隷属姉妹
MIN:作

■ 第2章 支配の檻12

 笠原は恵美を暫く睨み付けると
「つまり何か…。お前は、俺の言う事は聞くが、身体に傷が付いたりするのは嫌。妹達にも、言う事は聞かせるが、手出しはするなと俺に言うんだな…」
 低い声で恵美に問い掛けた。
 恵美は笠原の言葉に、小さく成りながら
「は、はい…。そうして頂けるなら…。どんな事にも従います…」
 消え入りそうな声で笠原に返事をする。
 実に都合の良い話だった。
 恵美は笠原が絶対にそんな条件を呑む訳がないと理解していたが、これだけは譲れないラインだったのだ。
 笠原は項垂れ小さく成った恵美を見詰め
「どんな事でもするって、どうするつもりなんだ」
 低い声で問い掛ける。

 笠原の問い掛けに、恵美の肩がビクリと震え怖ず怖ずと顔を上げると
「は…い…。私の身体はどう成っても構いません。どうか、それで妹達に折檻するのを止めて頂けませんか…」
 泣きそうな顔で笠原に懇願した。
 笠原は恵美の申し出を聞き
「お前が身体を差し出したら、妹達は俺に服従して、お前も逆らわないって言うのか?どこにその話を信じられる保証が有るんだ?」
 大きな溜め息を1つ吐いて、恵美に呆れ顔で問い掛ける。
「そ、それは…」
 恵美は笠原の問い掛けに、グッと言葉を呑み込んで
「わ、私を信頼して頂くしか…有りません…」
 小さな声で笠原に告げる。
「おいおい、お前本気で俺を馬鹿にしてるだろ?お前を信頼するも何も、この騒ぎの原因…お前忘れたのか?誰がそんな奴の言う事を信頼できるんだよ」
 笠原は首を傾げ、眉根に皺を寄せて恵美に問い掛けた。

 笠原の反応は至極当然で、恵美自身も自分の言っている事に、無理が有ると判っていた。
 だが、恵美は笠原に懇願して、聞き入れて貰うしか無いと言わんばかりに土下座して、声を張り上げる。
「お願いです。お願いします…、笠原さん。どうか、どうか信用して下さい…」
 必死に頼み込む恵美を後押しするように、好美と愛美が恵美を真似て
「笠原さん、私も絶対に逆らいません。ですから、お姉ちゃんのお願いを聞いて下さい」
「愛美も小父さんの言う事を守ります。だから、お願いします」
 必死に笠原に懇願した。
 三姉妹が平伏すると、笠原は[待ってました]と言わんばかりに、心の中でニヤリと笑顔を浮かべ、黒いアタッシュケースに手を伸ばし
「これを身に付ける事が、俺の最大の譲歩だ」
 恵美達にぶっきらぼうに告げ、10p程の奇妙な棒を放り投げた。
 恵美達は笠原の言葉に驚き、マジマジと渡された物を見詰める。

 その棒は長さ12p、直径2p程で、先端から1p・3p・5p・10pと4カ所に筋が入っていた。
 全体はゴムのような材質だが、3pから5pの間に金属の突起がポツポツと出ている。
 そして、一番端には直径5p厚さ1p程の、丸い台座が付いていた。
 台座部分は3p程の円錐になっていて、全てを合わせると厚さは4p程になる。
 恵美はその棒をひっくり返すと、台座の底部には小さな窓の中に20と数字が書かれ、緑色のダイオードと星形の穴が空いている。

 全く用途の判らない棒を恵美は見詰めると
「こ、これをどうするんですか…」
 笠原に不思議そうに問い掛けた。
 笠原は恵美の質問に仏頂面のまま、愛美に向かって左手を伸ばし、手招きをする。
 愛美はいきなり呼ばれてキョトンとした表情で、自分を指さしキョロキョロと恵美、好美、笠原の顔を交互に見渡し
「えっ、えっ、えっ…。ま、愛美?」
 高い声で聞き返した。
「おう、お前だ。早く来い」
 笠原が威圧するように告げると、愛美は怖ず怖ずと立ち上がり笠原に近付いた。

 愛美が近付いてくると、恵美を見詰めながら、愛美の腕を掴み、車椅子の上に引き上げる。
 愛美は車椅子の上に俯せで引き上げられ、驚いて暴れだす。
 笠原は暴れ始めた愛美の後頭部に、軽く肘打ちを当て
「静かにしろ!直ぐに終わる!」
 低く恫喝して、愛美の反抗を止めた。
 愛美は笠原の声と後頭部に走る痛みに怯え、ビクリと震えて俯せのまま抵抗を止め、身体を小刻みに震わせ恐怖に耐えようとする。
 恵美と好美は逆らう訳にもいかず、笠原の行動を見守るしか出来なかった。
 笠原は三姉妹を見渡し、抵抗が無い事を確認すると、ユックリと右手をアタッシュケースに伸ばし、薬のチューブと恵美に渡した棒と同じ物を拾い上げる。

 笠原の行動を固唾を呑み、ジッと見詰める恵美と好美を睨み付けながら、笠原はチューブからジェルを出し、左手で棒に塗りたくった。
 ジェルで棒をベタベタにした笠原は、いきなり愛美のスカートを捲り上げパンティーを降ろし、幼いお尻を晒け出す。
 その瞬間、愛美は顔を両手で隠し
「いや〜!」
 高い声で悲鳴を上げ、恵美が身体を乗り出して
「や、約束が違います」
 必死に抗議しようとする。
 笠原は愛美の後頭部に当てた右肘に体重を掛け、恵美を睨み付けて
「うるせぇ!黙れ!」
 恵美と愛美を威嚇し、直ぐに鋭い視線を好美にも油断無く向けて威嚇する。
 何も抗議しなかった好美だが、笠原の威嚇を受け止めたその視線は、一番敵意に満ちていた。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊