真梨子
羽佐間 修:作

■ 第4章 淫・由梨21

−自慰−  6月30日(木)

 いつもの時間に、目覚ましの音で目覚めた。
 ベッドから起き上がると少し身体の節々が痛む。
――赤いX架に繋がれていたからだわ…
 昨夜のhalf moonのM奴隷久美との恥かしい場面が脳裏をよぎった。

 カーテンを開けると、今日も強い雨が降っている。
 そしていつものようにパソコンの電源を入れた。
 何通かのメルマガと共にアメリカにいる浩二からのメールを受信した。
――きゃっ 浩二さん
今日は、夜のパーティまで仕事はオフだ。 7/6(水)に帰国予定(DL7007便、成田17:00着) 東京事務所で打ち合わせをして、いつものエンパイヤホテルに1泊する予定。 時間が取れるならお前もホテルにおいで!スケジュールはいかがかな? 俺の愛奴ちゃん?!

―やった〜〜 やっと逢える!! 七夕の彦星様だぁ 嬉しい!!  浩二さん…
 嬉しくて嬉しくて涙が溢れ零れてきた。

 返信を打とうとして、涙で滲む目でメールを読み返してみると、送信日時からついさっき送信してくれたメールだと気付いた。
――シアトルとの時差はマイナス17時間だから… えっと… 今お昼の2時過ぎだわ。 offだからってお酒飲んで寝ちゃってるかな?! 電話しちゃおっと

5回コールが鳴る。

(ほい)
「浩二さん?!」
(真梨子、おはよう もう起きてたのか?)
「はい。 おはようございます 今起きたところです。 浩二さん、元気ですか?」
(ああ、元気だよ。 何だお前、鼻グズグズして… 風邪でもひいたのか?)
「いいえ。 とっても元気ですよ」
(はっはぁ〜、わかった! もう直ぐ俺に逢えるからってんで嬉しくて泣いてたんだろ?!)
「ち、違いますぅ。 そんな事で泣いたりしません! …すっごく嬉しいですけど」
(そっか。 元気そうで良かったよ。 変りはないか?」
「はい… メール、見ました。 戻ってこられても長期出張の後だから皆さんとたくさんお話があるでしょうけど、どんなに遅くなってもホテルの部屋で待ってますから。 すっごく楽しみです!! ダーリン〜〜」
(そうか。 じゃ、久しぶりにたっぷり可愛がってやろうかな)
「…はい  でも時差ボケと深酒でボロボロになってホテルに辿り着くんでしょうけれどね〜〜 身体にはくれぐれも気をつけてくださいね! でないとスーパーボディになったマリリン姫をダッコできませんよ〜」
(おう!そうだったな。 未だ見ぬエロい身体になった我が姫君よ〜  酒は控えてホテルに戻りますよ。 それはそうとお前、起きたばかりなら、まだシャワーも化粧もしてないんだろ?! 早く用意しなさい。 じゃ切るぞ。)
「は〜い チュ」
(ふっふ)

――もぉー!いつまでも子供扱いなんだからぁ〜 うふっ
 もっと話していたかったが、長電話は浩二が嫌う事を知っているので、あっさりと真梨子も受話器を置いた。
 真梨子は、ウキウキしてバスルームに向かった。

   ◆

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