梨華子と亜矢子
百合ひろし:作

■ 第六章 恋心2

梨華子はゆっくりと立ち上がった。その時スカートの中が見えないように押さえていた。つまり、見る為には脱がせという事を意思表示した。しかし亜矢子はスカートには今は関心を示さず、梨華子の白い靴下を下ろした。そして梨華子が足を脱がしやすい様に持ち上げると脱がし、それから立ち上がった。梨華子と同じ様に中が見えないようにスカートを押さえながら―――。
梨華子はしゃがんで亜矢子の黒い靴下を脱がした。亜矢子も梨華子と同じ様に片足ずつ持ち上げて脱がしやすいようにした。
梨華子はその後立ち上がり、二人は顔を見合わせた。心臓の鼓動が早まり、顔が再び赤くなる―――。梨華子が一歩前に出て、亜矢子の胸に手を当てた。亜矢子も梨華子の胸に手を当てた。
「……」
「……」
二人共何も言わない。―――そしてゆっくりと揉み始めた。
前回まではお互いの指示でやってきたが、今回は同時で指示がない。しかし、前回まででお互いの好みは大体理解しているので無言ながら少しずつ進めて行ってた。二人の呼吸、布の擦れる音だけが暫く支配し、クリスマスツリーの装飾の光が時々肌を染めた。
「んっ……あ……」
亜矢子が声を発した。梨華子はそれを確認すると亜矢子のスカートのベルトに手を掛けた。亜矢子もそれに気付き梨華子のスカートのベルトに手をやった。
「脱がすよ……」
梨華子は亜矢子の肩に顔を埋めて手探りでベルトを外してそのまま手に持って亜矢子の耳元で囁いた。亜矢子は頷き、
「一緒に……」
と言って同じ様に手探りでベルトを外した。それからスカートのホック、ボタンを外して手を離すと二人のスカートはほぼ同時に足元に落ちた。
梨華子はピンク、亜矢子は白地に黄緑の縞模様と、ブラジャーとセットのパンティを露にした。亜矢子は梨華子の肩に顎を乗せたまま、手を梨華子の尻に持って行き、包み込むように揉んだ。梨華子は亜矢子の肩に顎を乗せたまま亜矢子の後頭部を左手で撫でて右手で亜矢子が自分にやるのと同じ様に尻を揉んだ。

「あ……」
亜矢子は声を出し、梨華子の尻から手を離し、左手で背中を抱き締め右手を梨華子のブラジャーの中にゆっくりと忍ばせた。
「んっ……」
梨華子は声を出した。それから左手でブラジャーの上から亜矢子の右手を押さえ、右手を亜矢子の胸に当ててブラジャーの上から揉んだ後、下からブラジャーの中に入れた。
梨華子と亜矢子はお互いの肩に顔を埋め、早くなる鼓動を感じながら乳房を愛撫し合った。
「……あ……あっ……り……かこ……あっ」
「ん……亜矢子……いいよ……」
お互いに声が出始めた。そしてピクッと腰が反応したり膝から力が抜けて崩れ落ちそうになったりした。
梨華子は左胸から手を離して亜矢子の背中に回し、支えてあげた。亜矢子も左手でしっかりと梨華子を支えた。
梨華子の右手の人指し指と中指で亜矢子の左乳首を、そして亜矢子の親指と人指し指で同様に梨華子の左乳首をとらえてこねくり回してお互いを快感の中へと落として行った―――。
「―――ベッドに……」
亜矢子は呟いた。梨華子は、
「もう……ベッドなの……?」
と苦笑いして聞いた。勿論愛撫は続けながら。亜矢子は、
「あっ……あっ……梨華子は……まだなの?」
と梨華子の肩により掛って顔を埋めて聞き返した。亜矢子も愛撫しながら―――。梨華子はまだベッドにという気分では無かった。もう少し濡れてから、立ってられなくなったら倒れ込みたいといった気分だった。しかし、亜矢子は梨華子の愛撫でかなり感じて来て足がガクガクし始めていたのと、梨華子自身亜矢子程では無いにしろ感じてたので合わせる事にした。
「―――んっ……ごめ……ん。私……も」
と答えた。そして梨華子と亜矢子は愛撫をやめてベッドに倒れ込み、一気に高まり始めた興奮を少し沈めた。
梨華子は仰向けに倒れて足を開き片膝を立て、両手で顔を覆った。亜矢子はうつ伏せに倒れて片膝を曲げて足を開き、梨華子と同じ様に両手で顔を覆った。二人共パンティにうっすらと染みが出来て濡れ始めていた―――。
「梨華子……恥ずかしい」
亜矢子がその体勢で呟くと梨華子も、
「私も……」
と顔を両手で覆ったまま言った―――。
梨華子は暫くして起き上がり、うつ伏せの亜矢子を起こした。亜矢子も起き上がり、ベッドの上で座った状態で向かい合った。
「気持いいね……」
亜矢子は声を掛けた。梨華子は、
「―――うん」
と答えた。普段よりも語彙の乏しい会話をしているのがおかしかった。
「じゃ……、ブラジャー……取ろうか」
亜矢子が言った。そして梨華子の背中に両手を回し、ホックの両脇を掴んだ。梨華子は頷いた後、
「一緒に……だよ」
と言って亜矢子の背中に手を回した。そして梨華子と亜矢子の額が合わさった。二人は目を合わせず目線は下を―――丁度胸の辺りを見ていた。亜矢子は梨華子が手を回してホックの両脇を掴むのを待った。そして梨華子が掴んだのを確認すると、
「"騎馬戦"ではこういう状態にはならなかったね」
と言った。梨華子は、
「そうだね、絶体絶命―――」
と答えてクスッと笑った。亜矢子は笑顔を返した後、ふぅ、と一回息を吐いて微かに手を震わせながら梨華子のブラジャーのホックを外した。梨華子も亜矢子のブラジャーのホックを外し、ベルトから手を離した。
「今日やってたら負けてたと……思う」
梨華子は亜矢子の肩に手を掛けて言った。亜矢子も梨華子の肩に手を掛けてストラップを片方外して、
「どうして―――?」
と聞いた。梨華子は亜矢子のブラジャーのストラップを肩から外し、
「今日は亜矢子に勝ちたいって……思わないから」
と答えた。亜矢子はそれを聞いて梨華子のもう片方のストラップを外して手を下ろした。亜矢子の太股にブラジャーがパサッと落ちた。


「そういう―――日もあるよ」
亜矢子は太股の上に落ちたブラジャーを拾ってベッド脇に置いた。それから両腕で乳房を隠して下を向いた。
梨華子も手を下ろし、亜矢子より少し遅れて太股にブラジャーが落ちた。それをゆっくりと拾い上げ、亜矢子のブラジャーの上に重ねた。そして亜矢子と同じ様に腕で胸を隠した。
亜矢子は胸を隠したままベッドから下りて立ち上がった。そして、
「梨華子―――見せて」
と下を向いたまま言った。梨華子はそれを聞いて、ベッドから下りて亜矢子の前に少し離れて立った。
「手を退けて……こっち……向いて」
「亜矢子も……」
亜矢子の言葉に梨華子が返すと、梨華子は顔を上げ、亜矢子をしっかり見つめ、腕を胸から下ろし、両人指し指でパンティを直した後後ろで組んだ。亜矢子はツインテールを後ろに流した後、だらんと両腕を下げ、顔を上げて梨華子を見つめた。
「かわいいよ……梨華子」
「亜矢子も……いいよ。似合ってる……」
梨華子と亜矢子は真っ赤な顔でお互いを短く褒めた。そしてそのまま抱き合った。お互いに肩に顔を埋めて抱き締め、そして頭を撫でた―――。
暫くそうした後二人はもつれるようにベッドに倒れ込んだ。たったそれだけの動きなのに二人ともハァハァと息が弾んでいた。
もつれたままゆっくりと半回転し、亜矢子が上になった状態で止まった。
「ここから……だね」
亜矢子が腕を伸ばして四んばいになって言った。梨華子は亜矢子をしっかりと見つめ、
「うん……」
と答えた。亜矢子が少しずつ顔を下ろしてくると梨華子の耳にツインテールが当たった。そして亜矢子は顔をずらし、それから梨華子のボブカットの髪をかきわけてうなじに口付けた。梨華子も亜矢子のツインテールを流し、うなじに口付けた。
「うっ……うっ……」
「―――んっ……」
お互いの篭った声を聴きながら今度は抱き合ったまま密着した体と体の間に指を忍ばせた。亜矢子は少しだけ体を持ち上げて乳房を掴みやすいようにした。梨華子の右手が亜矢子の左乳房を、そして亜矢子の右手が梨華子の左乳房をそれぞれ捉えた。それから愛撫を始めた―――。暫くして亜矢子は、
「枕……あっ……こっちに……」
と言った。梨華子は左手で枕を取ると左肩の方に置いた。すると亜矢子は持ち上げていた体を落として梨華子に重なり、そして枕に顔を押し付けた。
「気持ち……いい……見ないで……顔見ないで……恥ずかしい……」
亜矢子が言うと梨華子は、
「見ない……よ……んっ……んっ」
と小さくあえぎながら答え、顔を右に向けた。乳房の愛撫による快感で二人は腰をピクッ、ピクッと反応させた。
「私が……上に……」
梨華子が言うと亜矢子は梨華子の体の上からごろんと転がり仰向けになり、枕を持って顔に押し付けた。梨華子は一旦ベッドから下りてスカートを手にとって亜矢子に渡し、亜矢子の体に重なった。
「あ―――」
梨華子は両手で口を押さえた。亜矢子に渡したのは自分のスカートだったからだ。亜矢子は構わずに枕を退かしスカートを顔に乗せて隠し、梨華子の手を取った。そして、梨華子の手を股間に招いた。梨華子は招かれた右手で縞パンティ越しに亜矢子のマ●コを掴んだ。
「あっ!」
亜矢子はその瞬間ビクッと反応した。
「亜矢子も……やって」
梨華子は亜矢子の右手をピンクのパンティの上を這わせて自分の右手が握っているように亜矢子にマ●コを掴ませた。
「んっ」
梨華子はフルフルと首を振り、声を出した。梨華子はそのまま亜矢子に重なり、耳元で、
「亜矢子―――上手……だよ……んっ」
と囁いた。亜矢子は梨華子のクリトリスをパンティ越しに摩りながらも逆に梨華子にも摩られ、
「あっ、あっ……梨華子、あっ。気持ちいい……」
と声を出していた。
二人のパンティは愛液を吸ってすっかりグショグショになっていた。そしてその上からこれでもかと摩る指にはねっとりと愛液が絡んだ。
梨華子が上で亜矢子が下の体勢から少しだけ転がり、亜矢子が左で梨華子が右の体勢になった。亜矢子は梨華子のスカートを頭に掛けてかつ左向き―――つまりベッドに顔を向けて顔を隠した―――に向いたが、耳とツインテールにはスカートがかからないようにした。梨華子は亜矢子の右肩に顔を埋めた。
そしてお互いに足を絡め合い、右手は股間から離さなかった。そして左手は相手の背中に回していた。

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