隷属姉妹
MIN:作

■ 第4章 突き付けられる選択1-3

◇◇◇◇◇

 早退を命じられた恵美は、青看護師に報告すると、青看護師は、ジロリと恵美を睨み
「総師長様の命令なら、直ぐに実行する!だけど、これだけは、覚えておきなさい。役立たずのおまえ程度でも、1人抜けたら、残った者の負担が増えるのよ。早退は、ミスと同意だって事を頭に叩き込んで為さい!」
 関係者用扉を指し示して、潜めた怒り声で捲し立てる。
 恵美は、反射的に頭を下げて、先程と同じ痛みを味わいながら謝罪し、ナースセンターから出て行き、更衣室に向かう。
 この時間、職員用通路には、人気が無いため、恵美は、形振り構わず苦痛を表し、お腹を押さえて嘔吐(えず)きながら小走りに急ぐ。
 更衣室に飛び込んだ恵美は、急いで私服に着替え、病院を飛び出した。

 外に出た恵美は、バス亭に走り腕時計を確認すると、次の便までは、10分以上有り、その上、自宅の最寄り駅までは、バスで20分以上掛かり、そこから更に徒歩で5分掛かる。
 この状態で、40分も堪えられる訳も無く、恵美は、背に腹はかえられずに、踵を返してタクシー乗り場に急ぐ。
 客待ちのタクシーに飛び乗り、目的地を告げた瞬間、激しい痛みに襲われた恵美は、そこから何も覚えておらず、記憶がはっきりしたのは、タクシーが止まって、後部座席のドアが開いた時だった。
(えっ、嘘…。私、気を失ってたの)
 恵美は、失神して居た事実に愕然としながら、運転手に料金を払ってタクシーを降り、もしバスに乗って居た時の事を考え、背筋が寒く成る。
 もし、終着駅まで気付かなければ、片道で最低1時間半は、掛かるからで有り、料金も往復で考えれば、タクシー代を上回っていた。

 そんな恐ろしい事を考えながら門扉を潜り、玄関の鍵を外して扉を開くと、上がり框に車椅子に座った笠原が居た。
 思わぬ笠原の出迎えに、恵美が顔を強張らせると
「随分良いご身分だな恵美。タクシー通勤とはなぁ…」
 嫌味たっぷりに言い放つと、込み上がる怒りを必死に抑え付け、その場に膝を突いて平伏し
「申し訳御座いません笠原様。お腹の痛みに堪えられず、急ぎたかったもので…」
 謝罪して、理由を告げると、笠原は、鼻先で笑い飛ばし
「あの程度の小便で、我慢でき無い痛みが有る訳無ぇだろ」
 恵美の理由を一蹴する。

 恵美は、更に病院で適正量の4倍の下剤を飲まされた事も説明し、笠原に躙り寄りながら
「お、お願いします。ど、どうかウンコをさせて下さい。お願いです」
 必死な泣き顔で懇願した。
 恵美の話しは、実は、この時笠原の耳に入って居た。
 恵美に早退を命じた後、妙子が連絡して来たからだ。
 悶絶級の痛みに、何分堪えたと愉しそうに語る妙子に、笠原は、半ば呆れて居ると、妙子が早く堕とせとせっついた。
 言われる迄も無く、早急に堕とす積りの笠原は、やる気満々で通話を切り、恵美の帰りを待っていたのだ。

 恵美の懇願に、笠原は、車椅子から騎乗鞭を抜き取り、ピュンと一振り空を切って
「おい、おまえ何様だ?それが俺にモノを頼む格好かよ!」
 恵美に言い放つと、恵美は、慌てて洋服と下着を脱ぎ、全裸に成って再び平伏し、笠原に懇願する。
 笠原は、車椅子を動かしながら顎をしゃくって恵美を促す。
 恵美は、意外な程懇願をあっさり受け入れられたため、逆に裏が有ると感じながらも、立ち上がり掛ける。
 すると笠原は、恵美の頭の直ぐ上を騎乗鞭で薙ぎ
「誰が立って良いって言った。そのまま、這って行け」
 恵美に命じると、恵美は、諦め顔で頷き、四つん這いの姿勢を取り、一瞬考えて膝も伸ばした。
 どうせ、命じられるなら、自分から先に行えば、笠原の機嫌を損ね無いと答えを出したからで有る。
 恵美のこの行動に笠原は、ニヤニヤ笑い
「おう、そうだ。分かって来たじゃ無ぇか。そう言う俺好みの態度を取っててれば、俺も鬼じゃぁ無ぇ。おまえ達の頼みも、気持ち良く聞いてやれる」
 恵美に告げると、恵美は、嬉しそうな表情を作り
「有難う御座います…」
 笠原に感謝の言葉を言った。

 恵美の従順な態度は、無論心からの物では無いが、従わざるを得ないのも、また事実で有り、半ば諦めの気持ちで、更に妹達を守る為でも有る。
 そんな恵美の心情を見抜いている笠原は、恵美に更なる恥辱と屈辱を与える。
 恵美が這い進み、笠原の前を通り抜け様とした時、笠原が騎乗鞭を差し出して、行く手を阻む。
 驚いた恵美が顔を上げると、笠原の左手にソフトレザー製のベルトが持たれて居た。
 柔らかそうだが、作りがしっかりして、頑丈そうなベルトには、直径3p程のリングがたくさん付いており、恵美は、何をする物か分からなかったが、嫌な予感が込み上がる。
 笠原は、そのベルトを恵美の腰に巻き、背後でバックルを締めて固定した。
 等間隔にリングが8つ並ぶそのベルトは、笠原と同じ嗜好を持つ者なら一目で分かるベルトで有る。
 そう、それは、拘束具の一部だった。

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