真梨子
羽佐間 修:作

■ 第3章 目覚め7

 鏡に写る皮の拘束具に身を包んだ身体を見詰めた。
 ――いやらしい・・・ でも私・・・ 綺麗だわ・・・

「さあ!折角だからあちらで皆さんに見てもらいましょうか?」

「えええっ!! そ、そんなことは出来ません!」
「あら そうなの?こんなに濡らしているくせに」

 雅の手には、真梨子が脱いだショーツが握られていた。
「ああぁぁ 見ないで下さい・・・」

 クロッチ部分を指で撫で、その湿り具合を指摘され、真梨子の羞恥は益々高まってくる。
「たくさんリングが付いているのね!」
 雅が不意にラビアのリングに手を伸ばしてきた。

 股間のベルトでは、ラビアのリングは隠しきれず、真梨子が知らぬうちに滲ませた愛液は、秘貝から溢れ、大腿を濡らしていた。

「あら、イヤだ こんなに悦んでいたのね!」
 真梨子の雫が付いた指を真梨子に見せた。
「ああぁぁぁ・・・ 恥かしい・・・」

「仕方ないわね! じゃこれをしてあげるわ」
 目の部分が開いたアイマスクをされ、シルバーのウィッグを被らされた。

「これなら、真梨子さんて判らないでしょ!」

 鏡に写る自分を見た。
 ――確かに判らない・・・ でもこんな淫らな格好をしてお店のお客の前に出るなんて・・・

「これもつけてあげるわ!真梨子さん」
 あっけにとられ、真梨子は雅に赤い首輪をはめられた。

 なされるがままの真梨子・・・ 身体が痺れたように抗うことが出来ない。

 首輪の先には皮のリードが付いていて雅の手に握られている。
「さあ、いらっしゃい!真梨子!」

 リードを引かれ、幾つかのテーブルを横切りながら、カウンターに戻った。
 真梨子が座っていた席の隣には、一席おいてカップルが座っていた。
 ジロジロ見られているのを何となく感じる。
 次から次へとイヤらしいお汁が湧き出してきていた。
 カウンターの向こうにいる雅が、リードを引き、真梨子に命じた。

「何しているの!由梨! お前は恥かしい姿を見られたいんだろ! 顔をお上げ!」
 ――ユリ? わ・た・し?・・・ 私はユリ・・・

 顔をあげ、胸をそらした。
 隣の席の男性客が、連れの女性に言っている。

「ほら!ごらん。 いやらしいだろ! あんなのをお前にも付けてやりたいんだよ!」
「やぁ〜だぁ〜!もう」

 ――見られてる  私、こんな恥かしい姿を見られてる・・・ ワタシ・・・ ユリ

 閉店まで、じっとカウンターで座っていた。

 自分でも気に入っている美しいフォルムを描く乳房に、ピアスの飾りを付けた乳首を、好奇の目に晒し、ただじっと座っていた。
 最後の客が帰り、川上に「さぁ、着替えて帰りましょうか?!由梨」と声を掛けられた。

 着替える場所は、客のいなくなったステージを与えられた。
 店の正面に据えられた半円形のステージでは、真梨子がいる間も、何組かの男女が皆の前で淫らな行為をスポットライトを浴びながら繰り広げられたステージだ。

「貴女ってホントに恥ずかしがり屋さんで、恥かしい格好を見られてる自分が好きなのね」
「さぁ、由梨 着替えましょう」

 客席に背を向け、煌々とした明かりの下で、ボンデージスーツを脱いでいく。

 真梨子が座っていたカウンターの椅子に、淫汁がベットリ付いている事を、閉店の片付けをしている女性スタッフが雅に笑いながら告げた。

 全裸になった真梨子に、ローズピンクのベビードールタイプのミニワンピースが渡された。
「えっ・・・ これは?・・・」

「帰宅用のドキドキアイテムよ」

「そのまま着なさい!!」
「このまま!ですか?・・・」

「そうよ!」
「は、はい・・・」

   ◆

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