梨華子と亜矢子
百合ひろし:作

■ 第11章 海岸2

その後二人は砂浜に降りた。そして道路からは見えない場所に行った。丁度道路からは距離があり、また、手頃な大きさの岩があるために陰になる所だった。この日は暑かったので昼間はこの砂浜もそれなりに沢山の人が来たと思えたが、この岩の周辺は人が来た痕跡が殆んど無かった―――。夏休みの海水浴シーズンならばこの岩を目印にする人がそれなりにいそうだが、暑い日とはいえ4月にこんな所まで態々来る人は居ないと思えた。
梨華子はそこには波が来ない事を確認し、周りを見渡した。同じ様に夜に海に遊びに来てる人がいないかどうかを確認した―――。それから岩を背にしてその場に二人で座って海を見ていた。
穏やかな波が打ち寄せ、静かに優しく崩れる音を聞かせてくれた。そして、夜になるとスッと冷えるのが地面であるのだがまだ昼の暑さが残っているのか―――暖かかった。
「たまには―――ずっと見てるのもいいね」
亜矢子が言うと梨華子はクスッと笑ってゆっくりと立ち上がり、
「泳がない……?」
とスカートの尻を叩いて聞いた。その時風が吹き梨華子のスカートがめくれてパンティが一瞬見えた。亜矢子が、
「え?」
と返すと梨華子はポロシャツのボタンを外した後、靴と靴下をゆっくりと片方ずつ脱ぎ、丁寧に並べた。そしてその後ポロシャツに手を掛けた。梨華子はゆっくりとポロシャツを捲り上げるように脱いで最後に頭を抜き、軽く首を振った。それから脱いだポロシャツを整えて砂浜に置き、ミニスカートに手を掛けた。ベルトを抜いた後スカートのボタンを外し、チャックを開いてから手を離すとスカートは勢い良く落ちていったが、柔らかいスカートは一瞬フワッと浮く様にして砂の上に落ちた―――。
梨華子は赤いリボンの付いた可愛いピンク色のブラジャーとパンティ姿になった―――。下着姿になった梨華子が落ちたスカートを跨いだ後で拾い、ポロシャツの上に畳んで重ねた。
「見られた―――としても、遠目には水着と変わらないから―――ね」
梨華子は恥ずかしそうに笑って言った。亜矢子はそれを聞いてクスクス笑って頷いた。これが梨華子―――そして自分の性癖なのだ。幾等温暖化してきてるご時世とはいえまだまだ4月に30度を超える日はそうはない。この暑さで梨華子の頭の中の、下着姿好きという性癖のスイッチが入ってしまったのかと思った。
「私も脱ぐから待ってて」
亜矢子はそう言って梨華子が脱いだ様に靴と靴下を脱ぎ、その後ポロシャツを脱いだ。ブラジャーが露になったが何時もの縞模様では無く黄色だった。しかし夜の闇の中の僅かな街明かりに照らされるだけの中では白と区別は付かなかった。
亜矢子は梨華子とは違い、ポロシャツは畳まずにバサッと振った後広げて置いた。それからミニスカートに手を掛けて梨華子と同じ様に落とし、それも拾って広げて置いた。下着姿になった亜矢子のパンティはブラジャーとセットで黄色だったが、暗いので色は判別出来なかった。
梨華子は亜矢子が脱ぎ終わったのを確認すると、
「じゃ、泳ごうか」
と言って海に向かおうとしたが、亜矢子は梨華子の腕を掴んでその後足を引っ掛ける様にして後ろに転ばせた。丁度亜矢子が自分の服を広げて置いた所に向かって―――。そして亜矢子は梨華子の体の上に馬乗りになって首を振り、梨華子の両肩を押さえた。そして周りを確認した後下、梨華子の胸元に視線を落とし、
「折角脱いだんだから―――してから泳がない……?『濡れても』泳いで洗い流せば―――」
と言った。梨華子はコクリと頷いて、
「いいよ」
と笑顔で答えた。自分が脱いだ時、亜矢子はしたくなるかもしれない―――いや、亜矢子がというよりは梨華子自身、こうなる展開を望んでいたのかも知れない、だから亜矢子の突然の行動に対しても驚きもせずに即答で返事した―――。今は大介は大事な時期であり、毎日学校で会ったり部活を見に行ったりはしてるものの、二人でまたは三人でSEXはおろかデートをする事すら出来ない状況だったからだった。
快感を知ってしまった者にとってこういう時間はきつかった。勿論部活を一生懸命やっている大介が悪いだなんてこれっぽっちも思っていない。むしろ大介はインターハイで優秀な成績を収めて大学に陸上推薦をして貰いたい位なのだから。その為だったら我慢する―――。

梨華子と亜矢子は二人でこうする事によって『我慢』する術を知っているのだから―――。

梨華子は馬乗りになっている亜矢子から目線を外して、静かに打ち寄せる波の方に頭を向けた。
「これだけ波の音がしていれば声出しても聞こえない筈……亜矢子の好きな様にやって……」
梨華子がそう言うと亜矢子は何も言わずに頷いた。それから梨華子の上に覆い被さり、首筋に口付けた。更に右手でブラジャーの上から乳房を擦り、左腕で梨華子の右手を押さえ付けた。
梨華子は目を閉じて波音と亜矢子が自分の体をしゃぶったり触る音を聞いていた。
「ん……っ」
梨華子は軽く声を出し、その後胸を揉む亜矢子の右手に自分の左手を重ねた。亜矢子は暫くそうしていたが、梨華子の首筋から口を離して起き上がってしゃがんだ。
「起きて体を後ろに倒して……」
亜矢子は梨華子に言った。梨華子はゆっくりと起き上がって言われた様に体を倒して手を後ろについた。そして、
「こう?」
と聞いた。亜矢子は顔を赤らめて、
「うん……あと、足開いて」
と言って先ずは自分が後ろ手について足をM字に開いた。それから梨華子が返事をした後同じ姿勢になったのを確認すると、亜矢子はそのままの姿勢で近付き、そして亜矢子の服の上で二人の股間が触れ合った。
「ん……くっ」
亜矢子は股間が触れ合うと腰を軽く回転させる様に擦りつけ、その股間からの刺激から軽く声を上げ、ツインテールを揺らした。梨華子もそれに合わせて腰を擦りつけ、2人で刺激を分け合った。
「あっ……あっ」
亜矢子は声を上げてあえぎ始めた。少しずつ上体を反らし始め、支えている両腕は震え、上半身全体をブルッと震わせた。
「梨華子……気持ちいい……っっ、梨華子は……?」
「……うっ……気持ちいい……よ」
亜矢子があえぎながら聞くと、梨華子はピクッと体を反応させ始めながら答えた。その後互いに強めに股間を押し付け合い擦り付け合った。
「ん……あっっ!あっ……ああっ」
亜矢子は鋭い声であえいだ。梨華子も亜矢子程は声は出さないものの腰から胸に掛けてピクッ、ピクッと反応させながら腰を動かした。

梨華子は崩れ落ちたかった―――。今の体勢では右手の親指をかじれない。意識してかじっている訳ではない、快感に支配されると勝手にかじってしまうのだった。
亜矢子も崩れ落ちたかった―――。今の体勢では顔を隠せない。快感にあえいでいる顔を見られたくは無かった、例え梨華子にでも。

「あっ、あっ、ああっ、ああっ」
亜矢子のあえぎが激しくなると共に少し腰が持ち上がり、梨華子の腰もそれに合わせて持ち上がった―――。そして2人共顔を向こう側に向けて体を大きく反らし、その後崩れ落ちた。
「はぁはぁ……」
少し息が上がった。しかし、欲しい快感はこんな物ではない。梨華子は右手の親指を軽くかじりながら左手で股間に手をやった。股間の擦り付け合いの刺激で濡れ始めた梨華子の膣から流れ出て来た愛液がパンティを濡らし始めていた。一方亜矢子も同じ様にパンティを濡らし始めていた―――。こんな体勢で股間を擦り付け合うのは初めてだっただけに短い時間ながら今迄とは違う快感だった。

亜矢子は先に起き上がり、倒れたままになっていた梨華子の頭側に移動した。そして梨華子の頭の上に覆い被さった。1年生の時柔道の授業を受けた―――まさかこんな時に役に立つとは。
「梨華子……逃がさない」
亜矢子が呟くと梨華子は亜矢子の体の下から、
「大丈夫だよ……逃げないから」
と返事して、右膝を立てた。亜矢子は梨華子の左腕を左脇の下から背中に回させ、右腕は梨華子の肩の下に滑り込ませて梨華子の右腕の自由を奪った。梨華子は先程も崩れ落ちた後右手の親指をかじっていたからだった―――快感が強くなると更に強くかじる―――その痛みで折角の快感が途切れてしまうのは勿体無いからだった。そして胸を梨華子の頭に押し付け、丁度崩れ上四方固めの体勢になってそれから顔を少しだけ上げて梨華子の下半身を見るようにしながら顎の下に来ている梨華子の左胸を左手で揉んだ。梨華子はピクッ、ピクッと体を反応させて、
「んっ……んっ……あ……っ」
と声を出した。

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