隷属姉妹
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■ 第4章 突き付けられる選択4-4

 ブルブルと震える、愛美の赤く腫れ上がった尻朶を両掌で撫で回しながら
「そのビデオに映ってる女達は、おまえ達の先輩だ。昨日来てた奴らの上の人に就職先を世話して貰って、働いてる姿だ。良〜く見て、勉強しろ」
 言い放つと、その女性が男達に囲まれ、責め始められる。
 三角木馬に乗せられ、磔にされ、宙吊りにされて、鞭で打たれ、犯され、泣き叫ぶ。
 その様を見て、愛美の身体がブルブルと震え、凍り付く。

 そして、更に場面が変わり、疲弊しきった女性の顔のアップが映し出され、先程と同じようにパンすると、愛美は顔を強張らせ、再びヒッと息を飲む。
 女性の全身に、落書きのような卑猥な言葉の刺青が施され、乳首とクリ○リスのピアスが3倍程大きく成っていた。
 但し、場所は先程と違い、燦々と陽光が降り注ぐ、遠くに森が見える手入れの行き届いた、広大な芝地に女性は正座している。
 この場にいる男達は、それ以前に映っていた男達とは、別人で有った。
 それは、人相や身体の特徴等というレベルでは無く、人種自体が変わっている。
 黄色人種は、1人も居らず、白人と黒人で占められ、皆一様に体格が大きい。
 その女性の顔が引き攣り、倒れ込むように平伏して、必死で許しを請う中、冷蔵庫のようなガッシリとした体型の男達が女性を取り囲み、女性の手足を掴んで仰向けにして、芝生に押さえ込む。
 男達は、全員黒いスーツを着た白人と黒人で、更に2人の男が現れる。

 新たに現れた黒人は、全裸で細身ながら鍛え上げられた体格をし、首に金属製の首輪を付けられ、手に鉈を持ち、もう1人の大きなハンマーを持った白人も、鍛え上げられた全裸を晒し、首に金属製の枷を嵌めていた。
 鉈を持った黒人が、女性の右肘の直ぐ上に鉈を添えると、大きなハンマーを持った白人が、ハンマーを振りかぶって、鉈の背にハンマーを打ち付ける。
 その途端、鉈の刃が女性の腕の中程までめり込み、血飛沫が吹き上がった。
 痛みでビクビク痙攣する女性に見向きもせず、ハンマーを持った白人は再度振りかぶって、ハンマーを振り下ろす。
 3回目で、女性の腕が肘から先が切り取られると、別の男が現れた。
 アラブ系と思われる全裸の男の手には、真っ赤に焼けた金属棒が持たれ、女性の腕の切断面に押し付ける。
 女性の身体が狂ったように跳ね回り、仰け反った顔がしわくちゃに歪み、口は限界まで開かれていた。
 映像に音声は伴っていない。
 だが、無音で有るが故に、その絶叫は脳に焼き付き離れず、生々しい映像は、愛美の魂の奥深くまで爪を掛ける。

 愛美の精神がその映像に耐えられず、フッと意識を手放して失神するが、笠原はそれを許さず、愛美の尻朶を叩いて目を覚まさせ、その女性がどう成るか見届けさせた。
 四肢を関節の付け根付近で切断された女性は、灼き鏝で血止めをされ、金属製の蓋が付いた腕輪のような物を切断面に被され、8本の長い釘を打ち込まれて身体に固定され、四つん這いでしか生活できない身体にされる。
 切り落とされた女性の腕や足は、女性の目の前でライオンや虎などの猛獣達に与えられ、餌と成った。
 獣に堕とされた女性は、その後ペットとして扱われ、番犬や豚などの精の捌け口と成り、犯され続ける。
 そして、画面が切り替わると、女性は腕の付け根をノコギリで切られて、庭の片隅の石柱にオブジェの一つとして飾られ、次の画面で股関節から腿を引き千切られて、便器の一つとして設置され、最後は手足の無い状態で池の中央に吊られていた。

 女性は髪の毛を束ねられて、その黒髪を縛られ、池の中央に伸びる棒の先からぶら下がっている。
 女性と反対側の棒の先には、大きな麻袋が同じように吊り下げられ、バランスを保っていた。
 すると、画像が不意に切り替わり、大きなデジタル時計が映し出され、その上にバイタルメーターが置かれ、心拍が波形を描いている。
 笠原は、この時点でこの映像が残酷な殺人ショーだと、初めて見た時に気付いたが、こんな狂気の世界が有る事を知らない愛美には、何をしているかすら分からなかった。
 呆然と愛美が見詰める中、天秤の反対側に有る麻袋に、向かってスーツを着た太った男が、ナイフを投げつける。
 クルクルと回転したナイフが麻袋に突き刺さると、大きなデジタル時計が動き出し、麻袋のナイフが刺さった場所から、サラサラと砂が零れ落ち始める。

 すると、女性の身体がジワリジワリと池に向かって下がり始め、足の無い下半身が水面に着くと、女性の周りの水面がバシャバシャと飛沫を上げ始めた。
 白い飛沫が見る見るうちに赤く染まり、水面が更に慌ただしく波打ち、赤く染まる中、何かが飛び跳ねて、女性の下腹部に当たってぶら下がる。
 それは、成人男性の掌程の大きさで、南米原産の淡水魚だった。
 大きなもので60p程に成るが、本来は臆病な魚で興奮状態に成らなければ、自分より大きな動物には近付かない。
 だが、水面を叩く音や血の臭いに因り、興奮状態に陥ると水面が盛り上がる程密集し、獲物に襲い掛かる。
 単体では、直径5p程の肉を喰われる程度で、命に別状など無いが、数百単位の群れに襲われれば、人の質量だとものの数秒で白骨死体が出来上がる。
 そう、その魚は[アマゾン川の清掃人]こと、ピラニアであった。

 ピラニアに噛みつかれ、肉を喰われた女性が、痛みに暴れると、天秤棒のバランスが崩れ、女性の身体が池の中にグッと沈む。
 その途端、水面の飛沫が更に激しくなり、女性の目がグルリと回転して失神し、スッと水面から身体が引き上げられる。
 ピラニアに食べられた肉の分、女性の体重が軽くなり、麻袋の方が重く成ったのだ。
 しかし、麻袋からはサラサラと砂が流れ落ち、その重さを軽くしつつ、血と肉で興奮したピラニア達が、水面を押し上げる程密集し、獲物を求める。
 ジワジワと砂が流れ出て、麻袋が軽く成り、女性の身体が水面に近付くと、ピラニア達が肉を喰み、女性の重さを削って行く。

 微妙な拮抗が続く中、その拮抗は突然崩壊する。
 女性の子宮や膀胱、尻朶などの肉が食い尽くされた為、支えを無くした腸がズルリと落ちてしまったのだ。
 水中に落ちた腸に、ピラニア達が群がり、その小さな口でむしり取って行く。
 本来腸に痛覚や感覚は無いが、女性はハッキリと自分の腑が食われる感触を感じていた。
 腸が流れ出し、急速に軽く成って女性の身体が水面から離れるが、流れ出る血は増え続け、その命の灯火は、刻一刻と細く成って行き、大きなデジタル時計の上に有る、バイタルメーターから波が消え、水平に光の線が走ると、デジタル時計のカウントが止まり、高級そうなスーツを着た男達と、ドレスを着た女達が一喜一憂している。
 そう、女性の命は、ピラニアに囓られながら、何分生き残るかという賭の対象にされていたのだ。

 そんな男女が一喜一憂する中、1人の男が合図を送ると、黒服の男が一礼し、麻袋に向かうと、麻袋をぶら下げているロープにナイフを走らせる。
 麻袋が芝生に落ちると、反対側に吊られていた女性の身体も水面に落ち、激しい水飛沫に呑み込まれた。
 こうして、人知れず売られた1人の女性は、この世界の何処とも分からない場所で、南米産の魚達に生きたまま喰われ、骨だけに成った。

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