梨華子と亜矢子
百合ひろし:作

■ 第四章 お礼4

「梨華子―――」
亜矢子は思った。口に出しても今はクンニ中なので声にならないから口にしなかった。唯、梨華子を思っていたかった―――。
「うっ……もう……少し……あっ、亜矢子……いい」
梨華子は背中を大きく反らし、横を向いていた顔を正面―――、というか思い切り梨華子の体の向きからみれば上向きに壁を見るように顎を上げた、いや、上がり、頭丁部をベッドに付けた。
左手でパンティを軽く掴んで直した後、亜矢子の髪を掴んで頭を押さえ、右手を亜矢子の左手に添えたが、
「うっ……ん……あっ」
と声を出してピクピクッと腰を反応させると右手を離し、口に持っていって親指を噛んだ。
股間から突き抜ける様な快感が何度も押し寄せ、梨華子は左手も亜矢子から離し、両手で顔を覆った。そして背中を更に反らして、
「―――ああっ!」
と叫ぶように声を上げ、顔から手を離し、腰を大きくビクッと反応させると、股間が亜矢子の顔にヒットした。亜矢子は、
「うぐ……」
と声を上げた。両手は梨華子のパンティの上下からしっかりとクリトリスを捕えてたが、口は梨華子の腰が動く度に動きに合わせていたので、今までも少しずつ顔に梨華子の愛液が着いたていた―――。そして今ので梨華子の股間に顔を埋めてしまったので顔が愛液まみれになってしまった。
しかし亜矢子は顔を拭かず、そのままクリトリスを愛撫しながらまた口付け、2回舐めた後に口を離した。そして右手の人指し指と中指をパンティの中でクリトリスから膣に移動させて、挿入し、暫く止めた後、膣壁をなぞった。左手ではパンティの上からクリトリスを左右に摩り続けた。
「あっ、……あっ、亜矢子っ!イク……イクっ」
梨華子は腰と頭で支える形で限界まで体を反らし、両腕は軽く肘を曲げて左右に放り出し、腰をピクピクッと動かした後、少し止まったかと思ったら腰を中心に大きく、
ビクッ、ビクッ……ビクッ
と痙攣し、そのまま崩れ落ちた。
「ハアハア……ハアハア」
梨華子は顔を横に向け息を弾ませていた。そして膣からは大量の愛液が流れ出て今一度パンティをグチョグチョにした。
亜矢子は愛撫を止め、右手をパンティ内から抜き、左手も離した。そして暫く愛液があふれ出て来てパンティを更に濡らすのを見てから、梨華子の横に移動してベッドに腰掛け、後ろを向いて痙攣している梨華子を何も言わずに眺めた。
「ん…………ん……」
梨華子は余韻に浸るように痙攣に合わせて小さく声を出した。そして左手で目頭を覆った。

亜矢子は、
「梨華子……どうだった?」
と聞いた。梨華子は亜矢子の方を向き、
「亜矢子……上手だったよ……とても……気持ち良かった」
と答えた。その時ビクン、と痙攣した。それから、
「ありがとう……」
と壁に顔を向けて言った―――。


梨華子は起き上がって亜矢子の隣に座った。亜矢子は、
「この間は梨華子も濡れてたけど、今日は……私も濡れちゃった……」
と恥かしそうに顔を赤くして、手を膝に置いて言った。梨華子は、
「そ、そうだね……。亜矢子、我慢して大変だったんじゃ……?」
と聞いた。亜矢子は、
「ううん。この間、梨華子……一生懸命やってくれたから、私も一生懸命……やらないと……って思ったら―――大変じゃなかった……よ」
と答えた。梨華子は、
「え……?ただ……亜矢子の事考えて、亜矢子がイキたいって言ったからただそれだけで……」
と顔を赤くして頬に両手を当てて言った。亜矢子は笑顔を見せて、
「これでおアイコだね」
と言った。梨華子も笑顔で、
「うん―――、そうだね」
と答えた。梨華子はそれから立ち上がり、机の上のペットボトルの水を2本取り、1本を亜矢子に渡してから座った
「お疲れ様」
「ありがとう」
亜矢子は受け取り、蓋を開けて飲んだ。その味は―――格別だった。梨華子もその後蓋を開けて飲んだ。

「ところで、梨華子。さっきのポーズもう一回やって。見たいんだ―――」
亜矢子は顔を赤くして言った。梨華子は、
「さっき?」
と聞いた。亜矢子は、梨華子のブラジャーを外す前、梨華子が『挑発した』と言った時のポーズだと説明した。梨華子はそれを聞いて恥かしくなり折角戻った顔を再び真っ赤にした。しかし、亜矢子が見たいというのだからきちんと見せるべきだ、と思い、
「いいよ―――」
と言ってベッドに座り直し、右足はそのままで、60度程足を開き左足だけベッドの上に乗せて膝を高く立てた。そして後ろに手をつき上半身を大きく反らし、乳房が天井を向いた。そして顎を上げ、顔を完全に向こう―――壁に向けた。ボブカットの髪は逆さまに落ち、ベッドにつきそうだった。
もう一度と頼んだ亜矢子もそれに応えてやった梨華子も、さっきよりも格段にいやらしいと思った。さっき着けていたブラジャーも靴下も身に着けていたが、今はパンティ一枚姿で、更にそのパンティはグチョグチョに濡れていたからだった。
「気が済むまで……見てていいよ……」
梨華子は恥かしそうに言った。亜矢子は、
「可愛いよ……梨華子。―――に、似合ってる」
と呟いた。梨華子は、
「ありがとう……」
と答えた。亜矢子は、
「その体勢辛いだろうから、もう……いいよ」
と言うと、梨華子は姿勢を正し、
「服……着ようか。シャワー浴びて」
と言った。亜矢子は、ポシェットの中に下着を持って来ていたので、
「うん」
と答えた。しかし梨華子も亜矢子もこの時、
『服なんて着ないでパンティ一枚で居る方が似合ってるのではないか―――?』
と無意識の中で思っていた。あくまでも無意識に―――。

「やっぱり―――私達、全然違うんだね」
亜矢子が言った。梨華子は、
「そうだね……」
と答え、タンスの中からバスタオルと洗濯用のネット、そして下着を出してから、
「風呂洗いながら入るから、亜矢子には丁度いいと思うよ」
と言って風呂に向かった。

二人が全然違う点にもう一項目追加―――。
快感の"感じ方"だった。

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