真梨子
羽佐間 修:作

■ 第1章 東京転勤7

−愛奴育成倶楽部・東京サロン− 4月15日(金)

 高倉ビューティの「セレブ フルボディ スペシャルエステ」の裏組織「愛奴育成倶楽部」は順調に育っていた。
 選りすぐりの会員数は500人を数える。

 会員が集う直営サロンも東京、大阪、名古屋、札幌、博多の5箇所に設置されている。
 調教を施し、巣立った牝奴隷も既に30人を超えた。
 会員の要望により、狙った女の背景を調べ、事件化しないと判断できれば、その筋に頼んで誘拐させ、調教してから”納品”した牝奴隷も何人かいる。

 預かった奴隷の育成状況や、狙いをつけた女の盗撮画像は、会員ならIDと指紋認証でインターネットでいつでも確認できるシステムも構築されていた。

 六本木にある東京サロンの奥の部屋に、近藤 昌也(吉岡 隆:高倉ビューティ専務)はいた。
 調教中の奴隷達や狙っている女達の様子がモニター出来るコンソールパネルには、真梨子の寝室の様子が映っている。
 あづみの時と同じように指定マンションを与え、真梨子の私生活を監視し、いづれ調教する時に役立てるつもりで、各部屋に隠しカメラを設置されている。

 画面に映る真梨子の部屋は、電気が消え、かすかに真梨子の寝息が聞こえているだえだった。
 外出先から戻った真梨子は、羽佐間に電話を掛け、楽しそうに話した後、シャワーを浴びて少し前にベッドに入ったところだ。

「何かいい切り口は見つかったか?」
 少し苛立った口調で、飲み会から戻ってきた秘書課の横田に声を掛けた。
 近藤が今一番堕としたい女、羽佐間真梨子の攻め手が見つからない。

「いいえ、まだこれと言って・・・」

 真梨子を東京に呼び出すように仕掛け、転勤が決まった時、近藤が横田に命じたことがあった。

『真梨子を、強引に肉奴隷に堕とすのは、下地の出来ている真梨子は難しいことじゃない。
 しかし、旦那の羽佐間には金銭的、社会的にそれなりの力があるし、ある程度の覚悟はできている男のようだから、事前に発覚した時に、真梨子の裸の画像や性癖をばらす程度の脅しに屈っする男とは思えない。
 それに、同居していた時は、真梨子の毎日の排便まで管理していたようだから、堕とす過程の真梨子の変化に気付かれたりすると厄介だ。 羽佐間の出方次第ではこっちが怪我をする可能性がある。とにかく羽佐間の弱点を探すんだ!』

「それにしても、専務は真梨子に随分とご執心ですね!」

「はは お前、しっかり躾られた賢い女が羞恥する姿… 可愛いとは思わんか?」

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