真梨子
羽佐間 修:作
■ 第2章 体験エステ17
−バーベルピアス− 5月23日(月)
昨夜風呂上りに、翔太から渡されたバーベルピアスを、新しいラビアホールに付けてみた。
鏡に写る秘裂の先端に、ピアスが鈍く光る。
「ふぅ・・・」
――バカなことしてないで寝ましょ;
しかし、ピアスを取ってショーツを穿こうとしたのだが、ピアスのヘッドがどうしても外れないのだ。
「えっ、どうしよう・・・」
何度も試みたが、左右とも取れない。
そういえば、ボールに差し込む時、カチッと音がした。
――きっと、先端が抜け止めの構造になっているんだわ・・・
諦めて、ショーツを穿いた。
――卑劣だわ・・・ でも私がおバカだ・・・ でもどうしよう・・・
『貴女は、マゾの奴隷だろう!』と翔太と名乗る青年が書いた手紙を何度も読み返した…
私が、彼の言う通りにすると本気で思ってこんなものを寄越したのだろうか?…
指定のピアスをラビアに着けて痴漢されるために私が電車に乗るとでも…
――私が、たとえ駅に現れなくても、取れないピアスで私を困らせるつもりなんだわ・・・ 私が付けてみる事を見透かしていたって事?・・・
ベッドに入ってからも、ずっとピアスが気に掛かってしまう。
ショーツの上から何度も、その存在を確認した。
ピアスを触るうちに、怪しい気分になってきた。
――あぁん 濡れてきちゃった・・・
真梨子は、電車の中で翔太に悪戯される自分を想像しながら、慰めてしまった。
◆
朝、目覚めてから漠然と電車の中での情景を考えている。
――何かで切り取れるんだろうか・・・
ドレッサーの前で、股を開いてピアスを取ろうとしてみたが、やはり取れそうにない。
無視すれば、彼が近寄らなくなって消えていくだけの事だ。
そうすればなんていうことはない。
――こんな身体の状態で、電車で悪戯されたら、どうにかなっちゃうわ・・・
怖いのだが、身体はそんな快感を試したがっている・・・
昨夜は自慰に耽り、電車の中でバーベルピアスを弄られる事を想像しながら、何度も逝ってしまった。
股間には、結婚を機に、浩二が愛奴の印にと真梨子に与えてくれたラビアのシルバーリングと、翔太のバーベルピアスが前後に並んでいる。
愛奴として本当に慈しみ、可愛がってくれる浩二が付けてくれたピアスと、痴漢に渡された物を揃って付け、痴漢される悪戯されることに同意して電車に乗るなんて、ありえない!と頭では思っている真梨子。
――それなのに、一体何を考えることがあるんだろう!? わたしはどうしたいの?…
ピアスを触っていると真梨子の秘貝の奥から、恥かしい液が潤みだしてきた。
これを付けて、電車に乗ってみたい真梨子がいるのだった・・・
――行かなければいいの! 行かなければ諦めるって言ってるんだから… わたし… 行っちゃいけないわ・・・
痴漢に弄られるか否かを迷っている自分が嫌になる。
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