隷属姉妹
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■ 第1章 悪夢の始まり16
笠原は妙子の目線で、それ以上の質問を止めた。
妙子の目線は、笠原に[これ以上踏み込めば、後悔するわよ]そう物語っていたからだ。
笠原は早々に探りを入れるのを諦め
「へいへい、わかりやしたよ…。でっ、俺のメリットって何があるんだ?」
厚かましく、妙子に条件を問い掛ける。
暫く妙子と笠原は見つめ合ったが、妙子に取ってはこう言った輩の方が有り難かった。
下手に深入りされ、この病院自体の事を探られても困るからだ。
「貴方のメリットは、あの子のテクニックが上がる事。その奉仕を貴方が、堪能できる事よ…」
妙子は笠原に静かに告げる。
笠原は再び黙り込み、ジッと妙子を見詰めていたが、フッと視線を外し手を大きく広げて
「分かった、分かったよ…。まぁ、ここら辺が引き時か…。その条件を呑むよ…」
妙子の出す条件を承諾した。
妙子はニンマリと笑い、大きく頷くと
「さて、彼女の状況…。どんな状態に成ってるのか、詳しく話して…」
笠原に現状どう成っているのか、これからどうする計画なのか尋ねた。
笠原は完全に観念し、門脇との計画を洗いざらい話す。
笠原の話を聞いていた妙子の顔が、楽しくて堪らないと言う表情に変わる。
妙子は顔を押さえて、肩を震わせた。
おかしくて堪らないのだ。
(あの子…そんな悲惨な状況だったのね…。どうしようも無いじゃない…。逃げようが無い…、本気で笑えるわ…)
妙子は酷薄な笑みで、シナリオを考え笠原に話し始めた。
「そう、貴方に一番最初にやって貰う事が出来たわ…」
笠原は、妙子の言葉に息を呑みながら大きく頷くと
「貴方が、あの子の家に入ったら、取り敢えず散財させなさい。贅沢をしてお金を使いまくるの。そうね、車を買わせても良いわ。貴方がどこでも行けるように、介護機能付きの車…。結構な値段がする筈よ…」
妙子は突拍子もない事を笠原に告げた。
笠原は妙子の指示をキョトンとした顔で聞き[へっ]と思わず問い返した。
「良いの、それだけであの子は私の思いのままになるわ。そうそう、貴方は贅沢して良いけど、家族は別よ。とことん、貧しい暮らしをさせなさい。そうすれば、効果は絶大な筈…」
妙子はもう笠原を見ず、自分の空想の世界に入って、身体を震わせている。
笠原は呆気に取られてみていたが、妙子の言葉を聞いて、自分自身も妄想を始めると嗜虐心をかき立てた。
2人は数分妄想の中で、恵美の家族を虐め抜く。
どちらからともなく、妄想を終わらせた2人は、顔を見合わせる。
その顔は、既にお互いを同志と認めていた。
妙子がニッコリと笠原に微笑みかけると、笠原もニヤリと笑い返した。
「どんな事をする子に成るか、ちょっと試してみる?そこに、私が教育している玩具が有るんだけど…」
妙子はそう言って、扉を鞭で指し示した。
「へヘッ、姉さん話が分かるぜ…。入院生活で溜まりっ放しなんだ」
笠原は好色そうな顔を妙子に向け、年下の妙子を[姉さん]と呼んだ。
「止めてよ。私の方が遙かに年下なんだから、[中里]で良いわ」
妙子が不快そうに笠原に告げると
「わかりやしたよ、中里さん」
額をペシリと叩いて、調子の良い声で妙子の名前を呼び直す。
妙子は溜め息を吐きながら肩を竦めて、踵を返すと入り口に向かった。
妙子が扉を開けると、真澄は待機姿勢を維持していた。
跪いて俯き、両手でリードの端を捧げ持つ格好で、妙子が笠原と話をした30分程の間、ズッと待っていたのだ。
真澄の足下のリノリウムの床には、水溜まりが2つ出来ている。
一つは俯いた口の真下、もう一つは跪いた膝の間だ。
水溜まりを作る透明な液体は、真澄が垂れ流した涎と愛液だった。
真澄の太股から腰がピクピク動き、今も快感を受け続けている事が分かる。
妙子は真澄の差し出すリードを手に取り、クイッっと引き上げる
すると、真澄は泣きそうな顔を上げ、右足を踏みだし、立てた。
その瞬間、開いたままの真澄の口から
「ふぉあぁ〜〜〜…」
切ない声が漏れ、崩れそうに成る。
捲れ上がった真澄のスカートの内側、丁度膝の直ぐ上に、マジックテープの帯で細い針金が止まっていた。
真澄は目を固く閉じ、何とか踏ん張って、左足も立てた。
丁度腰を屈めたような姿勢で、真澄は動きが止まり
「あふぉ〜〜〜、あはぁ、あはぁ〜〜〜…」
身体をブルブルと震わせる。
妙子は真澄を冷たい視線で見下ろし
「刺激が辛いなら、早く太股を伸ばしなさい。それとも、振動と回転を楽しんでるの?」
凍てつくような声で、真澄に指示を出した。
真澄は歯を食いしばる事も出来ず、フラフラと直立すると、直ぐに背後で手を合わせる。
妙子は看護服のポケットから指錠を取り出し、真澄の背後に回って両手の親指を繋いだ。
無言で真澄の前に戻った妙子は、真澄のリードをクッと引く。
真澄はそのまま一歩を踏み出し、妙子に牽かれるまま病室へと入って行った。
病室に戻って来た妙子を見て、笠原は目を丸くする。
「おほぉ〜…。こいつは凄ぇや…」
思わず下卑た声を上げ、手を叩いた。
妙子は病室内に真澄を引き込むと、笠原の直ぐ目の前に連れてくる。
笠原がしげしげと真澄を見詰めていると、妙子はいきなり真澄のスカートを捲った。
真澄のスカートの中は、T字型の革ベルトが嵌められている。
そのT字型の革ベルトの真ん中から、2本の針金が伸びており、その端は膝の上に巻き付いたマジックテープで、太股に止められていた。
笠原はそれを不思議そうに見ると
「あら、コレが気に成る?」
妙子がその視線に気付き、マジックテープの帯を外す。
笠原が頷くと、妙子は楽しそうに微笑み
「これはね、コレのオ○ンコとアナルに咥え込んだ、バイブと直結してるの。この針金が曲がるとバイブが動くのよ、角度によって動きが強くなる。こんな風にね…」
笠原に説明しながら、針金をほぼ垂直に持ち上げた。
「ふぉばばばぁ〜〜〜、あひゅ〜、あひゅ〜〜〜…あふぉ、あふぉ、ふふぉ〜〜〜」
真澄は泣きそうな顔で、腰を淫らに振り、全身を激しく震わせる。
妙子は楽しそうに右手に持った針金を放して、真澄の左足のマジックテープを外し
「右足の針金は回転…、左足は振動よ…」
歌うように言いながら、左足に付いていた針金を垂直に持ち上げた。
真澄は爪先立ちに成りながら、固く目を閉じ
「はぼぉ〜、はぼぉ〜…ふぉぼぉ〜〜〜っ」
全身を硬直させて、藻掻いている。
妙子は冷たい微笑みで、真澄の藻掻く様を暫く堪能すると、スッと手に持った針金を放した。
真澄は振動から解放され[ゼハ〜、ゼハ〜]と荒い呼吸を吐いている。
呆気に取られる笠原を尻目に、妙子は真澄の背後に回り、T字帯のロックを外した。
真澄が足を素早く肩幅に開くと、妙子は無造作に真澄の股間に手を差し込み、T字帯を下に引く。
ズルリと真澄の2穴から、真っ黒なバイブが出てくる。
そのサイズは両方とも長さ17p、太さ6pと言う大きな物で、これが体内で暴れたら、かなりの刺激を受ける筈だった。
妙子はバイブの付いたT字帯をサイドテーブルの上に放り投げ、真澄の愛液で汚れた手を真澄の看護服で拭い
「コレを置いていくわ。朝の5時には返してね。それ以降は業者なんかも来て、見付かると五月蠅いし。穴はどこを使っても構わないし、何をしても良いけど、身体の形が変わるような事は禁止。それさえ、守れば別のも貸して上げるわよ」
真澄の取り扱い注意事項を笠原に教える。
笠原は真澄に視線を釘付けにし、呆けた顔でコクコクと頷いた。
妙子は[ふっ]と鼻で笑い、真澄の看護服のジッパーを一挙に下まで降ろし、胸元をはだける。
真澄の両乳房が顕わになったが、その形は中央に寄っていた。
寄っている理由は、乳房の頂点に有る、乳首が原因だった。
真澄の乳首には、直径3p程のリングピアスが着いており、そのピアスは長さ5p程の細い鎖で繋げられていた。
乳首を引き合わされて、乳房が真ん中に寄せられているのだ。
「この谷間も、結構愉しめるみたいよ…。使ってみたら?」
妙子はそう言いながら、細い鎖の真ん中に指をかけ、グイッと引き上げる。
真澄は苦痛に顔を歪めながら、爪先立ちで胸を突き出す。
妙子が目線を笠原に向けると、笠原は興奮した顔で、真澄と妙子を忙しなく見比べ、ハァハァと荒い息を吐いていた。
妙子が鎖を引っ掛けたままの指を、笠原の方に投げるように振ると、真澄が蹌踉けてベッドに俯せに突っ込む。
笠原は真澄がベッドに倒れた瞬間、真澄の指錠で組まされた腕を掴み、力任せに引っ張った。
真澄の身体が、そのまま笠原の足の間に引き込まれる。
妙子はそれを冷たい視線で見下ろして、興味を無くしたように入り口に向かった。
妙子は入り口を潜る前に、笠原に視線を向け
「そうそう、マスクは絶対に外せないから。変な事して壊さないでよ。弁償とペナルティー両方プレゼントするわよ」
ふざけたような声で、笠原に告げた。
この看護師の格好は、笠原に病院の情報を教えないために為された物だったが、笠原はそんな事に気付きもしないで、真澄の胸に顔を埋めながら右手を挙げて返事を返す。
この後笠原は、退院するまで、妙子の教育する、ピンクの看護服を着た美女達の、濃厚な奉仕を受け続けた。
妙子は門脇も追い詰め観念させて、巻き餌を与える。
笠原は勤務中の、門脇は休養日の看護師をあてがわれ、肉欲に溺れて行く。
笠原と門脇はいつの間にか骨抜きにされ、妙子の子飼いに成っていた。
美味しい餌を与えてくれ、自分達に大した事も要求しない妙子は、2人に取ってこれ以上ない飼い主だった。
[悪魔を操る魔女]妙子の思い描くステージは恵美が、知らぬ間に完成する。
こうして恵美達は、深い淫靡な迷宮に放り出され悪魔達に追い立てられるのだった。
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