真梨子
羽佐間 修:作

■ 第4章 淫・由梨26

 指では、弄られる事はあっても唇でアナルを愛撫されるのは、浩二にもされたことはない。
 懸命に身悶えするが四肢を拘束されているので逃げられる訳もなく、男を悦ばす女体の反応のようにしか見えなかった。
 男は舌をすぼめ、アナルの中に差し入れてくる。
「ああふぉっ、あ、あ、うぎゅ…」
――やめて!そんなの… ひどい! だ、だめ〜
 舌がアナルの浅瀬を緩やかに出入りし、真梨子の官能を煽ってくる。
 ヌチャヌチャといやらしい音をたてながら、尖った舌が更にアナルの奥まで進入してきた。
 見知らぬ男の舌にアナルを嬲られ反応してしまう自身への激しい嫌悪を感じるが、淫汁を吹き零し無意識に腰が揺れる…

 そしていきなり、南京錠で塞がれたヴァギナに収まっているディルドウが振動を始めた。
「うっっくぅ うああ…」
 ディルドウだと聞かされていた物は、実はバイブだったのだ。
――いやぁ ぐはぁぁぁぅぅあああぁああ・・・
 先端部が回転をしながら微妙なバイブレーションを蜜壷の奥で刻み、真梨子を快楽の深遠に導こうとする。

 アナルから唇を離した男が、崩れ落ちそうになる真梨子の尻を支える。
 そして手にしたビーズ状のアナルバイブの先端に秘孔から漏れた淫蜜を塗し、バイブの先端の瘤を挿れてきた。
「んうぅぅぁぁああ…」
――いやぁ〜 だ、だめー! 許して〜〜〜  そんな〜〜
 真梨子のアナルの浅瀬をいやらしい音をたててバイブが行き来する。
 おちょぼ口のようなアナルから瘤が出てくる時、火山の噴火口のように変形し、瘤を離すまいとする様は、括約筋の締め付けを想像させ男達の目を楽しませた。
 やがて直腸の奥深くまで差し込まれたアナルバイブは男の手を離れ、真梨子のアナルから取っ手部分だけが生えているように見え、微細な振動を始めた。
――あ、あっ、だ、だめ〜〜 き、気持ちいいぃぃ 
 前も後ろも振動する玩具に塞がれ、快感が徐々に燃え上がってくる。

「ああああああああああぁぁぁ オマ○コぉ〜〜いいぃぃ〜〜〜!もっと〜〜〜!」
 右横の女が、テーブルの下で外に向かって拡げた股間に、男の怒張を受け入れ悶え狂っている。
「お、お願いしますぅ お尻にくださいぃ〜〜〜!」
 目の前の女が悶え、アナルへの挿入を願う言葉を吐く。
 女達の身悶えで、真梨子の尻に載るガラス板は波打つように揺れ傾き、他の女達が快感に翻弄されて身体を打ち震わせているのだろう。

「お前等! テーブルを倒したら全員グリセリン原液2リットルの浣腸だぞ! 1時間、アヌスストッパーで栓をしてやる。 たとえお前らの腹が破裂してもクソをさせてやらないからな!」
 VIPルームの世話をしている星野が女達に吼える。
 女達は皆、星野の言葉に怯えたのか一瞬身体をビクンと硬直させた。
 時折、爬虫類を思わせる陰湿な表情を浮かべる星野なら本当にやりそうな気がして怖い。
 テーブルの下に潜り込んで赤いチョーカーが見えないのか、約束を破って身体に触れられ、しかもヴァギナとアナルを同時に弄られて快感に呑み込まれながらも、天板の傾きが気にかかった。
――グリセリンの原液2リットルだなんて… しかも1時間もなんて…
 真梨子が、浩二に言われて始めた腸内洗浄が毎朝の日課になってもう1年ほどになる。
 浩二に抱かれる可能性のある時にも事前にするようにしていた。
 美容的にも有効なので苦にすることなく続けているのだが、2リットルといえば普段の倍以上の量でそれもグリセリンの原液とは想像しただけでも恐ろしい。
 もう絶頂の直前まで追い上げられている真梨子は、その時に身体を崩さずに保っていられるか不安だった。
 
   ◆

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