真梨子
羽佐間 修:作

■ 第4章 淫・由梨4

 スタッフルームで着替え始めると、雅が入ってきた。
「真梨子さん ありがとう! 助かったわ」 
「いえ・・・ 少しはお役に・・・」

「ええ!とっても。 貴女、凄く可愛かったわ! 恥かしそうにする風情が本物だから、皆さん本当に興奮してたわよ そして貴女もね!」
「そんな・・・」
「楽しかった?真梨子さん」
「・・・・・・」
「うふ 楽しめたようね、真梨子さん」
 そういう雅の目は、ストッキングの内腿に夥しく漏れ出した真梨子の淫汁を見ていた。
――あああ 恥かしい 
「・・・・・・はい」
「そ 良かった」

「ねえ、真梨子さん」
「はい?!」
「これからもお店が大変な時だけでいいから、手伝ってくれる?! 由梨として」
 じっと雅に見詰められた。

――あぁ・・・ダメよ 断らなきゃ・・・ こんな事続けてたら…
「ね!真梨子さん!貴女、9月で関西に戻っちゃうんでしょ?! 今、大都会・東京のココにしか存在しない”由梨”を楽しみなさい」
――由梨を楽しむ… 今、ココにだけ存在… 真梨子ではなくて”由梨”を演じるんだわ・・・ 私は、由梨・・・

 やがてコクンと頷いてしまった。
「そ!嬉しい アリガト!」
「い、いえ・・・」

「はい、これ」
 タクシーチケットと、アルバイト料の代わりにと、今日身に着けていたメイド服が入った紙袋を手渡された。
「あ、ありがとうございます」
「じゃ、気を付けて帰ってね 由梨」
 雅は、真梨子の頬に優しくキスをした。

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