真梨子
羽佐間 修:作

■ 第2章 体験エステ14

 真梨子は施術台の上で麻酔から目覚めた。
 まだ意識が朦朧とし、身体が思うように動かない。

 ゆっくり身体を覆うシーツを外した。

 乳首に付いた医療用のピアスリングが目に入った。
 ――あぁぁ・・・付いてる!とうとう付けちゃった・・・ 凄い!胸が大きくなってる!
 仰向けになっているのに、たっぷりと盛り上がったバストがあった。

 まだ重い感じの身体をゆっくりと起こして、もう一度胸を見た。

 確実に乳房が大きくなっている。
 上から見下ろす自分の胸に深い谷間が出来ている。

 ――うわっ 凄い!
 バストの重さを感じる事が、嬉しい。

「あら 気付いたのね いかが? 気に入った?」
 川上店長が部屋に入ってきた。

「あ、はい」
 乳房を下から持ち上げるようにして真梨子は答えた。

「おめでとう!真梨子さん 手術は大成功ですよ! とても素敵なバストね」
 奈保子は両手で真梨子の頬を挟み、お祝いを言った。

 信頼しきっている奈保子に、手術の成功を告げられ、思わず涙が滲んできた。

「ありがとうございます!先生。 とっても嬉しいです」

「良かったぁ!真梨子さんにこんなにも悦んで貰えて」 

 改めて胸を見下ろすと、Cカップサイズはゆうにあるように思える。
 生まれて初めて得た豊かな胸の谷間に感激を覚える。
 少し身体を揺すってみると、プルンと胸が揺れる。

「最終的に今のサイズを保つ為にはもう一度チャレンジして欲しいなぁ^」
「えっ・・・もう一度・・・ですか?」

「ええ 折角のこのバストもね、前にも言った通り、何割かは身体が脂肪を自然に吸収しちゃうのよ。 今回は、お腹の周りの脂肪を吸引したけど、次はお尻とか大腿とかの余分な脂肪を取って、バストを今の状態以上にして貴女に綺麗なシルエットの身体をプレゼントしたいの。 お尻も今以上に素敵なシルエットになるしね どう?お腹周り、スッキリしたでしょ?」

 指摘されたお腹周りを改めて擦ってみた。

「えっ! あ〜」
 とてもスッキリして、摘んでみても皮だけしか掴めない。
 ――凄い! 頑張ってもなかなか取れなかったのに・・・

 施術台から降り、鏡の前に立ってみた。
 ――す、凄い! 私じゃないみたい!・・・

 くびれたウェストに、腰の女っぽい丸みが強調され、自分で見ても艶やかなラインだった。

「でも、バスとはどれくらい小さくなりそうなんですか?先生・・・」
 もう真梨子の中では、折角手に入れた美しい乳房が、萎んでしまう事に関心が移っている。

「そうねぇ。うちのは採取した脂肪に特殊な加工をして入れるから、2割か3割くらいかな?!」

「そうなんですか・・・」

 掌に余る感じがする乳房を持ち上げながら、残念そうに真梨子が言った。
 ――じゃまたBカップに戻っちゃうかもしれないんだ・・・

「今よりもう少し大きい位のバストが、貴女に似合う綺麗な大きさだと思うの。 お尻を少し小尻にして、ほっそりとした足にして、そしてオッパイをもっと魅力的にしてあげたいの どう?」

「・・・ええ そうなれば嬉しいです」

「そう! 嬉しい! じゃ、今の身体が落ち着いたら、スケジュール立てましょうね」」
「・・・はい」

「真梨子さん バストに関心が集中してるようだけど、ラビアも確認してみて!」
「あ、はい・・・」

 ラビアには、左右に3対均等にピアスが並んで付いていた。
 触ってみてもまったく痛みも違和感もない。

「どう? 気に入った?」
「ええ 」

「2日間は、乳首もラビアも触っちゃダメですよ。 これは高倉ビューティ独自の、抗生物質入り軟膏よ。一日3回、患部に一週間塗布してくださいね」
「はい」

「それと、胸の注入した脂肪が固まらないようにケアしますから、明も明後日も必ず来てくださいね。 ご主人様が触っても心地よい揉み心地のおっぱいにしておかなきゃね」

「はい!」
 浩二のことを持ち出されると顔が火照ってしまう。

「そうだ! 明日と明後日は、ブラジャーはしないで下さいね。 今は無理に形を強制しないほうがいいのよ」
「はい・・・」

 脂肪吸引した腹部を圧迫して整えるために、編み上げのコルセットを装着された。
 コルセットに絞られた細いウェストに綺麗な乳房が乗り、先端にピアスが光っている。

 外に出た真梨子は、突然の身体の変化を楽しみながら駅に向かった。
 ヒールが路面を踏むたびに、ノーブラの乳房が、プルルンと微妙な揺れを示し、乳房の揺れを楽しむかのようにゆっくり歩いた。

■つづき

■目次

■メニュー

■作者別


おすすめの100冊