隷属姉妹
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■ 第2章 支配の檻19

 懇願する恵美を見下ろし、笠原は鼻先で笑うと鞄の中から、電気バリカンと毛抜きを取り出し、恵美に放り投げる。
 恵美は太股に乗った、2つの道具を見詰め、呆然とした。
 意味が解らないと言う表情の恵美に、笠原が不機嫌そうに口を開き
「この国にはな…、昔から反省を示す遣り方が有る。よく言うだろ[頭を丸めて、反省しました]って。聞いた事有るだろ?」
 恵美に教えると、恵美の目が大きく見開かれ、笠原の言わんとする事を理解する。
「えっ!そ、そんな…。頭を丸めるなんて…」
 恵美は、笠原の余りに恵美の立場を考えない、発言に絶句すると
「嫌なら、構わねぇ。[お前は口だけで、反省しない奴だ]俺は、そう判断する」
 笠原は、畳み掛けるように恵美を追いつめた。

 恵美の表情が強ばり、ガクガクと震え始める。
(そ、そんな…。髪の毛を切るなんて…、そんな事したら、絶対総師長様に怒られる…。そんな事に成ったら、私は病院をクビに成っちゃう…)
 グルグルと恵美の頭の中に、自分が辿る不幸な未来が映し出された。
(クククッ、悩んでるな…。まぁ、坊主に何かしたら、あのおっかない宮里さんが只じゃ済ませない…。絶対に、その道は選べないよな…)
 笠原は、心の中で満面の笑みを浮かべ、仏頂面を維持しながら
「まぁ、丸める場所は選ばせてやる。上の毛が嫌なら、下の毛で許してやらんでも無い…」
 恵美に告げる。

 恵美が[許してやる]の言葉に反応し顔を上げると、笠原は恵美の顔を覗き込み
「但し、下の毛の場合は、誰からでも見られる訳じゃねぇ。それなりの、ペナルティは必要だ…」
 条件を提示した。
 恵美はその条件がどんな物でも、受け入れるしか道は無い。
「ど、どんな条件ですか?」
 縋り付くような表情で、笠原に詰め寄る。
 笠原は、恵美の顔を見ながら、犬の首輪を取り出し
「何、簡単だ。お前は、家の中にいる時は、この首輪をして、服従を示しながら、反省している姿を常に晒すだけだ」
 事も無げに恵美に告げた。

 恵美の顔が、愕然とする。
(こ、この人は、何を言ってるの…。家族の前で、首輪をして陰毛を処理した、下半身を晒せって…)
 恵美がその言葉の半分も理解せず、驚いていると
「勿論、洋服や下着は、一切身に付ける事は許さない。それぐらいの、ペナルティーは必要だろ?何せ、誰彼でも一目で分かる髪の毛と、俺達にしか見られない、下半身じゃ扱いに差は出るのは、当然だわな」
 笠原は鼻で笑いながら、その真意を恵美に伝えた。
 恵美は笠原の言葉を聞いて、ガックリと肩を落とし
(この人は…、私が、髪の毛を切れないのを知ってる。知っててわざと、こんな酷い事を言うんだ…。私が、陰毛を無くさなきゃ行けない事を知ってて…)
 笠原の、選べない交換条件に気付く。

 泣きそうな恵美の顔。
 それを見下ろす、勝ち誇った笠原。
 笠原は恵美の目を見詰めながら、ユックリとした口調で
「良いか、下の毛は産毛一本たりとも残すんじゃないぞ。もし残ってたら、容赦無く電撃を喰らわせるからな」
 恵美に向かって命令すると、恵美は笠原の目を見ながら
「はい…、判りました…。全部…抜きます…」
 小さいが確かな声で、ハッキリ笠原に答えた。
 笠原はニンマリと笑い
「全裸で過ごすのは、お前が反省している事を見せる為で、首輪を着けるのは、自分の立場を忘れない為だ。それを着けてる間は、ちょっとの反抗でも絶対に許さねぇ。きつい罰と徹底的な躾をしてやるからな」
 恵美に宣言する。

 恵美は笠原の視線に押しつぶされ、項垂れながら
「は…い…判りました…」
 呟くような小さな声で、笠原に返事を返した。
 笠原は項垂れた恵美の髪の毛を掴み、力ずくで顔を上げさせると
「お前の上の妹は、俺をなんて呼んで風呂の許可を貰った?お前はそんな事も判らねぇのか?」
 恵美の顔を覗き込み、低く押し殺した声で問い掛ける。
 恵美は痛みに耐えながら、怯えた目で笠原を見詰め
「は、はい…。申し訳御座いません…、判りました笠原様…」
 笠原に謝罪し、改めて了承の返事を返す。
 笠原は恵美の返事を聞き、乱暴に突き放して解放すると
「罰と躾がちゃんと出来たら、何か褒美を考えてやる。だが、何処かに少しでも手落ちが有ったら、電撃を喰らわせてそのままの格好で出勤させてやるからな。肝に銘じておけよ」
 酷薄な視線で睨め付けながら、恵美に低く恫喝する。
 恵美は笠原を見詰める視線に、絶望の色を浮かべ、ガックリと肩を落として項垂れ
「はい…判りました笠原様…」
 抑揚の無い小さな声で、笠原に返事をした。

 項垂れた恵美の視界に、手に持ったバリカンと毛抜きが自然と入る。
 恵美は笠原に縋り付き懇願した事で、更に自分を追いやった事を理解した。
(こんな事なら…、この人に頼むんじゃ無かった…。お風呂なんか、早めに病院に行って、人目に付かないうちに病院のシャワーを使うべきだったのよ…。馬鹿…、本当に馬鹿よ…)
 恵美の見詰めるバリカンと毛抜きが、グニャグニャと歪み始める。
 ポタリ、ポタリと、小便で汚れたスカートに、新しい染みが拡がってゆく。
 追い詰められた恵美の両目から、大粒の涙が滴り落ちたのだ。

 絶望感に苛まれる恵美を酷薄な目で見下ろしながら
(さてと、一晩掛けて自分の手で、ツルツルオ○ンコに仕上げて貰おうか。だがよ、それだけで終わりじゃないんだぜ)
 内心で満足そうに笑い翌日の朝、恵美にどんな恥辱を味合わせるか考える。
(明日はどんな風に嬲ってやるかな…。妹達の前でマン毛の検査は外せねぇ…。その後はどうする…、いちゃもんつけて、電撃を喰らわせるか…。いや、待てよ…、クリ○リスの皮を剥くってのも、有りだな…。良し、それでクリキャップを噛ませて、でっかくして感度を上げてやるか…。バージンで淫乱なんて、面白いシチュエーションだぜ…。で、最後には、泣く泣く俺にバージンを捧げさせてやる…。へっ、今から楽しみでしょうがねぇ…)
 笠原はドンドン膨らむ自分の邪な想像に、股間を熱く滾らせ始めた。
 だが笠原は、自分の嗜好を満たし、尚かつ恵美の心を折る[自発による処女の差し出し]を叶える為、垂れ下がった目尻を引き締め、鎌首を持ち上げた自分の分身を諫めた。

 恵美の身体を見下ろし、笠原は恵美を促せる。
 恵美は従順に従って車椅子を押し、笠原を自室に移動させた。
 途中浴室の横を通った時、好美と愛美の話し声と水音が恵美の耳に入る。
 恵美は悲しげに目を伏せ、その横を足早に通り過ぎ、笠原の自室に入った。
 恵美は笠原を介添えしてベットに寝かせ、頭を下げて退室する。
 リビングに戻った恵美は、肩を落として渡された首輪と毛抜きを手にした。
(こんなの…酷すぎるわ…)
 肩を落とし力無く項垂れ、首輪と毛抜きを見詰める。
 恵美の足から力が抜けて行き、床にペタリとへたり込むと、再び恵美の瞳から涙が零れ始めた。
 右手に首輪、左手に毛抜きを持っていた恵美は、両方を持ったまま掌で顔を覆い、嗚咽を漏らす。
(どうなるの…こんなの、もう嫌…。私達が、どうしてこんな目に逢わなきゃいけないの…)
 恵美は自分の運命を呪い始めると、涙が止まらなくなった。
 いつしか恵美は床に突っ伏し、泣き崩れてしまう。

 恵美が数分泣き崩れていると、背後から好美と愛美がソッと足を忍ばせて、リビングに入ってくる。
 2人は心配そうな顔で、キョロキョロとリビングを見回し、笠原が居ない事を確認すると胸を撫で下ろし、恵美の元に走り寄った。
「お、お姉ちゃんどうしたの?大丈夫?あの男どこ行ったの?」
 好美が恵美に取り付き、矢継ぎ早に小声で恵美に問い掛けると
「ひっ!」
 短い悲鳴を上げて、引きつった驚き顔を跳ね上げ後ずさる。
 恵美は2人が近付いて来た事に気付いて居らず、肝を潰して2人を見詰めた。
 好美と愛美も恵美の予想外の反応に驚き、ビクリと顔を引きつらせて後ずさった。
 数瞬お互いを驚いた顔で見つめ合いながら、恵美が状況を理解して大きく息を吐き、表情を和らげると、好美と愛美も緊張感が解け安堵の表情を浮かべる。
「ビックリしたわ…。あの人が起きてきたのかと思った…」
 恵美は心の底からホッとして、好美と愛美に呟いた。

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