真梨子
羽佐間 修:作

■ 第3章 目覚め5

−Half Moon 2−  5月23日(月)

 フロアの奥のカーテンで仕切られた部屋に連れて行かれると、壁面のショーケースに沢山のボンデージコスチュームが吊るされていた。

「どれでもいいわ、プレゼントしちゃう! ご主人に見てもらう事を想像して選んで頂戴」
「え〜、頂けませんよ。高いんでしょ?!こういうのって。こんなにして頂いたら・・・」

「何言ってるの! 私もFanClubの一員よ 真梨子ちゃんが悦ぶのが嬉しいのよ! プレゼントさせて」

「は、はい・・・」

 浩二に、ボンデージショップの通販サイトで見せられようないやらしい皮の拘束具に目が留まる。
 乳房を搾り出し、四肢を拘束する黒皮のボンデージや、突起が2本付いた貞操帯ようなショーツなど、どれもとてもいやらしく見ているだけで、秘貝は潤み、蜜を溢れ出てきた。

「どれもこれも、魅力的でしょ?! 迷っちゃうわね!真梨子さん」
 真梨子は、恥かしげにコクリと頷いた。

 暫く考えて、オズオズと指を差したのは、赤い皮のボディスーツだ。
 フロントは乳房を覆うカップがなく、下半身はフロントもバックもT字のような細さで、股間にジップが付いていて開くようになっている。
 雅が、ショーケースから取り出し、真梨子に手渡した。
 恥かしさで、真梨子の顔は真っ赤に紅潮していた。

「たぶん、サイズ的には大丈夫だと思うけど、一度着替えてみて」
「えっ! ここでですか?」

「そこに着替えるところがあるわ!」
 指差された箇所には、ブティックのフィッティングルームのようにカーテンで仕切られた一角があった。

「で、でも・・・」
「折角奈保子さんに頂くのに、サイズが合わないと”その時”に楽しめないでしょ!真梨子さん」
 雅の凛とした声音には、拒絶できない強さがあった。

「え、えぇ・・・」

「さあ!早く」
 背中を押されカーテンの向こうに押し入れられてしまった。

 暫く佇んでいたが、意を決してブラウスを脱いだ。

 目の前の鏡に、胸で揺れるジュエリーピアスが光っている。

 スカートに手を掛け、足元に抜く。
 ブラウスと一緒に、足元の籠に入れた。

 ガーターとストッキングだけの姿を鏡で見る。
 ――私、いやらしい・・・

 ガーターの留め金を外し、ストッキングを脱ぎ、ガーターベルトを取った。

 ボディスーツを手に取り眺めた。
 ウエストの前の部分に3箇所ベルトで左右を留める様になっていて、ウェストニッパー状の下端から徐々に細くなった股間を覆う部分を股に通し、後ろから両端を腰骨の辺りのベルトで絞め、固定する作りになっている。

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