親子三代の軌跡。
sadoken:作

■ 瓢箪から駒2

真理にはクリ吸引器が渡されました。真理は自分でクリトリス包皮を剥き上げ吸引器を着けました。
3人で昼食を摂り、御主人様は会社に帰られ、二人は其々の店の仕入れです。魚と肉は専門店に電話注文して在るので買い出しに行くのは、野菜、果物、乾物、調味料、雑貨です。
 紀子は股間に錘を吊るし、真理はクリトリスに吸引器を着けて、ノーパン、ノーブラで紀子の運転するベンツで買い物です、郊外のショッピングモールで買物を済ませました。
 二人で仕込み調理に掛かります、4時には明美が大学から帰って手伝ってくれます、定番の煮物が出来た頃にはお客さんが這入って来ます。
 4時に明美と交替して真理はクラブ・ムーンに入りました、真理には今日は、遣らなければならない大仕事が待ち受けています。バーテン兼フロアボーイで店長の池田信二の首を切る事です。池田は、O氏が居なくなってから真理をモノにしようと此処半年、虎視眈々と狙って居るのです、此の間、一生縣命真理に尽くした積りで居ます、最近は少し差出がましい口を挟む様にもなりました。池田を首にするには何か池田の落ち度を握るのが得策です、売掛帳簿を開き入金状態のチェックに掛かりました。大口顧客だけを調べた処8件に不審な点が見つかり、帳簿にチェックを着け池田を問い詰める事にしました。
 6時に民子がクラブ・ムーンに初出勤です、和服で髪はアップでメガネを掛けた容姿です、
「お早う御座います、今日から宜しくお願いしますわ、私、此の道は分からないので勉強させて頂きますわ、下働きとして使って下さいね」
「お早う御座います、とんでも御座いません、有難う御座いました。早速ですが是を見て頂けますか、店長の首の理由にする積りです如何でしょう」
「其れを出すのは後からにしましょう、私が引導を渡しますから真理さんは黙って観て居て下さい、悪い様にはしませんからね、で、店長は何時頃入店しますか」
「もう間もなく来ると思いますわ、宜しくお願いしますわ」
「他に、店の女の子との恋愛とかは有りませんか」
「妙子さんとの噂が有りますが、はっきりは分かりません」
其処へ店長が出勤して来ました。
「お早う御座います、ママ、早いですね、何か有りましたか」
「そうなの、今日からこの店はこの方の物なの、長い間御苦労様でした、有難う御座いました、今後の事は此の方がされますからお話を聞いて下さい」
「そんなぁー、ママ、僕達は如何なるのですか」
民子が口を開きました。
「そう云う訳で今日から私が此の店のオーナーになりました、だから此の店は私の趣旨に切り替えます、先ず、男性は要らない店にしますので店長さんは辞めて頂きます、拘り無いかも知れませんが、ホステスさんも居たくない人は辞めて貰って構いません、居たい人は新規採用致します、今日付けで辞める方には、今月分の上に1カ月の打ち切り補償と月額平均給与×勤続年数で退職金を支払います、何か質問有りますか」
店長、咄嗟の事で暫らく考えて居ましたが、
「今迄のお客様や女の子のバンスは如何なりますか」
「お客様に対する売掛金は内容証明で金額確認を致します、バンスに就いては要望に応じます」
「そんな事したら、お客、来なく成りますよ」
「だから言ったでしょう、今迄の遣り方と違うと、今度は掛け売りは一切致しません、現金で単価を十分の一にします、薄利多売と心からのサービスでお客様に喜んで頂きます、此の地域では高級志向は成り立ちません」
「退職金は何時呉れるのですか」
「退職願にハンコを押した時点で払います」
「首になるのに退職願ですか、書けません」
「好いですよ、其れ迄、打ち切り補償と退職金は1銭も払いませんから、気に入らなければ労働基準監督署に訴えなさい」
民子の自信ある口調に、池田は応答に困って居ます。
「ホステスのバンスは如何なりますか」
「先程言ったでしょう、本人の要望に応えると」
「僕が貸した分は」
「ママさん、店長が勝手に貸す権利あったのですか」
「知りませんでした、そんな決まり有りません、店長が勝手に遣った事ですわ」
「僕は店の為に、ママに負担を掛けまいと思って居たのに」
「店長さん、貴方、私の店で妙子さんと、「集金が如何のこうの」と話して居ましたよね、詳しく話して貰っても好いのよ」
池田は藪を突いて蛇を出して仕舞いました。池田は民子をまじまじと見て、
「アッ、あそこのママさん、いえ、何もありません、ハンコ押します」
「貴方が店の為に、如何たらコウたら言わなかったら、此の話は出さない積りだったけど、出て仕舞っては仕方ないわ、集金した金、今直ぐ全部、此処に出しなさい」
「そんなぁー、急に言われても有りません」
「大凡の金額は分かるでしょう、幾等位なの」
「50位だと思います」
「嘘言っても直ぐにばれるわよ、内容証明打つから」
「200位有るかも知れません、許して下さい、きっと払いますから」
「未だ有るわよ、妙子さんとグルで小川さんから幾等巻き上げたの、此れも困るのよ、此の店が寂れる元だったのよね」
池田は顔が真っ青になり、床に土下座して、
「許して下さい、お願いします」
「ママさん、計算出来ましたか」
「ハイ、平均給与が287,000円で勤続年数が2年9カ月ですから、287000×2.9+287000=1,119,300円になります」
「ほぉー、二百万円も誤魔化していたら、貰う金より弁済金の方が大きいね、如何しますかママ、ママの管理不行き届きですわよ、ママが払ってくれますか」
「申し訳ありません、私は無一文ですから如何にも成りません、店長に払って貰うしか有りません、横領ですから」
「そうね、横領罪で告訴する事も出来るけど、余りしたくないわね、如何ママさん、1,119,300円は店長に渡すわ、その代わりママさんが働いて、二百万円返して頂戴、好いわね」
「ハイ、そうさせて頂きます」
「店長さん、ママさんに感謝しなさい、首になったと思えば腹が立つでしょうが、首になる元を作ったのは貴方ですよ、逆恨みをしてはいけませんよ、今日から3年間何時でも貴方を告訴出来るのですよ、時効は7年ですからね。くれぐれも市中でママや私に対する恨み言を言わないようにしなさい、口は災いの元ですよ」
民子は現金で池田に支払いました。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊