梨華子と亜矢子
百合ひろし:作

■ 第六章 恋心3

「そういう―――日もあるよ」
亜矢子は太股の上に落ちたブラジャーを拾ってベッド脇に置いた。それから両腕で乳房を隠して下を向いた。
梨華子も手を下ろし、亜矢子より少し遅れて太股にブラジャーが落ちた。それをゆっくりと拾い上げ、亜矢子のブラジャーの上に重ねた。そして亜矢子と同じ様に腕で胸を隠した。
亜矢子は胸を隠したままベッドから下りて立ち上がった。そして、
「梨華子―――見せて」
と下を向いたまま言った。梨華子はそれを聞いて、ベッドから下りて亜矢子の前に少し離れて立った。
「手を退けて……こっち……向いて」
「亜矢子も……」
亜矢子の言葉に梨華子が返すと、梨華子は顔を上げ、亜矢子をしっかり見つめ、腕を胸から下ろし、両人指し指でパンティを直した後後ろで組んだ。亜矢子はツインテールを後ろに流した後、だらんと両腕を下げ、顔を上げて梨華子を見つめた。
「かわいいよ……梨華子」
「亜矢子も……いいよ。似合ってる……」
梨華子と亜矢子は真っ赤な顔でお互いを短く褒めた。そしてそのまま抱き合った。お互いに肩に顔を埋めて抱き締め、そして頭を撫でた―――。
暫くそうした後二人はもつれるようにベッドに倒れ込んだ。たったそれだけの動きなのに二人ともハァハァと息が弾んでいた。
もつれたままゆっくりと半回転し、亜矢子が上になった状態で止まった。
「ここから……だね」
亜矢子が腕を伸ばして四んばいになって言った。梨華子は亜矢子をしっかりと見つめ、
「うん……」
と答えた。亜矢子が少しずつ顔を下ろしてくると梨華子の耳にツインテールが当たった。そして亜矢子は顔をずらし、それから梨華子のボブカットの髪をかきわけてうなじに口付けた。梨華子も亜矢子のツインテールを流し、うなじに口付けた。
「うっ……うっ……」
「―――んっ……」
お互いの篭った声を聴きながら今度は抱き合ったまま密着した体と体の間に指を忍ばせた。亜矢子は少しだけ体を持ち上げて乳房を掴みやすいようにした。梨華子の右手が亜矢子の左乳房を、そして亜矢子の右手が梨華子の左乳房をそれぞれ捉えた。それから愛撫を始めた―――。暫くして亜矢子は、
「枕……あっ……こっちに……」
と言った。梨華子は左手で枕を取ると左肩の方に置いた。すると亜矢子は持ち上げていた体を落として梨華子に重なり、そして枕に顔を押し付けた。
「気持ち……いい……見ないで……顔見ないで……恥ずかしい……」
亜矢子が言うと梨華子は、
「見ない……よ……んっ……んっ」
と小さくあえぎながら答え、顔を右に向けた。乳房の愛撫による快感で二人は腰をピクッ、ピクッと反応させた。
「私が……上に……」
梨華子が言うと亜矢子は梨華子の体の上からごろんと転がり仰向けになり、枕を持って顔に押し付けた。梨華子は一旦ベッドから下りてスカートを手にとって亜矢子に渡し、亜矢子の体に重なった。
「あ―――」
梨華子は両手で口を押さえた。亜矢子に渡したのは自分のスカートだったからだ。亜矢子は構わずに枕を退かしスカートを顔に乗せて隠し、梨華子の手を取った。そして、梨華子の手を股間に招いた。梨華子は招かれた右手で縞パンティ越しに亜矢子のマ●コを掴んだ。
「あっ!」
亜矢子はその瞬間ビクッと反応した。
「亜矢子も……やって」
梨華子は亜矢子の右手をピンクのパンティの上を這わせて自分の右手が握っているように亜矢子にマ●コを掴ませた。
「んっ」
梨華子はフルフルと首を振り、声を出した。梨華子はそのまま亜矢子に重なり、耳元で、
「亜矢子―――上手……だよ……んっ」
と囁いた。亜矢子は梨華子のクリトリスをパンティ越しに摩りながらも逆に梨華子にも摩られ、
「あっ、あっ……梨華子、あっ。気持ちいい……」
と声を出していた。
二人のパンティは愛液を吸ってすっかりグショグショになっていた。そしてその上からこれでもかと摩る指にはねっとりと愛液が絡んだ。
梨華子が上で亜矢子が下の体勢から少しだけ転がり、亜矢子が左で梨華子が右の体勢になった。亜矢子は梨華子のスカートを頭に掛けてかつ左向き―――つまりベッドに顔を向けて顔を隠した―――に向いたが、耳とツインテールにはスカートがかからないようにした。梨華子は亜矢子の右肩に顔を埋めた。
そしてお互いに足を絡め合い、右手は股間から離さなかった。そして左手は相手の背中に回していた。

「あっ、あっ、ああっ」
「んっ……んっ……」
声を出して快感を伝える亜矢子の声の合間にあまり声を出さない梨華子の声が混じり絶妙なハーモニーを奏で、それを二人がマ●コを愛撫し、溢れ出て来る愛液が発する音が彩った。
「うっ……亜矢子……行くよ……」
梨華子が言った。ベッドに顔を埋めている亜矢子の側頭部に顔を被せる体勢になっているためツインテールが顔にかかっていた。右手を更に少し下げ、パンティ越しに親指はクリトリスに、人指し指と中指を膣口に当てがった。そして二本の指に力を入れると、
ヌプッ、グチュッ
と音を立て更に愛液が溢れ出て来た。
「あっ!ああっ!!」
亜矢子は大きく声を出し腰をピクピク動かし反応した。ベッドに顔を左半分埋めて右半分をスカートで隠してるとは言え、亜矢子の側頭部から首筋に顔を埋めてる梨華子には相当響く大声だった。そして自分がやってもらったのと同じ様に梨華子にやってあげた。梨華子も腰をピクッピクッと反応させ、軽く首を振った。亜矢子のツインテールが乱れ、梨華子の顔に絡まった。
二人はそのままの体勢で暫く動きを止めた。そして呼吸を整えた。
「まだまだ……だよ……梨華子」
亜矢子は顔を見せずに呟き、梨華子の背中にまわした手に力を入れて引き寄せた。梨華子は、
「うん……ずっとやっていたい……」
と答え、同じ様に左手で引き寄せ、そのままの体勢でいた。


暫くして梨華子は起き上がりいわゆるお姉さん座りにしゃがんだ。亜矢子も続いて起き上がり、しゃがんで向かい合った。二人は左手で髪を直した。右手はグッチョリ濡れていたので髪をいじれないからだった。お互いに真っ赤な顔を見合った後、視線を下に落として行った。肩、乳房、腹、そして腰へ―――。股間に目が行くように足を開いている―――。パンティはグッショリと濡れて、太股にまで愛液が伝わっていた。特に濡れやすくてかつ、うつ伏せ状態でも愛撫して貰った亜矢子はフロントの一部も濡れていた。
「……」
「……」
「続き……」
無言の後亜矢子が呟き、梨華子の肩口に顔を埋めて梨華子から見えないようにし、マ●コを握るように右手を股間に這わせ、左手で梨華子の首筋を引き寄せた。梨華子は亜矢子の手がマ●コに着くと快感が頭につき抜け、
「う……あ……」
と短く声を上げた。そして亜矢子と同じ様に左手を亜矢子の首筋に当てがい、右手を亜矢子の股間に這わせてマ●コを握る感じに手を添えて親指でクリトリスを、人指し指と中指で膣口を愛撫した。
二人は肩から胸にかけてを密着させた。実際には聞こえないが心音が聞こえる感じがした―――。
「あ、あっ、あ、あ、ああっ」
亜矢子は真っ赤な顔を埋め、梨華子の愛撫に声を出し、腰からピクッピクッと反応させ、梨華子はそれ程声は出さないが、目を閉じて同じ様に腰をヒクつかせて感じていた。
「気持ち……いい……亜矢子……もっと……」
梨華子はそう言って、人指し指と中指でゆっくりと亜矢子のパンティのクロッチ部分をずらし、膣にゆっくりといれた。
「ああっ!梨華子っ、あっあっ!駄目!見ないで」
亜矢子は快感にあえぎながら左手を梨華子から離して顔を覆い、背中を反らして天井に向かって叫ぶように言った。梨華子は、
「大……丈夫、見えない……から。だから……亜矢子も」
と愛撫を止めて亜矢子が膣に指を挿れるのを待った。亜矢子はそれを聞いて右手の人指し指と中指で梨華子のパンティのクロッチをずらして二本の指を膣に挿入した。
「あっ!」
梨華子は腰を大きくビクッと反応させてあえいだ。二人の指がお互いの膣に入り、その状態で止まった。
「もう……逃げられないね……」
「そうだね……でもこうしたかったから……」
梨華子も亜矢子もお互いの右手の先を見ながら言った。しゃがんだ状態でしかも前から攻めているので自分からは相手は普通にパンティを穿いていてその上に手を添えてる様にしか見えなかった。
亜矢子は左手で梨華子の背中を抱き締め、梨華子の肩に顎を乗せて上体を反らしながら前のめりになり、少し腰を浮かせてから落とした。その瞬間―――凄まじい快感に襲われた。
顔を覆うのを忘れ、目をきつく閉じて、
「あっ―――ああん!」
と叫んだ。梨華子は同じ様に亜矢子の肩に顎を乗せ左手で亜矢子の背中を抱き締め上体を反らし腰を持ち上げて落とした。
「う……あっ」
二人はその状態で腰を動かして快感に溺れた。そして、膣に入った二本の指を動かし膣壁を愛撫した。
ベッドが二人の腰の動きに合わせて不規則に軋み、部屋には愛液をかき回す音と、二人の声が響きわたった。
「ああっ、あっあっ、あんっ。ああ―――っ」
亜矢子は梨華子を抱き締めながら腰を上下させ、ツインテールを揺らした。
「―――!んっ、……んあっ、亜矢子……気持ちいいっ。あっ」
梨華子は控え目ながら声を出し、亜矢子を抱き締めながら腰を上下させた。

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