
「いいのよ、もう済みましたから、昨日はお疲れだったでしょう、よく眠れましたか」
「普段、頭が混乱すると眠れないのですが、踏ん切りがついたせいか、疲れ過ぎなのか良く眠れましたわ」
「くよくよするより踏ん切りつけた方が楽ですよね、だから私は何も考えない事にして居ますわ、御主人様の為される侭、俎板の上の鯉ですわ」
「私も早く紀子さん達の様に生りたいのですが成れるでしょうか、紀子さん、最初はどんなかったですか、逃げたく成らなかったですか」
「最初は痛くて惨めで辛かったわ、だけど、痛い後、惨めな後、辛い後に必ず快感地獄に落とされるので逃げる気持等何処えやら、今は御主人様やお客さまに喜んで頂くのが何よりの幸せですわ」
無駄話をしている時御主人様.がみえられました。
「お早う御座います、御主人様」
「はいお早う」
二人が揃って挨拶すると直ぐに紀子が、松本の前に跪きズボンのジッパーを下げ、珍棒を恭しく引き出し口に含みました。ゴクン、ゴクン、ゴクン、と、三口飲んで真理に交代しました。残りを全部真理が飲み乾しました。不思議な事に昨夜まであの嫌な臭いの小便が今日は気になりません、
「有難う御座いました御主人様、ご馳走様でした」
「よし、二人共スカートを捲れ、紀子、落とさなかったか、
「ハイ、後ろは大丈夫ですが前は1回落ちました」
「真理、毛無しノーパンで街を歩く気持ちは如何だ」
「人の目が、痛い程恥ずかしいです」
「そうか、早く馴れる事だな、で、済ませて来たのか」
「ハイ、お蔭様で滞りなく済ませて頂きました、有難う御座いました、此れが其の書類で御座います」
松本が目を通して、
「よろしい、大事に締まって置きなさい」
「此れ、御主人様が預かって頂けないでしょうか」
「そうだなぁー、民子に預けなさい、事務局として預かろう」
「有難う御座います、宜しくお願い致します、此れで全部吹っ切れましたわ」
「処で、家族との話は如何なったの」
「母は物凄く感謝しています、其処まで迷惑をお掛けしては恐れ多いと言って居ます。けど、お前が働かないと此の家は成り立たないから、お前の思う通りにしなさい、と言われました」
「で、お前の気持ちは如何なんだ、迷う暇はないよ」
「厚かましいお願いですが、家族全員此処で御厄介に成らせて下さい、お願いします」
「其れで好いのだな、よし決まった。今週中に住所変更や子供さんの転校手続きをして引っ越しなさい、引越しの車や人夫は俺が手配する、今週中に準備をして土曜日に引っ越しなさい。其れまでは毎日正午までに此処に来る事」
「ハイ、そうさせて頂きます」
「其れでは紀子、此れを着けなさい、昨日までより少し重たいぞ」
紀子に渡されたのは80gの鉄製錘2個でした、自分でインナーラビアのリングピアスに掛けるのです、昨日までの50gに比べずっしりと重いです。インナーラビアが伸びてオオシャコ貝から食み出します。
「真理は之だ、二人共仕事が終わる迄、外してはいけないよ」
「ハイ、有難う御座いました」

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