隷属姉妹
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■ 第4章 突き付けられる選択5-4

 笠原の身体を抱き寄せ持ち上げると、笠原の両手が恵美の二の腕を絡め取るように背後に回され、ギュッと力が込められる。
 すると、恵美の乳房が笠原の胸板に強く押し付けられ、ビンビンに勃起していた乳首が乳房にギュッと押し込まれ、乳房自体も拉げた。
 その途端、乳首から脳と子宮に刺激が駆け抜け、膝から力が抜けて腰が痺れ、その場に崩れ落ちそうになる。
 恵美は、泣きそうな顔で必死に歯を食いしばり、ガクガク震えながら笠原を車椅子に移動させると
「んだ?おまえ、具合でも悪いのか?」
 笠原が怪訝そうな声音で問い掛けた。
 恵美がどんな状態に成っているか、熟知している笠原に恵美は、引き攣った笑みを向け
「いえ、少しバランスを崩しただけです。ご心配をお掛けしました」
 その場を繕った。
 その慌てた口調で、笠原は恵美の限界が近い事を感じ、内心でほくそ笑む。

 笠原が食卓のテーブルに付くと、ダイニングの床に好美と愛美が正座していた。
 愛美は洗い立ての部屋着を着ているが、好美は中学の制服である、セーラー服の儘だった。
 笠原の許可を得ていない好美が、制服を脱ぐと言う事は、下着を晒すという事に成るからだ。
 今現在、笠原に許可された好美の着衣は、今着ている制服と昨日着ていた小便を拭った服だけなのだ。
 しかも、昨日着ていた服は、笠原の許可が出ておらず、未だポリバケツの中で、小便の湿気は取れた物の強いアンモニア臭を放っている。
 そんな物を着られる筈もなく、下着姿を見られたくもない好美は、隣でシャンプーの香りを漂わせる愛美に苛立ちを抱きながら、学校から帰った制服姿のまま正座していた。

 笠原は、好美の表情と態度を一目見た時点で、好美の心理状態を見抜き、内心で笑いながらテーブルに付くと
「良い心がけだ。おまえらが、今迄使ってたこのテーブルに、偉そうに座ってたら、罰を考えてた」
 正座する好美と愛美に告げると、フフンと鼻先で笑い
「だが、ちゃんとわきまえてたから、おまえ達に[食卓の椅子に座る]権利を与えてやる」
 好美と愛美に言い放つと、愛美は嬉しそうに笑いながら立ち上がって、自分の席に座り、好美は少し俯きながらユックリと立ち上がって、項垂れたままテーブルに近付き、愛美の正面の椅子を引いた。

 それぞれがテーブルに付くと、笠原は目の前に並ぶ夕食を見渡す。
 メインの食材はステーキで、ミディアムに焼き上げられ、恵美の料理の腕の確かさを伺わせ、付け合わせの人参のソテーやポテトフライも、料理人が作った物と何の遜色もない。
 そのメイン食材に足りない栄養素としてレタスを主としたサラダが盛られ、炭水化物の補給に塩胡椒で味付けしたスパゲッティーが少量添えられていた。
 それが、4人分並んでいるのを見た笠原は、鼻梁に皺を寄せて鼻先で笑い、おもむろにフォークをステーキに突き刺す。
 笠原の行動に、3人がギョッと目を剥くと、笠原は突き刺したステーキを突き出し
「おい。巫山戯んじゃ無ぇぞ!何で、俺の肉とおまえらの肉が、同等なんだ?俺は、おまえらと同等か?」
 怒鳴りながら問い掛けた。
 笠原の言葉で、笠原が何を言おうとしているか一瞬で理解した恵美は、直ぐに椅子から立ち上がり、好美と愛美の皿からステーキを取り上げて自分の皿に載せ
「配慮不足でした、申し訳御座いません」
 勢い良く頭を下げて謝罪する。

 謝罪する恵美の手から、サッとステーキの載った皿を笠原がひったくると
「ったく、おまえらは、俺に対する敬意が足り無ぇ!俺は、おまえらの何だ?」
 捲し立てる。
 笠原の言葉に、恵美は蒼白な顔で項垂れ、好美は顔を背けて歯噛みし、愛美は泣きそうな顔でガタガタと震えた。
 この時、誰かがお互いの表情を見て、精神状態を理解していれば、もう少しお互いの関係は緩和されていたのかも知れないが、その3人の表情を見ていたのは、笠原只1人だった。

 笠原は、ニンマリと内心で笑いながら
「餌を食いたきゃ、俺に言え。俺がその気に成ったら肉を喰わせてやる」
 仏頂面を作って言い放つと、泣きそうな表情の恵美が笠原に顔を向け
「笠原様。お肉をお恵み下さい!」
 懇願して手本を見せた。
 恵美にしてみれば、こんな懇願は絶対にしたくは無かったが、しなければしないで、絶対に笠原が難癖を付け、酷い目に遭う事を理解しての行動である。
 こうして、恵美は妹達を守る為、率先して笠原の横暴に身を投げ、手本を示しながら笠原の機嫌を取り始める様に成った。

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