隷属姉妹
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■ 第2章 支配の檻8

 笠原は好美を押し返した、恵美を見詰め
(けっ、こいつ結構頑丈だな…。後半はかなり加減しなかったが、それでもまだ立ってやがる…。けど、それももう終わりだ、そろそろ退場願おうか…)
 恵美の強情さに辟易し、右手を振り上げる。
 笠原は狙い澄まして、恵美の腰骨の付け根にゴム棒を叩き付けた。
 ドムッと言う低い独特な打撃音がすると、恵美の膝がカクンと落ち、そのまま床に倒れ込んだ。
 恵美は驚きを浮かべ、自分の下半身を見るが、恵美の腰から下には力が全く入らず、弱々しく藻掻いている。
(ほい、成功…。これでこいつの足は、4・5分は使い物にならねぇ…)
 笠原の打ち付けたゴム棒の衝撃力は、恵美の下半身の神経群を麻痺させ、その自由を奪ったのだ。

 好美は床に崩れ落ちた恵美を見て、目を大きく見開き、声も出せずに固まっていた。
「はい、お終い。次はどっちが受けるんだ?あと9発残ってるぜ…」
 笠原がニヤニヤ笑いながら、好美と愛美に告げると
「嫌〜!駄目、止めて下さい!私が!私が受けます〜」
 恵美が藻掻きながら、必死で笠原に懇願する。
 だが、そんな恵美に好美がしがみ付き
「お姉ちゃんもう止めて!これ以上叩かれたら、お姉ちゃん死んじゃう!私が受けるから…。お願い、私に受けさせて…」
 泣きながら必死に恵美を止め、笠原の方に向き直ると
「私が替わりに叩かれます」
 スッと立ち上がって、笠原の前に進み出した。
「良〜し。良い心がけだ…。だが、加減はしてやらないぞ…」
 笠原は酷薄な微笑みを浮かべ、好美に宣言し
「両手を上げて、頭の上に組め」
 楽しそうに姿勢を指示した。

 好美はコクリと頷くと、言われた通り両手を上げて、頭の上で組むとゴクリと唾を飲み込む。
 笠原が右手を持ち上げると
「嫌〜っ!止めて〜っ!」
 恵美の悲痛な声が響き、それを合図のように笠原の右手が振り下ろされる。
 好美の脇腹で、ドフッっと言う音がすると、1発で好美の意識が飛びかけ、身体がヘナヘナと崩れ落ちて行く。
 好美は床にへたり込み、真っ青な顔で荒い息を吐く。
(な、何…これ…。お姉ちゃん、こんなのを20発以上受けたの…。信じられない…)
 好美は余りの衝撃と、それ以上に恵美の耐え抜いた物の凄さに驚いた。
 笠原が酷薄な微笑みを浮かべたまま
「どうした?もう終わりか…。じゃあ、あと8発はそっちのチビだな…」
 好美に告げ、愛美の方に向き直る。
 愛美は恐怖で顔を引きつらせ、涙を浮かべ小刻みに頭を振り、嫌々をした。

 笠原はそんな愛美の行動を無視し、近付こうと車輪に手を当てると
「ま、待って下さい…。まだ、私が受けます」
 好美が床からヨロヨロと起き上がり、笠原の前に立った。
 笠原は好美を見詰め
「次に膝を着いたら、お前は終わりだ…。残りは全部妹に行くぞ」
 冷たい声で、宣言する。
 好美はコクリと頷き、両手を頭の上で組んだ。
 そんな好美の態度を、笠原はムッとした表情で見詰め
「返事はどうした!お前の姉貴はそんな態度で、お仕置きを受けてたのか!」
 怒鳴りながら、好美の左の脇腹にゴム棒を打ち付ける。
「ぐふぅ〜…。申し訳有りません…。私を叩いて下さい〜〜〜っ!」
 好美は悲痛な声を上げ、笠原に謝罪し打擲を懇願した。

 笠原はそんな好美の謝罪を鼻で笑うと
「お前は、素直さが足りねぇ…。お仕置きはきつめだ!俺が叩きやすいように、その場で回れ」
 好美をなじり、回転するように命じる。
「も、申し訳有りません…、これで宜しいですか…」
 好美は笠原に謝罪し、ユックリ時計回転で回り始めた。
 笠原はそんな好美の言葉に、返事の替わりに打ち付ける
 ドフッっと鈍い音を立て、好美のお尻に棒が吸い込まれると、好美の腰が前にせり出す。
 衝撃で好美は数歩前に多々良を踏み、体勢を立て直して元の場所に戻る。
「申し訳御座いません…、次をお願いします…」
 元の場所に戻った好美は、笠原に蹌踉(よろ)めいた事を謝罪し、再び回転しながら次の打擲を頼む。

 笠原は酷薄な笑みを浮かべながら、好美の身体を打ち付ける。
 笠原が宣言した通り、好美に与えられる打擲は、恵美の物より強かった。
 1発打ち付けられるたびに、好美の身体は弾かれ蹌踉(よろ)めき、謝罪しては元の場所に戻って回転するを繰り返す。
 笠原は集中的に、好美の腹部を叩き続ける。
 6発目で、好美は込み上げる嘔吐感に堪えられなく成った。
「げほっ」
 好美は口から胃液と夕食のお茶漬けを吐き出し、激しく咳き込む。
 衝撃により好美の内蔵は、細かい痙攣を起こしていたのだ。
(もう、限界だな…。6発か…、なかなか頑張ったじゃねぇか…。どうも、この姉妹は見掛けより耐久力が高いな…。これから楽しみだぜ…)
 笠原はゼーハーと激しく咽せる好美を見詰め、ニンマリとほくそ笑む。

 笠原が愛美に向き直ろうとすると
「ま、待って下さい…。まだ、膝を着いていません…。私を叩いて下さい…」
 好美は真っ青な顔で、笠原の動きを止めた。
 笠原は好美に驚いた視線を向けると、好美はまた回転を始めている。
(けっ、生意気なガキだぜ…。なら、望み通り膝を付かせてやる)
 笠原はムッとして、回転を始めた好美の太股にゴム棒を叩き付けた。
 バズンと今まで聞いた事の無い音が響き
「ぎえぇ〜〜〜っ」
 好美の口から、怪鳥のような声が飛び出す。
 その一撃で、好美の左足はブルブルと震え、体重を支えられ無く成った。

 好美の身体が大きく傾き、床に倒れ込み掛ける。
 だが、好美はその体勢を必死に我慢し、ブルブルと震える左足を両手で押さえ
「ま、まだ…倒れて居ませんよね…。つ、次をお願いします…」
 笠原をジッと見詰めて、次の打擲を依頼した。
(このアマ…舐めやがって…)
 笠原は真っ直ぐに見詰める好美の視線と、その気丈な態度に苛立ちを覚えて、力任せに右太股にゴム棒を叩き付ける。
 先程と同じような音が鳴り、好美の口からまた怪鳥のような声が上がると、好美はその場にもんどり打って倒れた。
 好美のスカートが捲れ上がり、剥き出しになった太股には、10p程の幅の真っ赤な帯が張り付いて、ビクビクと痙攣している。
 その赤は、叩かれて表面が染まるような赤では無く、皮膚下で毛細血管が切れ、内出血を起こしているどす黒い赤だった。

 好美は両足を抱え込み、ゴロゴロと床の上を転がり回っている。
 その顔は目を大きく見開き、口を目一杯開けていたが、悲鳴は出ていない。
 余りの痛みに、声が出ない状態だった。
 笠原はそんな好美を見下ろしながら
(ちっ、やり過ぎちまったか…。まぁ、あの様子じゃ、骨までは逝ってないな…、2・3日歩くのに支障が出るくらいか…)
 好美の状態を判断し、やり過ぎてしまった事を少しだけ後悔した。
 判断を下した笠原は、最後に残った1発を愛美に与えるべく、前に進む。
 恵美は好美に這い寄り、好美の身体を心配していた為、笠原の動きに気付かず、愛美は恐怖に身体が竦んで動けない。

 笠原が愛美を射程の中に入れ
「お前は1発で済むみたいだぜ。お姉ちゃんに感謝するんだな…」
 静かに宣言すると、ゴム棒を振りかぶる。
 笠原は愛美の背中に目標を定め、ゴム棒を振り下ろした。
 その瞬間愛美は身体を捻り、しゃがみ込んでしまう。
 笠原の放ったゴム棒は、笠原が狙った場所から10p上にずれた。
(ちぃ!糞ガキ!)
 笠原はゴム棒がどこに当たるか、咄嗟に理解し、その腕にブレーキを掛ける。
 だが、一度動いた腕はそう簡単に止める事は出来ず、笠原が理解した場所に命中した。
 笠原の放ったゴム棒は、打ってはいけない、最悪の場所に吸い込まれる。
 延髄
 そこは、そう呼ばれる、身体中の神経が集中する場所。
 簡単に人に致命傷を与える、代表的な場所だった。

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