隷属姉妹
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■ 第2章 支配の檻17

 恵美は、一瞬愛美の事を心配したが、笠原の目がジッと見詰めている事に気付き、直ぐに床掃除に意識を向けた。
 愛美がキッチンから20リッターの大きなゴミ箱を持って来ると、床掃除も終わり
「おい、お前等。汚れた雑巾をそこに入れろ」
 笠原が三姉妹に命じる。
 三姉妹は、床掃除に使った上着、ビショビショに成ったパンティーを渋々ゴミ箱に入れた。
 笠原はその三姉妹を見渡し
「それは、良いのか?」
 スカートを指さして、問い掛ける。
 恵美が流石に笠原に向かって
「こ、これは…、許して下さい…」
 小さな声で懇願すると
「良いんだな?お前等は、そのスカートのまま眠る事に成るんだぞ」
 笠原は低い声で、三姉妹に問い掛けた。

 この質問に三姉妹は愕然として
「き、着替えはさせて頂けないんですか?」
 異口同音に笠原に質問する。
「当たり前だ。この家の物は全部借金のカタだ。全部が俺の所有物だ、俺の許可無しにお前達が使う事は許さねぇ」
 笠原は小馬鹿にしたような笑顔を浮かべ、三姉妹に告げた。
 三姉妹は唇を噛みしめ、ガックリと肩を落とし、湿ったスカートを脱ぐかどうか、真剣に考え始める。
 そんな中、ハッと好美が顔を持ち上げ、笠原の顔を情け無い顔で見詰め
「お、お風呂には、入らせて貰えないんですか?」
 笠原に問い掛ける。
「何だ?俺は、もう遅いから風呂には入らねぇぞ」
 笠原は全く好美の質問と違う答えを返した。

 恵美は笠原の答えで、何となく笠原の言わんとしている事を理解したが、好美は気付かず
「えっ?あ、あの…、私は、私がお風呂に入れないのかを、聞いたんですが…」
 笠原に、戸惑った笑顔を浮かべ問い返す。
 だが、笠原は薄笑いを浮かべ
「俺の言った言葉の意味が分からないのか?今日からこの家の風呂が使えるのは、俺が入っている間だけだ。俺が許可しない限り、お前達の意志で使う事は許さねぇ」
 好美に告げると、好美は呆然として言葉を探して反論しようとしたが、恵美がソッと好美を止め、諦めきった悲しそうな顔で静かに首を振り、愛美を見るように促した。
 好美が恵美の仕草で愛美に視線を向けると、愛美は真っ青な引きつった顔で激しく首を横に振っている。
 好美は自分が言った事で、また電撃が姉妹を襲う事を思い出し、言葉を呑み込む。

 笠原は怯え、諦めた三姉妹を見下ろしながら
「色んな事に対して、許可が[出るか][出ないか]は、お前達の態度次第だ。従順で有る事は勿論だがよ、尊敬や奉仕の気持ち、俺を楽しませたり労ろうとする態度を見せれば、それなりの生活をさせてやる。だがよ、俺に逆らったり、生意気な態度を取れば、容赦無くお仕置きと躾を受けさせてやる。それと、服従を軽く考えるなよ…。命令違反は、連帯責任だからな…」
 自分の考えについて、説明した。
 三姉妹は項垂れて、笠原の言葉を聞いていたが、その中で愛美がいち早く反応し、笠原に向かって正座すると
「はい、判りました」
 笠原に頭を下げて返事をする。

 笠原はニヤリと笑って
「良し、愛美良い態度だ。お前はシャワーを使わせてやる。新しい下着も使って良いぞ」
 愛美を褒めて、シャワーの使用と下着の着替えを許可した。
 愛美は驚いた顔を笠原に向け、直ぐに頭を下げて
「あ、有り難う御座います」
 笠原に感謝を告げる。
 愛美にしてみれば、電撃の恐怖が一番強く、それを少しでも回避する為に、返事をしただけなのだが、予想しなかった褒美を貰えて驚いたのだ。
 笠原が頷いて顎をしゃくると、愛美は急いで立ち上がり、驚いた表情のままリビングから出て行く。

 そして、その愛美を呆気に取られた表情で恵美と好美が見詰め、お互い顔を見合わせて小さく頷き、急いで笠原に向き直ると
「わ、判りました」
 2人は従順に頭を下げ、ソッと顔を上げ笠原を見上げた。
 その視線には、[自分達にもシャワーと着替えをさせて]と言う言葉が、込められている。
 だが、笠原はそんな2人の視線を鼻で笑い
「何だ…。お前達も、褒美が貰えると思ったのか?お前等、小学生の真似をして同じように褒美が貰えると、本気で思っているのか?恥ずかしい奴等だな…」
 呆れ返った口調で、恵美と好美に告げた。
 恵美と好美は、笠原の言葉で唇を噛んで項垂れる。

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