隷属姉妹
MIN:作

■ 第4章 突き付けられる選択3-5

◇◇◇◇◇

 お風呂から出た恵美は、笠原に許可を受けた為、洗い立ての下着を身に着け、カジュアルで動き易い、膝下丈のプリーツスカートに、白のブラウスを着た。
 リードの付いた首輪は外せないものの、今迄の日常と変わらぬ状態を噛み締める。
 この時恵美の脳裏に、[笠原の言う事を聞けば、今迄と同じ生活ができるかも]と、淡い思いさえ浮かんでいた。
 身形を整えられ無い事や、自分に不本意な物を身に着けるよう強要される事は、かなり精神的な負荷を与えるという事実を知らない恵美は、自らの思いが、既に笠原のコントロール下に置かれた事に気付いていない。
 強いストレスを受けた後の晴れやかな気持ちは、それだけで鞭と飴と成り、それを与えた者に対しての対処方法として確立されて行く。
 つまり、飴が欲しい為に鞭を黙って耐える様に成るのだ。
 そして、この思考の末期は、飴を求める為に鞭を欲し、自ら身を投げ出すように成る。

 そんな事など一切知らない恵美は、久しぶりの晴れやかな気分でリビングに入り、時計に目を向けると、時間は午後2時を少し過ぎていた。
 病院で早退を命じられたのが、9時を少し過ぎた時であり、家に帰り着いたのが10時前だったから、恵美はほぼ4時間笠原に嬲られ続けた事に成る。
 その事実に、恵美が頬を青ざめさせ、大きな溜息を吐くと、ドッと疲れが押し寄せ眩暈がして、フラフラと足元が覚束なくなり、ソファーに手を突いた。
 恵美は、足腰が鉛のように重く成っているのを感じ、手を突いたソファーに腰掛けると、大きな溜息を吐き
「ちょっとだけ…。ちょっとだけ、休憩…」
 ボソボソと呟いて、ソファーに身を預ける。
 深く体重を預けても、アナル栓の痛みが襲って来ず、無意識に恵美の身体がリラックスすると、恵美の意識が一挙に拡散し、恵美は深い眠りに引き込まれた。

 恵美の頭が、コトリとソファーの背凭れに受け止められると、恵美はそのまま深い眠りに落ちて行き、身体の緊張が解ける。
 すると、緊張により抑制されていた或る感覚が、野放しと成って存在を主張し始めた。
 お腹の奥が熱く成り、乳房が熱を帯びて乳首とクリ○リスがジンジンと疼き始める。

 そう、笠原が恵美に塗った媚薬は、効果が切れた訳では無く、快感を感じた部位に、澳の様に燻りジリジリと快感を炙り続けていた。
 笠原が過剰供言える褒美を与えたのは、恵美が褒美を求める行動として、身体を投げ出さなくて済むよう、理由を奪ったに過ぎ無い。
 拘束具としての意味合いが強いアナル栓も、快感を得る道具に成り兼ねない為、敢えて着けさせなかった。
 外的刺激を一切受けず、その熱に耐えられなく成った恵美が、どういう行動に出るか笠原は待つつもりである。
 自ら快感を求め、自らの手で慰め貪のか、それとも笠原に懇願するのか、一切逃げや言い訳の出来ない状態にして、恵美が変態の淫乱で有ると突き付け、追い詰めるのが笠原の真の狙いだった。

 そして、笠原の狙い通り、騒ぎ出した媚薬に快感点を燻られた恵美は、泥のように疲れた身体を温かなお湯で解され、リラックスした深い眠りの中で再燃させる。
 薄く開いた唇から漏れる息が、熱く悩ましい物に変わり、深い眠りに付いた眉根に苦しげな縦皺が寄り、内股を擦り寄せ身体をくねらせる。
 洗い立てのブラジャーとショーツに敏感な肉芽が擦れ、更に快感の炎を掻き立てた。
 恵美の熱く悩ましい吐息は、熱に浮かされるようなハァハァと荒い物に変わり、内股を擦り寄せる動作も大きく激しく成り、肉芽が固く熱を帯びて存在を主張し、拡張されたアナルが緩んでヒク付き、処女マ○コが綻んで粘つく愛液を滴らせて、替えたばかりのショーツを汚す。

 恵美が身悶え始めると、玄関扉がソッと開き、好美が扉から顔を突き出して室内の気配を探っていた。
 笠原の事が怖くて仕方が無い好美は、事前に笠原の機嫌を知ろうと必死だったのだ。
 笠原の気配を感じ無かった好美は、ソッと足音を忍ばせ玄関に入り
「ただ今戻りました」
 蚊の鳴くような声で呟き、コントの様な動きでユックリと廊下を進む。

 誰の気配もしない廊下を歩き、リビングに差し掛かった好美は、リビング内から聞こえる、荒い呼吸音に気付き、ギクリと顔を引き攣らせる。
 そう、昨夜聞かされた、恵美がイヤらしい事をされた時の音と、今聞こえる音が全く一緒だったからだ。
 愛美は、一瞬動きを止めて耳を澄ませ、ソッとリビングの入り口に身を潜めて中を窺うと、1人用のソファーに深く身を預け、苦しげに眉根を歪め、身体をくねらせる恵美の姿が目に飛び込む。
 恵美の姿に驚いた愛美が、リビングに入って状況を確認しようとすると、愛美のお尻にいきなり電撃が走った。
 愛美の背筋がビンと伸びて、全身を震わせ、忽ちの内に顔中に恐怖の色が浮き上がる。
 愛美は、直ぐに自分のお尻を両手で押さえ、クルリと踵を返して、脱兎の如く笠原の部屋に駆け出す。

 笠原の部屋の前に立ち止まった愛美に
「入れ」
 ぶっきら棒な笠原の声が命じ、愛美は泣きそうな顔に成りながら、ランドセルを担いだまま扉を開いて、部屋に足を踏み入れた。
 足を踏み入れた愛美をジロリと睨み、手を持ち上げてヒラヒラと揺らし、無言で手招きする。
 愛美の身体がガクガクと震え、涙目に成りながら
「か、笠原様…。た、た、ただいま…戻りました…です」
 訳の分からない帰宅の挨拶をすると、笠原は愛美の言葉など聞こえて居なかったように、手招きする手を振り続けた。
 何も答えが返って来ない事に、不安を募らせ、愛美は顔を引攣らせて、足早にベッドの傍に立つと、笠原は愛美の頭に手を伸ばす。
 愛美は、身体をビクリと震わせ、全身を硬直させて固く目を閉じ怯える。

 そんな愛美を嘲笑うかのように、笠原の手は、愛美の頭にポンと置かれただけで、何もしない。
 ジッと身を固め怯えていた愛美は、この状態に耐えられず、固く閉じていた目をソッと開き、薄く開いた瞼越しに
状況を確認すると、笠原の顔に怒りの表情は無く、ニヤニヤ笑っていた。
 悪意のある嫌な笑いに、愛美は不安を感じながらも、この状態から逃げる為に
「笠原様、ごめんなさい」
 笠原に謝った。
 すると笠原は、ニヤニヤした笑いを強め
「どうした…。何で謝ってる?」
 愛美に問い掛けると、愛美は自分が嵌められている事にも気付かず
「帰って来て、直ぐに笠原様に挨拶しなかったからです」
 自分で罪を作り、理由付けしてしまう。

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