真梨子
羽佐間 修:作

■ 第2章 目覚め8

 裸にベビードールのようなワンピースを着て深夜の六本木の街に立った。
 タクシー乗り場には10人くらいの列があった。
 上野に住む奈保子が、途中だから送ってくれると言う。

 軽い柔らかい生地のドレスは、頼りなく裸で外に立っているような気がする。
 胸の切れ込みは深く、乳首がギリギリ隠れるくらいに胸元は広く開いていた。
 風が吹くと、瞬く間にスカートが捲くれあがってしまいそうな不安を覚える。
 街頭に立っている間に、膝の後ろにまで愛液が、流れて落ちていた。

 ようやく乗り込んだタクシーの中で、奈保子が真梨子に優しく聞いた。

「楽しかった?真梨子さん」
「え、ええ… 楽しかったです ご馳走になりました」

「少し刺激がきつかったかしら?!」
「正直、少し驚いてしまいました」

「そ 今日から解禁だけど、あまり強くオッパイを揉んだりしちゃダメよ」
「そんな」
 奈保子の声に、タクシーの運転手の事が気に掛かる。

 真梨子の心配を察したのか、奈保子が耳を寄せて言った。
「オナニーは激しくしちゃダメよ!いいわね」
「・・・・・・はい」

 マンションに着き、辺りを見回す。
 こんな若い子が着る様なワンピースを着て、しかも下着は何もつけず、こんな深夜に戻るところを同じマンションの住人に見られたくはなかった。

 エレベータの中で雅ママの言葉を思い出していた。

『恥かしい貴女を楽しみたくなったらいつ来てもいいのよ。 由梨!』
 手にする袋には、今日一日着ていた服と、赤い皮のボンデージが入っていた。

 真梨子は、雅の話に応えず、お辞儀をして店を出たのだったが、二度と訪れてはいけない!と自分を諌める気持ちと、淫らな自分を見透かされた恥かしさとが交錯し、少し失礼な態度だったかもしれないと思い起こしていた。

 部屋にたどりつき、真っ先に鏡に写る自分を確認した。
 ――ぁぁぁ… 何て恥かしい格好なんでしょ・・・ 

 背中のホックを外し、ワンピースを足元に落した。
 ――いやらしい身体だわ!

 鏡の中の真梨子が乳房を揉んでいる。
 ――あああぁぁぁ 気持ちいい・・・

 紙袋から赤いボンデージスーツを取り出した。
 汗だくになり、再びきっちりと身体に拘束着を身に着けた。

 鏡を見ながら、股間のジップを開け、そして肉芽に指を這わす。
 ビクン!と身体が弾けた。

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