真梨子
羽佐間 修:作

■ 第3章 目覚め24

「あっ、何かここがやばい所かなって思いませんでしたか?」
「ああ。 正直なところ少しな…」
「あははっ。 ぜんぜん問題はありませんよ。 ここの女の子達は、全員素人で、身元のはっきりした学生、OL、教師など昼はしっかりした職業に就いている人ばかりで、本当にあんな事が好きな身体に仕込まれた女達ばかりなんですよ。 もちろん、最初からそうだった子はほとんどいません。彼や旦那の趣味で、無理矢理好きにされちゃった女がほとんどです。 それがまた良いんですよね!! 最初は泣き喚いて嫌がっている女が、徐々に牝犬になっていく過程がね。 メンバー皆で一緒に調教していくって感じでね」
「ほお! それはいいなあ!」
「でしょ!」
「しかし、顔を出している子もいるが、その…素人さんなのに日常生活に支障はないのかね?」
「利用されている会員の方の入会審査はとても厳しくてお金を持っているだけでは許可して貰えません。 心身ともに健康で、良識のある身元のしっかりしたエグゼクティブばかりです。 秘密厳守が絶対条件で、会員や会員がお連れになった方が、もしお店の事や、女の子達の秘密を口外したら、発生した損害はすべて負って頂くお約束です。 口には出来ませんが、その制裁は非常に厳しいものです。 もっとも今までに罰則を適用された方は、お一人も居られませんけどね。 ですから梶さんも今日、ここで見たり体験されたりした事は、絶対内密にお願いしますね。 たとえ街で偶然にここで見た女に出会ったとしてもですよ!」

「ああ。 わかった…」
「そうですか。 よかった。 では、お望みならあのステージの女性、お好きなように可愛がってくださって結構ですよ」
「…いいのか?」
「ええ。  身体に擦り傷や痣以上の傷つけない限りは何なりと」
 得体の知れない組織の存在を感じ、怖気づいていた梶だが、数メートル先に吊り下げられた魅惑的なボディの女を好きに出来る誘惑には勝てなかった。
――喋らなければいいんだろ。 そうすれば…

   ◆
「あああぁぁぁ… 許してぇ…  お願いですぅ… 逝かせてください〜〜〜」
 ギリギリときつく戒められた縄に、いびつに歪む魅惑的な裕美のボディが、天井から下がる縄に揺られて宙を揺られている。
 股間には極太のバイブが、前後の穴で無機質なモーター音を発しながら微かに蠢いていた。

 新谷裕美が愛奴育成倶楽部・東京サロンの調教部屋に捉えられて、10日以上が過ぎていた。
 木島常務に急遽1週間の出張の準備をして来るように言われ、一旦自宅に戻り身支度を整え15階の役員フロアを訪れたのは、6時を過ぎた頃だった。
「ご苦労様。出かける前に一緒に食事をしていきましょう」と言われ、六本木のレストランに向った。
 食後ののデザートが出された頃に、猛烈な睡魔に襲われ、気が付けばこの淫靡な部屋に素っ裸にされて鎖で繋がれていたのだった。

 最初の頃は、陵辱する男達を罵り、気丈に振舞っていたが、やがて女体を狂わす怪しい様々な薬を用いてあらん限りの陵辱を受け、気が狂ってしまう恐怖すら感じるほどの絶頂に数知れず追いやられていた。
 いまでは体中のどの部位でも男を感じ、絶頂に導かれる体に改造・飼育されてしまっていた。
 裕美は、肉欲に負け奴隷として男にかしずく悦びに自分が支配されるなんて、想像したことすらなかった。
 昨夜、焦らしに焦らされた末、とうとう前後の穴を同時に貫かれる事を涙を流しながら自ら求め、心身ともに牝犬に堕ちた事を自覚した瞬間を迎えた…

 そして今夜、牝犬の証としてHalf Moonで、見知らぬ大勢の客に散々に玩具にされ、あられもない痴態を晒してしまった。
 店を引き上げてからも更に厳しい調教が裕美には待っていた。

 裸のまま連れ戻された調教部屋には近藤昌也(高倉ビューティ:吉岡専務)がいたのだ。
「よ、吉岡専務… どうして?… どうか見ないでください…」

 初めて姿を見せた昌也は無言のまま、手際よく裕美の身体に縄を掛け、やがて裕美の体は宙に浮いていた。

   ◆

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