真梨子
羽佐間 修:作

■ 第4章 淫・由梨6

「やあ、こんにちは。羽佐間さん さあ、綺麗になりましょうね!」
 真梨子の不安を取り払うように、にこやかに微笑みながら声を掛けた。
 真梨子の頭の中は、クリ○リスへのピアスの事がすべてだった。
「あ、あのぉ・・・ 桑野先生・・・」
「はい、なんでしょう?」

「・・・あの・・・脂肪吸引に加えて、ボディピアスもお願い出来るでしょうか?」
「ええ もちろん!1箇所1分も掛かりませんよ! せっかく麻酔をかけるんですから、眠っている間に、痛かったり、怖かったりするのは済ませておきましょう で、何処に?」
「・・・・・・」
「うふクリ○リスにですって 先生!」奈保子が隣から助け舟を出した。
 桑野医師は、ニコリと微笑み、「はい わかりました」と心良く引き受けてくれた。
「じゃ、付ける場所のチェックをしましょう!」
「あ、あっ もう、お任せします!先生!」
 足元に廻りかけた桑野を、真梨子は慌てて制した。

「うふふ 先生 女心ですよぉ〜 寝てる間に見られて触られちゃうのに、今は恥かしいんですって」
 真梨子は顔を真っ赤にして顔を手で覆ってしまった。
「はい しかし医者の私にとっては、たとえそういう箇所でも患部というか、手術をする部位ですからね。 見せて頂かないと」
「は、はい・・・」
 足元に廻った奈保子が、真梨子の両膝を立て、股を開かせた。
――ああぁぁぁ・・・ 恥かしい・・・

 ゴム手袋を嵌めた桑野医師の指が、既に少し充血したクリ○リスを剥くような仕草で摘み上げた。
「うぁっ!! くぅぅぁぁ・・・」真梨子の身体は、ビクンと跳ね、手でベッドの縁を握り締めていた。
「羽佐間さん。 クリ○リスにしますか?それともクリ○リス・フットにしますか?」
「クリ○リス・フットって?」
「ああ 包皮のことですよ。クリ○リスの」
「・・・・・・」
 付ける箇所の違いは判ったが、選択の基準が真梨子にはわからない。
「ほほ 真梨子さんは、凄い事をやってる割にはオコチャマなんですよねぇ。 街のピアス屋さんじゃ危なくて包皮にする事が多いのよ。 折角優秀なお医者様にして頂くんだからちゃんとクリ○リスにして貰っちゃいましょうね、真梨子さん!」
「え、ええ… そうしてください、先生」
「はい。 じゃこのあたりにしますよ。いいですね?!」
 桑野医師の手に握られたヘラの様な金属棒が、クリ○リスの1点を軽く指した。
 ビクンと身体が跳ねた真梨子は、こくりと頷き顔を背けた。
「はい、わかりました。身体に負担が掛からないように、開けておきます。安心してください」
「は、はい・・・ よろしくお願いします」
「良かったわね、真梨子さん 偉いわ よく決心できました。やっぱり愛の力ね」
 隣にいた奈保子が、真梨子の不安を払拭するためか、子供をあやすように髪を撫でて誉めてくれた。

 麻酔が身体に入ってくる。 数を数えるうちに、いつの間にか意識は遠のいてくる・・・
――決心出来たのは、浩二さんのためだけだろうか・・・ 
 あろう事か薄れる意識の中で、浩二に抱かれるよりも、由梨で痴態を晒す場面を想った・・・

   ◆

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