隷属姉妹
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■ 第4章 突き付けられる選択9-4

◇◇◇◇◇

 衝撃の事実と選択を迫られ、恵美は強いショックを受けて、半ばパニック状態で更衣室に飛び込む。
 もう既に、夜勤者は病棟で勤務し、日勤者も勤務時間を終え帰っている為、更衣室には誰1人居なかった。
 恵美は、自分のロッカーの前に立ち、手を伸ばすと、その景色がブワリと歪む。
 大粒の涙が溢れ出し、ボタボタと零れ落ち更衣室の床を濡らす。
 恵美は、身体ごとロッカーに身を預け
(なんで…。何でなのよ…。何で、こんな事に成るの…。私は、どうすれば良いの…。お願い…、誰か教えて…)
 ズルズルとずり下がりながら、床にへたり込み、声を殺して泣き続ける。
 しかし、どれ程泣こうが誰もそれに応えては呉れず、恵美自身が選ぶ他は無かった。

 数分泣き腫らした恵美が、幽鬼のように立ち上がり、ロッカーを開けて、ナース服のポケットの中身を私服に移す為手を突っ込む。
 すると、恵美はポケットの中の紙幣に気付く。
 ハッと恵美が固まり、しわくちゃに成った紙幣を取り出して凝視し
(き、恭子さんもあんな事してたんだ!そして、あんな事を…、身を切るような思いをして手にしたお金を…。私に…、私に…)
 思考を巡らせると、ブンブンと頭を強く左右に振り
(ダメ!甘えちゃダメ!泣いちゃダメ!私がやらないと、好美や愛美達がとんでも無い目に遭う!道なんか、初めから一つしか無いのよ!しっかりしなきゃ!)
 自分に言い聞かせながら、スッと立ち上がり着替えを済ませ、更衣室を後にする。
 覚悟を決めた恵美は、スタスタと力強い歩で帰路に着く。

◆◆◆◆◆

 恵美が、家の玄関を開け中に入ると、蒼白な表情をした好美が駆けつけ、恵美にしがみつき、ボロボロと涙を流しながら
「お姉ちゃん!あいつ、狂ってる!絶対に頭がおかしい!」
 必死な形相で捲し立てる。
 好美の言動に恵美は驚きながら
「何?どうしたの?何が有ったの?」
 問い掛けると、好美は恵美の腕をギュッと掴み、身体に顔を押し付けながら
「まなが…、愛美が〜っ!」
 叫ぶように言い放つと、恵美の顔が一瞬で強張り
「愛美がどうしたの!」
 問い返すと、好美はスッと手を挙げ、笠原の部屋を示す。

 恵美は、好美を突き放すように押しながら、ヒールを履いたまま廊下を走り、笠原の部屋の扉を開いた。
 その目の前に広がる光景に、恵美は一瞬目の前が真っ暗に成る。
 笠原の腰に跨った全裸の愛美が、ウットリとした表情で、涎を垂らしながら屈伸運動し
「あひゃん、くふぅ、んくんく、くぅぅん…」
 淫らな嬌声を上げ、腰を振っているのだ。
 扉を開けた恵美に、笠原はニヤニヤした笑いを向け
「挨拶が無ぇな?どう言うつもりだ?」
 問い掛けると、ブルブル震える恵美が
「どう言うつもり?それは、こっちの台詞!あんた、なにやってんのよ!」
 鬼の形相で怒鳴り散らす。

 だが、笠原は恵美の怒りなど何処吹く風とばかりに、鼻先で笑い
「おいおい。おまえ、何怒ってんだ?俺は只単純に約束を守って、本人の希望を叶えてるだけだぜ」
 肩を竦めて言い放ち
「俺は、こいつが望んだから、こいつのアナル処女を受け取った。おまえの時と一緒だ。こいつも自分の待遇を良くする為に、俺に媚びを売り、身体を使っただけだ。おまえが口を挟む事がどこかに有るか?」
 戯けたように問い掛けると、ブルブルと震え続ける恵美は
「あんたの物なんて、愛美に入る訳、無いでしょうが!」
 笠原に言い放つと、笠原はゲラゲラ笑いながら、愛美に渡した凶悪アナルビーズを指にぶら下げ、恵美に示し
「俺は、愛美に[こいつを最後まで呑み込んだら、使ってやる]って約束した。そうしたら、愛美が今日、俺の前で全部呑み込んだ所を披露した。んで、本人が望んだから俺のチ○ポを呉れてやった。俺の言ってる事どこかおかしいか?」
 小馬鹿にしたように恵美に問い掛けると、恵美の中で何かがブチリと千切れた。

 恵美は、[きぃぃぃぃぃっ]と言う奇声を発しながら、笠原に掴み掛かり、首に手を掛け締めようとする。
 笠原は、そんな恵美の行動を鼻先で笑い飛ばし、股間で呆けながら腰を振る愛美の頬を叩き
「おい、終わりだ。今すぐちゃんと服を着ろ」
 愛美に命じると、愛美は蕩けた目に意識を戻し
「はい、おじ様。直ぐに」
 返事を返しながら立ち上がり、ベッドを飛び降りて床に散らばっていた衣服を身に着ける。
 大声で喚き、暴れる恵美を両手で押さえながら
「好美!分かってんだろうな!要ら無ぇ事言ったら、おまえ達姉妹がどう成るか!」
 低く響く声で、笠原が玄関で蹲り泣きじゃくる好美に告げると、ビクリと震えた好美の耳に、遠くから響くサイレンの音が聞こえた。
 近所の者が言い争う声と、恵美の奇声を聞きつけ、警察に通報したのだ。

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