真梨子
羽佐間 修:作
■ 第2章 体験エステ16
オフィスに着いて、翔太がくれた紙袋を開けてみると、中には手紙と紫の小箱が入っていた。
手紙はプリンタで印字された手紙だった。
翔太といいます。 貴女の美しさに魅入られて、衝動を抑えきれずに貴女に触れてしまいました。
ごめんなさい。
でも貴女の性器に付いていたリング… とてもビックリしました。 そしてあるべき毛が無いことにも・・・
そういう女性について色々調べてみました。 貴女はマゾってジャンルの人なんですよね!?
薬指の指輪があるって事は人妻なんですよね!? 貴女の旦那様がとても羨ましい…
でも、貴女は、そんな旦那様がいるのに、とてもいやらしい人だ!
あの時、見知らぬ僕の指であんなにオマ○コを濡らし、僕の指を強く締め付けて、僕の胸に顔を埋めて電車の中で確かに逝きましたよね?! 貴女も束の間の危険な快感を楽しんでいたんじゃないかと思ってます。
さて、提案があります。
電車の中で一緒にいる20分間だけ、僕だけの物になってくれませんか?
僕も犯罪者になって一生を棒に振りたくはありませんので、周りの人に気付かれるような無茶はしません。
旦那様への忠誠の証のリングを取り外し、同封した僕が選んだピアスを付けて電車に乗ってきてくれませんか?
きっと似合うと思います。 明日の朝、待っています。
貴女がピアスを付けている目印に、いつも後ろに束ねている髪を解いて電車に乗ってください。
聞きいれて頂けないようなら、二度と貴女には近付きませんから! 翔太
箱を開けてみると鈍い銀の光を放つバーベルピアスが入っていた。
「ふぅ・・・・」
――何言ってんの・・・ そんな事出来るわけないじゃない!
「どうしたんですか?真梨子さん?」
手紙を見入っていた真梨子に、菅野 久美が声を掛けてきた。
「あ 久美ちゃん。おはよ あ、これ? 大したことないわ ただのファンレターよ」
「え? ファンレター?なんですか、それ?」
「電車でよく見かける大学生が呉れたの〜」
「え〜〜〜!見せてくださ〜〜い!」
「え〜〜〜!それは、彼の真摯な想いに免じてカンベンしてあげてくださいね」
「そんな〜・・・! うふふ」
「あはは」
「いいなぁ〜!真梨子先輩。人妻になっても人気は一向に衰えませんね!うふ 」
「でしょ」
「真梨子Fan Clubに誘っちゃおうっかなぁ〜 でも最近の真梨子さんて随分雰囲気が変りましたね! 色気倍増って感じですよ」
「何言ってんの? 久美ちゃん」
思わず、ジャケットの胸の合わせた。
「さぁお二人さん! 朝のおしゃべりは終わりましたか? 会議に行くよ!」
ドキドキしながら、不意を衝かれた久美との朝のおしゃべりを終えた。
「はぁ〜い! 秋山さん」
久美は、元気良く秋山の腕を取り、ミーティングルームへと向かっていった。
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