真梨子
羽佐間 修:作

■ 第2章 体験エステ10

「そ じゃ、これは貴女の旦那様の趣味ね!」
 指で、無毛の秘丘を撫でながら言った。

「え、ええ: そうなんです・・・ 恥かしい・・・」一気に顔が真っ赤になるのが判った。

「ホホホ 何言ってるの? 今、多いのよ!ここの毛を永久脱毛する人って」
「え?ホントなんですか?」

「ホントも何も、このセレブエステのメニューにも、ちゃんとメニューとしてあるくらいですもの ほら、これよ」

 1枚もののパンフレットに、高倉由紀と並んで、まだ会った事はないセレブ事業責任者の麻木あづみの微笑んだ写真入で、陰毛の永久脱毛の案内が載っていた。

 恥丘の脱毛サンプル写真には、「麻木あづみ」とキャプションに書かれてあるので、高倉ビューティの責任者が自らパンフレットに掲載する程、一般的な事になっていることに驚きを覚えた。

 ――あづみ?… 剃毛・・・まっさか! そんな訳ないわね…
 少しボカシてある恥丘の写真と名前から、アトランティス倶楽部のあづみを思い起こしてしまった。
 
「へぇ〜、そうなんですかぁ〜 知らなかった」
「今はね、セレブの間では、ここの脱毛とか、脱毛した箇所にタトゥーを入れたりするのが流行ってるのよ」
「え〜っ、ビックリですね」

「じゃ、貴女の旦那様のために、貴女に特別のプレゼントをあげましょう。  先日お渡したエステスケジュールには、普通のPZ脱毛の予定を書いていたけど、貴女だけこの部分のレーザー脱毛を追加してあげる。
 貴女のここは、剃るんじゃなくて、抜いてるようね 毎日、お手入れ、大変でしょう!? それに毛穴が黒ずんだり、ブツブツが目立ったりして見っとも無いしね。 ツルツル美肌、旦那様も悦んでくれますよ!いかがかしら?」

「は、はい・・・ きっと悦んでくれると思いますけど・・・・ 一応相談してみないと・・・」
「ほほほ 妻が美しくなるのに、反対するご主人がいたりするもんですか! それに、ご主人様の趣味に合致するんでしょ! 今度あった時に驚かせてあげなさいよ! きっとたくさん可愛がってくれますよ!」
「・・・・やだぁ〜・・・川上店長」

「内緒で凄く綺麗になって驚かせてあげなさいね! そして一杯愛し合ってね! うふ」

「はい じゃお願いします!」少し悩んだが、お願いすることにした。
 川上店長の申し出は嬉しかったが、直ぐにOK!するのが恥かしかったのが、本当のところだ。

 川上店長は、予約表のバインダーを手に取り、「はい!任せて じゃ明後日の土曜日の5時から如何? 脇の下と合わせても2時間も掛からないわ 個室で綺麗にしてあげます。 箇所が箇所だから、エステルームでするのは恥かしいでしょ?!」

「は、はい やっぱり恥かしいですね でも本当にこんなことまでして頂いていいんですか? 」
「もちろん!じゃ、今度の土曜日ね」

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