梨華子と亜矢子
百合ひろし:作

■ 第六章 恋心4

腰を動かすのに疲れると再び静止し、そのままの体勢で倒れ込み足を絡ませた。ローアングルで見ればクロッチをずらし、膣に指を入れてるのが分かるがお互いの目からは見えなかった。―――いや、それ以前に見る余裕がもう無かったしそれを見たいとも思わなかった。
「イキ……そう?」
亜矢子が聞いた。梨華子は、
「イッちゃう……よ」
と答えた。亜矢子はそれを聞いて、
「私……も……」
と答えた。梨華子は笑顔を見せて、
「一緒に……イコう……ね」
と言った。亜矢子はコクリと頷いた。
それから、最初はゆっくりと、そして少しずつ早く激しく膣に挿れた指を動かした。
「あっ、あっ!ああっ!あんっ!だ……駄目イクっ!イキたくないっ!ああーっ!」
「んっ、……気持ち……いい……亜矢子……ああっ。もっと―――」
梨華子と亜矢子は激しく膣を愛撫しながらお互いに声を出した。亜矢子は激しく、梨華子は控え目にだったが、快感で頭が真っ白になり、腰をビクビクと激しく反応させて愛液を更に出し、指と太股とパンティを更に濡らし、足に緊張が走って、左手で強く抱き締め、顔を相手の肩に埋めているのは同じだった。

イキたくない―――。亜矢子はイキたくない訳ではない。ただイッてしまうとこの時間が終わってしまう―――そう思っていたから出た言葉だった。
亜矢子が梨華子の膣壁の愛撫をゆっくりにしたら梨華子もそれに合わせてそうした。これは、最後に激しくする為のペースダウン―――。
「あっ……あっ……最後に……あっ……激しく」
亜矢子が言うと、梨華子は抱き締めてる左手で亜矢子の背中を軽く二回叩き、
「んっ……あっ……分か……った」
と了解した。
そして亜矢子が激しく愛撫を仕掛けたのに合わせて梨華子も激しく指を出し入れした。
「うくっ!あっ、―――んんっ」
梨華子は押し寄せる快感に歯を悔い縛り、亜矢子は、
「ああっ、あっ。あんっ!」
と激しくあえいだ。そして再び股間から突き上げてくる快感の波に―――、
「あ、亜矢子っ……!イク……、イクっ」
「梨華子!ああっ、ああっ!イク!!」
二人はそう言葉にすると腰を二回程ピクピク反応させ、足がギュッと緊張し太股を強く閉じて膣に指を突っ込んでいる相手の右手を強く挟んだ。それでも激しく攻め―――、
「んぐっ!」
「あっ!!!」
と短くも突き抜ける声を出し、腰を激しく痙攣させた。
梨華子と亜矢子は横向きで抱き合っていた体勢からお互いにゆっくりと離れて、膣から右手の人指し指と中指を抜き、仰向けになった。梨華子は亜矢子とは反対方向を向いて左手で額を押さえ、亜矢子の愛液をたっぷりと含んだ右手を腹に置いた。亜矢子は顔を天井に向けて、左手で顔を覆い、梨華子の愛液をたっぷり含んだ右手はベッドに落とした。シーツは愛液を吸い、新たな染みを作った。
「ハァハァ……あ……」
「ハァハァ……あっ……あ……ハァハァ」
梨華子と亜矢子は腰を痙攣させながらそのまま余韻に浸った。そして腰の痙攣は段々と収まってきた。
「気持ち……良かったね……」
亜矢子が先に手を後ろについてゆっくりと上半身を起こして言った。そしてグッショリと濡れた縞パンティを直してから立ち上がった。
「うん……良かった。亜矢子、最高だったよ……」
梨華子はゆっくりと体を起こしてパンティを直してからベッドから足を出して座った。亜矢子はそれを見て、一旦部屋から出た。
「亜矢子―――?」
梨華子は呟いた。亜矢子は風呂でも沸かしに行ったのだろうか?と思った。


亜矢子は台所に行くと冷蔵庫を開けて、おにぎりとペットボトルの水を出し、更に引き出しからタオルを出して水で濡らした。それらをお盆に乗せて持っていった。
「お待たせ―――」
亜矢子は部屋に戻り言った。梨華子は、
「準備……してたの……?」
と聞いた。水は兎も角おにぎりとは全く予想していなかった。亜矢子は、
「うん、疲れると思ったから作っておいたの……食べようよ」
と言った。それから梨華子のそばに座り、間にお盆を置いた。亜矢子は一つ取って梨華子に渡した。梨華子はタオルで手を拭いてから、
「ありがとう……頂きます」
と言って亜矢子からおにぎりを受け取って、ラップを剥がして口にした。
「美味しい」
梨華子は笑顔で言った。亜矢子は、
「良かった」
と笑顔を見せて自分もおにぎりを食べた―――。


食べ終わった後、梨華子と亜矢子はお互いの体を見合った。汗はすっかり引いていたが、股間は―――パンティはグッショリと濡れたままだった。
「こんなに―――濡れるものなんだね」
梨華子は顔を赤らめて言った。亜矢子は、
「うん―――濡れたね」
と同じように顔を赤くして答えた。
、そして
「梨華子―――かわいい」
と亜矢子はツインテールを後ろに流しながら下半分がグッショリと濡れているピンクのパンティ一枚姿の梨華子に言った。梨華子は笑顔を見せて、
「ありがとう。亜矢子もかわいいよ」
と下半分を濡らした黄色の縞パンティ一枚姿の亜矢子を褒めた。二人は最後に一回抱き合った。


「じゃ、また明日」
梨華子は服を着てそう言ってドアを開けた。亜矢子は玄関で、
「うん。また明日ね」
と言って梨華子を見送った。その後部屋に戻り、ベッドのシーツと薄い敷布団を外して洗濯機に入れ、皿とペットボトルを片付けた。
そして服を拾って畳み、
「今日は―――何かもう服着る気にはなれないな……」
とクスッと笑って呟き、パンティを人指し指で直し、風呂場に行きスイッチを入れた―――。

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