梨華子と亜矢子
百合ひろし:作

■ 第10章 幸福2

亜矢子の家だった―――。亜矢子は大介を家に上げた、そして梨華子も。そして部屋に梨華子と大介を先に招いて、亜矢子はペットボトルの水を二人に渡した。そしてキャップを開けて半分程飲み干した。それから、床に座っている大介を立たせてからゆっくりと抱き締めて、
「キス……して」
と言った。大介は亜矢子とも付き合う事になったとはいえ梨華子の目の前でキスをするのはどうかと思った。
「梨華子の目の前でか?」
と聞いた。亜矢子は顔を赤らめてコクリと頷いた。
「梨華子には、全て話してある……」
と答えた。そして亜矢子は背伸びをして少し強引に唇を奪うとその後、
「―――抱いて」
と言った。梨華子はベッドに座ってペットボトルの水を飲みながらそのやり取りを聞いていた。そしてベッドから立ち上がり、壁の方へ移動した。

――― 何があっても ―――

梨華子が態々このタイミングでベッドを空けた事から、梨華子が朝に言った言葉―――、大介は僅かに引っかかったその言葉の意味を全て理解した。梨華子は亜矢子がSexを誘ってくる事も含めて全て解っていたという事だった。
「いいのか?梨華子。後悔しない?」
亜矢子から誘って来たのだ。大介は男として自分から誘うのは勿論、誘われたものには乗っかりたいそういう年頃だった。礼二みたいなタイプでは無くともそれが普通の十代の高校生の心と体の反応であった。しかし、いくら亜矢子も彼女として付き合ってるとは言え"最初の彼女"の梨華子の目の前でSexするなど常識からはとても考えられない。今迄の流れだって充分非常識だったがそれを更に上回る非常識だったので大介は梨華子に念を押した。梨華子はペットボトルを亜矢子の机の上に置き、コクリと頷いた。
「唯一つを除いて―――。それは亜矢子から直接聞いて」
と言った。大介は、
「解った」
と言った。そして亜矢子に、
「今梨華子が言った"唯一つ"っていうのを教えてくれないか?」
と聞いた。亜矢子は、
「中には……出さないで」
と答えた。大介は、
「ああ、わかった」
と言った。


「梨華子にやったようにやって」
亜矢子はそう言って両腕を下ろした。大介は亜矢子のジャケットをゆっくりと脱がして床に置いた。亜矢子は顔を赤くして薄目で下を見ていた。
大介は優しくキスをした後亜矢子の腕から肘、そして肩の順にゆっくりと撫でて、その後首に一回キスをしてそれからシャツのボタンを外した。ゆっくりと一つずつ―――。
亜矢子は何も言わず薄目のまま大介に身を任せた。三つあるボタンを一つ、また一つと外され、胸の谷間がのぞいた。
大介はシャツの下から手を入れて亜矢子の胸を揉んだ。身長180cmの筋肉質の体を持つ大介の手は改めて大きく力強いと思った。
「……」
亜矢子は何も言わず胸を触られるまま立っていた。そして両手でツインテールを後ろに流した。大介は亜矢子のシャツに手を掛けてゆっくりと持ち上げた。亜矢子は頭を抜き、そして袖も抜きやすいように腕を前に出した。
白地にピンク、水色、黄色の三色の縞模様のブラジャーが露になった。亜矢子が色付きのポロシャツを着ていたのはこの下着を隠すため―――、絶対に透けて見えないように、脱がして初めて柄や色が分かるようにするためだった。大介は脱がしたシャツをジャケットの上に置くともう一度亜矢子の胸を揉みほぐした。亜矢子はゆっくりと手を大介の手の上に重ねた。
「……は……ぁっ」
僅かに声を洩らした。その時ボタンを外す音がした。
「梨華子……?」
大介が言うと梨華子は、
「私も―――亜矢子と同じ格好に……」
と顔を赤らめて言って大介に脱がすよう促した。大介は梨華子のブラウスも丁寧に脱がした。亜矢子とは対照的に水色一色のブラジャーが露になった。しかし、梨華子はそこで一歩下がり、再び壁に寄りかかった。
大介はもう一度亜矢子の胸を優しく揉んだ。亜矢子は時々ピクッ、ピクッと上半身を反応させ、
「……あ……あっ」
と声を出した。大介は暫く亜矢子の胸を揉んでいたが手を止めて亜矢子のベルトに手を掛けた。そしてベルトを外した後半ズボンのボタンを外し、チャックを下ろすとズボンはストンと足元に落ちた。亜矢子はゆっくり跨いで、
「ベッドに……」
と言った。大介は亜矢子のズボンを拾い今まで脱がした服の上に置くと亜矢子をベッドに寝かせた。
亜矢子がスカートではなく半ズボンにしていたのも、今露になった白地に水色、ピンク、黄色の三色の縞パンティが間違っても見えないようにだった―――。
亜矢子は寝転がるとニーソックスに手を掛けて脱いだ。そして脱ぎ終わると大の字になって大介を見て、
「この姿……見て欲しかった」
と言って顔をそらした。この為に可愛い服装をしながらもニーソックスを履いたりして露出度を抑えていたのだった。

一方梨華子は壁から離れベッドの脇まで来た。しゃがんで靴下を脱いだ後立ち上がってスカートのベルトを外し、手を後ろで組んだ。
「私のも脱がせて……」
大介が梨華子のスカートのホックを外すとスカートはストンと落ちた。梨華子は跨いだ後拾って自分の服の上に置いた。

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