隷属姉妹
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■ 第2章 支配の檻11
蓋を開けた瞬間、好美が[ヒッ]と小さな悲鳴を上げる。
その中には、明らかに人を責める物が入っていたからだ。
小さな万力のような物から装飾の付いたやっとこ、何かを挟むような物から太い針などが、ビッシリと入っている。
笠原は好美にも顎で示しながら
「お前もそこに座れ」
短く命令した。
好美は青い顔でガクガクと頷き、笠原が指示した恵美の横に座る。
笠原はその中から、無数の紐を束ねたような物を拾い上げ
「これはな、[猫鞭]という奴だ。こいつで打たれると、肌がズクズクに裂けて、傷は絶対に塞がらない」
恵美に見せながら説明した。
その鞭は、細い紐を束ねた物で、紐の先端1つずつに星形の金属が付いている。
笠原に説明されるまでも無く、一目見れば笠原の言った結果に成ると、恵美が理解しガタガタと震えた。
「だが、これはお前には使わない。お前が心から反省するまで、そのチビをこれで打ち付けてやる」
笠原は視線をいきなり愛美に向け、右手を振り被る。
「ひぃ〜っ!や、止めて下さい!お願いします〜!愛美は…愛美は何も関係無い筈です〜!」
恵美は顔を引きつらせ、笠原にしがみ付き必死に許しを請う。
笠原はそんな恵美の顎に、肘打ちを喰らわせ払いのけると
「うるせぇ!こいつが避けなきゃ、あんな事は起きなかったんだよ!糞生意気な事を言ったお前には、家族がボロボロになるのを見たあとで、一番きつい仕置きをしてやる!」
猫鞭で指し示しながら、恵美に言い放った。
恵美はボロボロと涙を流しながら
「お願いです、後生ですから…。愛美や好美に手を出さないで下さい。私は何をされても構いません!ですから、お願いします笠原さん」
笠原を必死に拝み倒して懇願する。
笠原は懇願する恵美を睨み付け、猫鞭をアタッシュケースに戻すと、金属製の瓢箪のような物を取り出し
「ならこれを耐えてみろ。これは、[洋梨]って言う拷問道具だ。これに耐えられたら、お前の頼みを聞いてやっても良いぞ」
恵美に放り投げて告げた。
恵美はそれを受け取り、マジマジと見る。
[洋梨]と呼ばれた物は、金属製の洋梨の形をした鉄製の器具で、細くなった方にはネジがついており、太い方にはビッシリと金属の鋲が打っていて、その重さと相まって手に持っているだけでも相当痛い。
縦に4本筋が入っている所を見ると、どうやらこの器具は開く構造になっているようだった。
恵美はそれを恐怖に染まった目で見詰め
「こ、これは…どうする物なんですか…」
笠原に使用方法を聞いた。
笠原はニヤリと笑い
「それをオ○ンコに入れろ。入れたらそのネジを回すんだ。ネジを最後まで回し切れたら、お前の言う事を聞いてやる」
恵美に使用方法と頼み事を聞く条件を告げる。
それを聞いた恵美は顔を引きつらせ
「ひぃ!そ、そんな…。こ、こんな大きな物入りません…。それに、こんな棘だらけの物を入れたら、私の…壊れてしまいます」
笠原に抗議した。
「ああ、そうだな。それはそう言う目的の為の道具だ。それに、お前は何でもするって俺に言った筈だぜ」
笠原の言葉に、恵美は身悶えして
「あぁ…お願いします…、私は…まだ、経験が無いんです…。こんな、大きな物…絶対に入りません…」
許しを請うと、笠原が呆気に取られた顔を見せ
「ああん?お前まだ処女なのか?」
恵美に問い掛ける。
恵美は蒼白な顔を縦に振り
「はい…。私は、今まで男性とお付き合いした事が無いんです。高校も看護系の学校に通ったせいで、殆ど女子校のような物だったので…」
笠原に自分の恋愛経験の無さを教えた。
(マジかよ!こいつも処女だって事は、俺は3人の処女が食えるって事か!へへへっ、こりゃ楽しみが増えた)
笠原は恵美の告白を聞いて、内心ほくそ笑む。
笠原は拷問好きの性癖から、処女を犯すのが大好きだった。
それも、無理矢理犯すのでは無く、徹底的に屈服させ、自らの意志で処女を差し出すと言うシチュエーションが大好きなのだ。
この笠原の好みは、只単に嗜虐心を満たすと言うだけで無く、支配を強める為にも効果的だった。
無理矢理犯した場合、犯された相手にどうしても、理由を与えてしまう。
これは、経験者を相手にしても言える事で、[無理矢理]と言う事実は、犯された者の心にかなり色濃く残る。
すると、犯された者は必ず自分の中に、[無理矢理だった]と言う心の逃げ場を作り、それに縋り付いて抵抗心を保つ場合が多いのだ。
だが、自ら身体を差し出した場合、その逃げ場が無く、抵抗心を維持出来ない。
自ら処女を差し出すという事は、自分の置かれた立場を[享受する]と言う事で、精々[仕方が無かった]ぐらいしか、自分に対して良い訳が出来ないのだ。
この差は、心の中でかなり大きな割合を占める。
無理矢理の場合は、犯した者に憎悪を向ける事が出来るが、享受した場合は、その対象が自分に向いてしまう。
憎悪と言う強い感情を、自分に向けた者の心を折る事は、笠原にとっては赤子の手を捻るような物だった。
こんな心の動きを笠原は知識や理論では無く、経験から熟知していたのだ。
そんな笠原は、この時点で恵美達に自慢の拷問具を使うつもりは、毛頭無かった。
笠原の持つ本格的な拷問具を使えば、肉体を破壊し、誰がどう見ても虐待している事が一目で分かってしまう。
それをした場合、間違い無く笠原は手が後ろに回る事を熟知していた。
以前も拷問具を使った為に、その特殊性から笠原は直ぐに警察に捕まっている。
笠原はその教訓を生かし、自分が持つ拷問具の数々は、脅迫用であり反抗の芽を潰す抑止力に止める事にしていた。
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