真梨子
羽佐間 修:作
■ 第2章 体験エステ1
−初エステ− 4月18日(月)
真梨子は、今までエステに行った事が無かった。
卒業旅行の時に、温泉で皆と一緒にマッサージを受けたことや、話のネタのつもりで、「足つぼマッサージ」を受けたことくらいで、エステ経験と呼べるものではない。
同性と言っても、身体を触られるのに、何か気恥ずかしく抵抗があった
それがいきなり、仕事絡みとはいえカタログでしか見たことがなかった最高峰の「セレブ フルボディ エステ」を無料で受ける事が出来る。
内心、然るべき理由が出来て嬉しくて仕方がなかった。
久美と相談して、今日の帰りに、階下の本店に寄ってスケジュールの打ち合わせに行く事にした。
本社ビル1階にある本店の店長:川上 奈保子とは、ヒアリングで一度話したことがあり、彼女が対応してくれた。
「木島常務から話は聞いています。腕によりをかけて”更に美しく”なっていただきますよ!羽佐間さん」
「うふっ よろしくお願いします」
すべてのサービスの概略の説明を受けた。
真梨子たちの仕事は、現状のシステム分析や財務分析、組織人員構成を主に調査していたので、商品・サービスの売上や利益などは知っていたが、商品そのものについては、何も知らないに等しい状態だった。
「こうやってみると随分たくさんのメニューがありますね」
「そうよ 女性の体中全部だもの」
「それに綺麗になるためには、根気良く続けないといけない事も一杯ありますね」
「そうですよ〜 一朝一夕には”美人”にはなれませんよ」
「そうですよね〜」
久美と各々、生活習慣や食事、使用している化粧品の種類や肌の手入れ方法など細かく問診を受けた。
「貴女達のプロジェクトのスケジュールと、この店の予約状況を照らし合わせて、貴女達のスケジュールを明日お渡しするわね 貴女達の仕事に差し支えない限り、すべて私達に任せてくださいね! そうだ!今日は今から時間あるのかしら?」
「はい!?・・・」
「そ^^ じゃさっそく入門編のフェイシャルエステをしていけば? 1時間位だから」
「わっ 嬉しい! 二人一緒でもいいですか?」
「ええ、もちろん! 羽佐間さんもお時間あるの?」
「ええ 無くても作ります! じゃさっそくお願いします」
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