真梨子
羽佐間 修:作

■ 第2章 体験エステ9

−ボディエステ−  5月12日(木)

 今日までの間に、仕事の合間を縫って、フェイシャルコースの毛穴ケア、真珠美顔などを受けていた。
 今日からいよいよボディコースを体験する。
 翔太と称する痴漢の事もあったし、エステで下着姿になることを考えて、オーソドックスな下着を着けて出勤してきていた。
 もっとも、警察に言うという言葉が効いたのか、さすがに「翔太」は今朝は姿を見せなかった。

 真梨子は、うつ伏せになって、アロマオイルをふんだんに使って全身をハンドマッサージする贅沢な「バリ式マッサージ」を受けていた。

 肌にうるおいを与えるスクワランオイルをベースに、バリの香りのするエッセンシャルオイルをプラスしたオイルで、首筋からつま先まで、ツボを刺激しながらのハンドマッサージだ。
 川上店長自ら、マッサージしてくれる事と、Tバックショーツに着替えさせられ、全裸近い格好に、バスタオルを捲いただけの姿で横たわるように言われたので、恥かしくて少し緊張していた。

 ほとんどの人は、素っ裸で受けるらしいのだが、真梨子は、陰りの無い股間を知られるのが恥かしいので、備え付けのTバックショーツを穿いて横たわった。
 始まる前に、本当にリラックスできますからね!と説明されていたが、本当にそうだった。

 昨夜、自宅で遅くまで資料作りをしたせいで、ものの5分もしないうちに、全身に塗られるオイルの香りと、心地良いヌルヌルする感覚でうっとりしてマッサージをして貰いながら、あまりの気持ち良さに眠ってしまった。

 途中で、仰向けになってくださいねと身体を支えられながら反転した。
バスタオルが肌蹴て、裸の下半身が丸出しになっているのは判ったが、気だるい心地よさの中で、どうでも良いような感じがして、なされるがまま身体を委ねた。

 脇腹も、乳房もまんべんなくゆっくり大きく撫で摩られ、とても気持ちがいい。
 ――あン・・
 息が少し荒くなっているのを悟られるのが恥かしい・・・
 何だか身体が火照り、太股辺りでマッサージの心地よさ以上に、性的な快感すら感じて目覚めた。
 川上店長は、指で真梨子の太股の内側の柔らかい部分を、膝辺りから股間付近まで、筋を抑えながら撫上げていた。
「ああン・・・ 」
 思わず声が漏れてしまった。
 恥かしくて閉じていた目を開けて、マッサージを施されている箇所を覗いてみると、なんと、ショーツは、知らぬ間に脱がされて、素っ裸で無毛の秘丘もオイルで濡れ光っていた。
 ――ああぁぁ・・・ 恥かしい・・・

 ショーツを脱がされていることは、マッサージの中で自然な流れなんだと不思議にも思わなかったが、無毛の秘丘を知られた事は、とても恥かしかった。

「あはっ何だかくすぐったいような感じです 店長・・・」
「あら お目覚め?! 気持ちよかったでしょ!?羽佐間さん」
「ええ、とても! 知らぬ間に眠っちゃっていました、ごめんなさい」
「いいえ 気持ちよくて眠ってしまわない人は、いないもの」

「そうだ!羽佐間さん!?」
 大腿を揉む手を休めないで、川上が言う。
「はい!?」

「貴女、結婚なさってるのよね?!」
「ええ」


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