真梨子
羽佐間 修:作

■ 第4章 淫・由梨15

 天井から下げられた鎖の先の皮ベルトが、真梨子の左右の手首に留められた。
 ジャラジャラと鎖が床を這う音がして、その鎖の先端の皮ベルトが、足首に捲かれてきつく固定された。
 そして両足は左右に引っ張られ、ハイヒールで立てる限界まで大きく足を開かされ、辛い体勢を取らされた。
 やがて、鎖を巻き上げる滑車の音と共に、真梨子の両腕は、ピンヒールの踵が浮き爪先立つまで真っ直ぐ上にバンザイをしたように引きあげられた。
 まったく無防備な体勢の身体をいやらしい嗜好の男達の前に晒した。
――ああぁ… ダメぇ いやぁぁ… 恥かしい…

 眩暈がするほどの恥ずかしさに身体の奥底から隠微な牝の想いが湧き上がってくる。
――見られたい!…  こんなに淫らで恥かしい私を見て欲しい!…
 しかし、真梨子には浩二以外に対して、自分の心に芽生える淫らな欲求など認めたくない、認められない事だった。
 知らない振りをして、気付かない振りをして、考えないようにして、今からの淫らな時間は由梨として堪能しようとしている。
――そう! 私は由梨なの! 淫らなマゾ女よ!

「今から1時間ほど、吊るされっぱなしで身体は辛いでしょうけど、楽しんでね!露出狂の真梨子さん」
 雅が耳元で囁いた。
――ち、違うわ! 真梨子じゃない…
ステージのスポットライトが点灯し、真梨子を浮かび上がらせた。
――あああぁぁぁ ライトが当たってる…
 身体にライトの熱を肌に感じ、暗い客席から見られているのを感じる。

 間もなく複数の足音が近付き、男達の息遣いが脇、乳首、股間の辺りから聞こえ、その息が皮膚を這い回り始めた。
「アフォッ!ハフ!シュ!」ボールギャクに阻まれ、息苦しく訴える声も思うように出せない。
――ああああぁぁぁぁ やめて〜〜
 懸命に身体を揺するが、逃げる事は適うべくもない…
 腋から起こるくすぐったさの中に、甘美な快感が湧き起こってくる。
――そこ… ダメ〜
 息を吹きかけられたり、ショーツの頂に鼻を寄せ、クンクンと匂いを嗅ぐ気配を感じる。
――あああぁぁぁぁぁ  いや〜〜〜 お願い! 助けて〜〜

 30分近く、羞恥におののき、蜜を吐き出し続けていただろうか…
 ステージにはヤニ臭い息を吐く男を除いて他には誰もいなくなった。
 ハフッ、ハフッ懸命に息をする真梨子の乳房は、真梨子が零した涎で濡れ、床にまで垂れている。
 懸命に 啜 ( すす ) っても毀れてしまう乳房に垂れる涎が恥かしくて仕方がない。
 男は飽くことなく、真梨子の体中の匂いを嗅ぎ、息を吹きかけてくる。

 ヒールの足音が近付いた。雅だった。
「あらら ジュンちゃん、熱心だ事。 由梨がお気に入りね!」
 真梨子の股間に蹲っていた男は、雅を見上げてニヤリと笑った。

「由梨!もっと恥かしい貴女を見て欲しいんじゃないの?!」
 真梨子は、何度か軽いエクスタシーを感じて意識は朦朧としていたが、雅に呼びかけられ反射的に顔を持ち上げた。
 真梨子には雅が何を言っているのか聞き取れないのに、その口調が叱っているように感じて、謝罪の意思を表すつもりで何度もうなずく。
 頷くたび、新たな涎が胸に糸を引いて落ちていく。

「そう! じゃもっと恥かしくなりたいようだから貴女にサービスしてあげるわね!せっかくの綺麗なピアスが見えないものね どうせ透けて見えちゃっているいるんだからこれ、取っちゃいましょうねぇ」
 首の後ろのブラジャーの結び目が解かれ、胸の後ろの紐も外された。
――いや!お願い!ママ! だめ〜… 許してください〜〜

 首を懸命に振り、イヤイヤをするが、意味の無いことだ。
 真梨子の豊満な美しい形をした双乳がまろびでる。
 ジュエリーピアスが乳首で揺れ、輝いていた。
「はっふ、ふふぁ」
――ああぁぁ 見ないでぇ〜〜〜

 雅はバタフライの紐も解き、ショーツは身体を離れ、とうとう真梨子は大の字の素っ裸の身体を人前に晒した。
――いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜!! 見ないで〜〜〜! ダメぇぇ…
 股間のピアスのダイヤが、ライトを反射しキラキラ光り、クリ○リスのジュエリーピアスは、真梨子に快感を刻むように左右に大きく揺れた。

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