真梨子
羽佐間 修:作

■ 第4章 淫・由梨20

 ステージの真ん前の席で横田と二人で、真梨子と久美の絡みを見ていた。
 既に磔台から降ろされマットの上に横たわっている真梨子は、久美の唾液と真梨子の汗で体中が怪しく濡れ光り、息も絶え絶えになるほど官能を揺さぶられ、切なそうな声をあげて喘いでいる。
「梶さん レズビアンもいいでしょう!?」
「ああ しかし見てるだけでは、この元気な息子が可哀想だ」
「ははっ。 星野君が後で久美を可愛がってやってくださいって言ってましたよ」
「そ、そうか…」
「あ、そうだ。 久美にはまだ真梨子の事は言わないでくださいね。 もっともあれだけ身体を舐めてると、久美も貴方と同じように、香水の匂いで真梨子って気付いちゃうかなかな?!」
――久美は、真梨子だと知らないで抱いているのか… こいつら一体…
 梶は、少し怯えていた。

 さっき真梨子を尾行ていた事をスタッフルームで星野に咎められた時、すべてを聞いてしまった。
 知らぬ間に得体の知れぬ組織に関与していることを…

 知らぬこととはいえ、先日この店で抱いたのは部下である菅野久美だったのだ。
「よく撮れていますよ。 ご覧になりますか?」
 その陵辱の場面はビデオに納められていたという。
 梶の返事を待つこともなく再生された映像は、梶が腰を女に激しく打ちつけ、荒々しく犯している場面で、梶の顔がはっきり映っている。
 続いて流れた映像には、ステージから控え室まで、梶の放った白濁液を股間から垂らしながら床を這い戻った女が、マスクを取り久美である事がはっきり分かるまでノーカットで映っていた。
 記念にとデッキから抜き取ったDVDを渡された。
――逆らうな!という意味か…
 自分の卑猥な性交の映像に加え、その相手が会社の直属の部下なのだ。
 その久美は彼らの完全に性奴隷と化しているので、彼らの命で『無理やり犯された』などと訴えられれば、逃れられない証拠の映像になる。

「しかし、真梨子の周りには、スケベな病んだ男が集まってくるもんですねぇ! あっ、そうか 真梨子が周りの男たちを惑わせているのかも知れませんね」
 横田がニヤつきながら梶に言った。
「…?」
「貴方にしても、貴方の部下の秋山にしても、そして貴方の息子さんにしてもね。 そうそう、僕もですね」
「えっ!息子? 秋山?…」

 横田から電車での経緯を聞かされた。
 翔太から3週間ほど前に、『お父さんと同じ会社のバッジを付けた男の人が痴漢をしていたよ』と話を聞いていた。
 聞いた時は場所柄から秋山か?と思ったが、しかし彼が通勤に利用する路線と違うし、普段の秋山からは想像が出来ない。
 万が一を考え、社員の中に痴漢をしているという噂話がある事を秋山に伝え、注意を促しておいた。
 しかし、秋山に加え息子の翔太も痴漢に加担し、その対象が真梨子だったとは驚くしかなかった。
「やはり親子ですね。 女の好みは似るもんですね〜」
「……」
「会社での真梨子、よろしくお願いしますよ!梶さん」
 もう彼らに従うしかなかった。真梨子を堕とす事に…

 ステージでは、由梨を演じる真梨子が、今際(いまわ)の叫びを洩らし、のぼりつめようとしている。
「だ、だめ〜〜  ああああああああ」
 真梨子は、両手首をそれぞれの足首に括られ、マットに尻を突き出して這いつくばっている。
 その白い魅惑的な真梨子のヒップを太いディルドウの付いたペニスバンドを腰に巻いた久美が、しゃにむに腰を突き動かしていた。
 真梨子の秘裂を出入りする久美の打ち出すディルドウは、淫水の弾ける淫らな音を響かせ、真梨子の白い粘質の愛液にまみれていた。
「あっ、ああっ ぅんあああああああぁぁぁぁ 逝く! 逝く! いっちゃうぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜」
 縄で戒められ崩れ落ちる事も出来ず、快楽にのたうちマットに突っ伏す真梨子の横顔は、凄惨なほど美しく淫らだった。

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