真梨子
羽佐間 修:作

■ 第3章 目覚め4

 やがて、真梨子はゆっくりジャケットを脱いだ。

 真梨子の前に、ピンク色のカクテルがスッと置かれた。
「どうぞ 召し上がれ」
 雅ママが真梨子に薦めた。

「いただきます」
 真梨子は、そっとグラスに口を付けた。
 ――美味しい・・・ 

 渇いた喉をスッと心地よい冷たい液が流れる。

「貴女、お名前は?」
「は、・・・ 真梨子です」

「真梨子さん 胸に素敵な飾りが付いているのね」
「ぁぁ・・・」
「それに貴女、とてもいい香りね! マゾの女が好むって噂のディオールね!? ご主人様の趣味かしら!?」
 真梨子は3年前から浩二がディオールのディオリッシモをベースに調製させた香水を使っている。
 真梨子もその甘い上品な香りがとても好きだった。
 ――マゾの女が好む香りなんだ・・・

 レモンイエローのブラウスから乳首の先端に付いた二つのリングが透けて見えていた。
「真梨子さん ドキドキしてる?」
「はい・・・」

「そ よかった」
「そうだ!ママ 真梨子さんね、このピアス、今日解禁になったのよ 今付いているのは医療用のリングなの お店に来た記念に素敵なピアス、何か見繕ってあげて」

「そうおめでとう いいわ! 素敵なものを差上げるわ」
「ちょっと見せて」
 おもむろに真梨子の胸に手を伸ばし、ブラウスのボタンを一つ外し、ブラウスをはだけて乳房を晒してしまった。

「いやっ・・・ やめてください・・・」

「あはは 恥かしいの?! 良く見せて 乳首に似合うのを選んであげるから!」
「・・・そんな・・・」
「まあ!可愛い乳首ね 高校生かと思うような綺麗なピンク色だわね」
「は、恥かしい・・・」
「ちょっと待っててくださいね。 似合うものを持ってきますから」
 雅は真梨子の乳首から手を離し、控え室らしい部屋に消えた。

「奈保子さん・・・ このお店にはよく来るんですか?」
「そうね。お客様のお供で月に1度くらいかな? それに雅ママは、うちのお店のお客様だしね」
「そ、そうなんですか・・・」

 奥の控え室から戻ってきた雅の手には、化粧箱が2つ握られていた。
 雅が箱を開けて真梨子に見せた。

 一つは乳首を覆う筒に乳輪を飾るようにシルバーの花模様の飾りが付いたものだ。
 もう一つは、クリスタルガラスとジュエリーがキラキラ輝くピアスだった。

「さぁ、付けて上げる!」
 再び乳房をカウンターの越しに触られ、医療用のピアスはクリスタル製の華やかなものに取り替えられてしまった。

「まあ!とっても似合うわ!いかが?」
「ホント!真梨子ちゃん可愛いわ!」奈保子が乳首に触れて、ピアスを揺らした。
 ――あぁぁ ホント、綺麗・・・

「あ、ありがとうございます。 ママ・・・」
「どう致しまして 気に入った?」
「ええ・・ とても・・・」

「そうだわ!私も今日の記念に真梨子ちゃんにプレゼントしてあげる! こっちへいらっしゃい」
 ブラウスの前をあわせ、フロアの奥に向かう奈保子に、急ぎ足で付いて行く。
 ノーブラの胸は、フルフル揺れ、ピアスに飾られた乳首がブラウスを擦る。
 ソファで絡まる人達が真梨子に目線を向けているのが判る…
 ――恥ずかしい… みんな、見てる…

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